見出し画像

どこから、どこへいくのか。

 どこから、どこへいくのか。長らく、この問いに向き合っているように思う。

 実際のところ、多くの人がこの「2点間」の移動の中に身を置いている。仕事の上で、何を成し遂げたいか、またそのために自分の技や能力の何を磨くのか。

 もう少し高い視座での見方もある。組織としてどこから、どこへいくのか。チーム、一つの部署、あるいは事業部、会社として。今どこにいて、これからどこに向かっていくのか。
 つまり、私達は常に、どこから、どこへの途上にいることになる。

 簡単にいかないのは、ときに「どこから」も「どこへ」も見失うことがあることだ。自分が今どこにいるのか、分からなくなってしまう。それも、自分だけではない。チーム、事業、組織、周囲にいる人々ともども迷子になりえる。

 だから、「どこから」とはどこなのか? 「どこへ」とはどこがありえるのか? この手がかりが必要となる。
 思えば、デジタルトランスフォーメーションなる活動も、この問いに組織的に向き合うための一大イベントという位置づけだ。この手がかりの探索のために、今回の本を作った。

 「どこから」が分からないでいると、今ここに何の疑問も持てなくなってしまう。今起きていることが全て真っ当で、付き従う対象になりえる。一方、「どこへ」のイメージが無いと五里霧中、迷子が続くことになる。
 この本の示す「From」にあてはまらないか、「To」のきざしを得られているか。今ここの自分のことを知るために、この本をそっとあててみてもらいたい。

第1章 「数字だけ」から、「こうありたい」へ

第2章 目先の効率から、本質的な問いへ

第3章  想定どおりから、未知の可能性へ

第4章 アウトプットから、アウトカムへ

第5章  マイクロマネジメントから、自律へ

第6章 1人の知識から、みんなの知識へ

第7章 縄張りから、越境へ

終章 思考停止から、行動へ

 「どこから」と「どこへ」が分かってくると、その間の距離も掴めてくる。現在地点によっては、その距離は遠く遠く感じられる。チームや組織で至るには、かなりの時間がかかりそうだ。時間をかけてもどうにもならないい気さえしてくるかもしれない。

 だから、一人から、自分の手元から、向かうことにしよう。自分の手元の仕事、制作、プロジェクトであるならば、その結果の是非は自分に問われることになる。自分が責任を負える範囲で、動かすことができる。そうして、自分の手元で得られた経験を他者に、チームに、組織へと伝えていこう。

 それにしても、2点間を移動するためには、具体的な手立てが必要だ。「これまでの仕事 これからの仕事」で示したのは、「どこから」から「どこへ」への移行方法でもある。まず一歩の歩みが進められるように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?