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やさしい言葉のやさしさとは何?

 世の中にある方法論は多種多様で面白い。ただ、すんなりと多くの人に受け入れられるものと、そうといかないものとある。その違いは何かを考えていた。結論を言うと、少し見て聞いただけで馴染める言葉が並んでいるかどうかは大きそうだ。やわらかい言葉で表現できているかどうか。

 そんなの当たり前じゃん!と思うよね。そうなんだけど、方法論をやわらかい言葉だけで表現しようとすると、量でカバーしなければならなくなる。すごくボリュームが出るし、説明するのも聞くのも時間がかかる。だから、「少し見て聞いただけで」というのは相当練らないといけない。練ってもどうにもならない可能性もある。

 これは方法論みたいな特殊な領域だけではなく、何かのデジタルプロダクトとか、人が今まで体験したことないもの、馴染みがないものを提供する際にも共通して気にしなければならない観点だ。

 表側が優しくて、手に取りやすくなっているなと思うものの例はデザインスプリント。デザインとスプリント、知らない人にとっては意味不明な言葉で、理解をいきなり難しくさせるのだけど、少し中身を見ると何やら5日で終わるらしいということがすぐに分かる。

 5段階のプロセスを独立性の高そうなワークショップを敷き詰めて構成しているので、理解しやすい。デザインワークのような、クリエイティブな行為にも関わらず、誰でもできそうな感じ(ワークショップをこなせば良さそう)を与えてくれる。しかも5日で。出典はgoogle、そりゃ信じるしかない!

 一方、仮説検証型アジャイル開発という言葉になると分が悪い。アジャイル開発という言葉に馴染みが出てきているとはいえ、実体がよくわからないものに相変わらず寄せられやすい。そして、仮説検証。一体どういう段取りで何がどうなるのか?...のために用意する言葉は、前提から含めると300ページを越えてしまう

 さて、この文章で本当に言いたいことはここからだ。分かっておきたいのは「表側から見える言葉はやさしいが、立ち入ってみると強烈」というのがありえることだ。

 何が強烈かというと、前提を変えなければできないところ。例えば、リモートワーク。え?そんなの簡単だよね、と思われる方はおそらく2派。一つは一週間のうち、1日2日のみリモートワークしているとか、組織に所属していないとか、実施前提が容易な場合。

 もう一つは、結果で語り合えば良いよね、プロなんだからという方面。私も後者の組織を6年運営してきたから、もちろん重々分かってる。ただね。誰もができる働き方ではない、人を選ぶというのも事実だよね。

 リモートワークはできる。ただ、いままでの働き方の考え方を変えるだけ。それをいくら容易な言葉だけで表現していたところで、ゲームのルールそのものを変えるレベルなのには変わりない。一気にいって不本意なヤケドをしないようにね。

 で、その変わる前提って何で、どうしたらいいの?そう思うよね。結構文字使うから別のnoteにしようか。大丈夫、300ページまではいかないから…。

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