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「アジャイルは、ミーティングが多くて、時間も長い」という説

 アジャイルに取り組み始めると、必ず出てくる声に「ミーティングが多い、時間が長い」というものがある。プロダクトづくりでも出てくるし、組織アジャイルでもほぼ必ずと言って良いほど出てくる。

 こうした声の流れあるいは背景には「ミーティングなんて無駄」という、会議=悪しき存在という考えが存在している。無目的で、無用なミーティングなんて、私も撲滅されれば良いのに、という立場を取るが、このことと、先述の状況は非なるものである。

 ほとんどの場合、ミーティングの回数が多くなるのも、時間が長くなるのも、ファシリテートの問題だからだ。つまり、アジェンダ設計から、進行まで、内容のほうの問題だ。チームの「場」自体は必要であるし、一定のコストをかけて行うこともある。スクラムイベントはそちら側の話だ。

 例えば、アジェンダがなければ、何をどこまで話すのかが分からないから、ミーティング中の濃淡をつけられず、時間切れで、おかわりが発生してしまう。
 あるいは、ミーティングの目的、ゴールがあいまい、弱い、無い場合、その目的に向けての準備ができてなさすぎる場合、時間は長引いていく。またはやたらと一人の人が話し続けてしまう。しかもミーティングの趣旨と違うことだったり。逆に全員の意見をひとりずつあげさせることに、無闇にこだわってしまう。いずれもミーティングの時間は無駄になる。
 この手の上手くないミーティングは終えるときもいまいちで、何が決まったかわからない、ネクストアクションの行方も不明、ということが起きがちになる。いずれも、準備から進行、終結までのファシリテートに課題がある。

 一方で、ファシリテートを甘くみてはいけない。ファシリテートは単なる司会進行ではない。目的に向けて、何にあるいは誰に、どのように働きかければ、場の効率性、効果が高まるのか、目まぐるしく対応、適応していく必要がある。アイスブレイクから、情報整理、合意形成まで、テクニックや方法論もある。容易ではない。

 では、どうするの? については、まずこの問いから向き合うようにしよう。

「どうすれば、この場を、この次の瞬間を、良くできるか」

だ。ファシリテート役はもちろんこと、集まった皆で、常に立ち返るようにしよう。

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