マガジンのカバー画像

正しいものを正しくつくる

147
書籍「正しいものを正しくつくる」に関するマガジン。 https://beyondagile.info/ https://www.amazon.co.jp/gp/product/4…
運営しているクリエイター

2023年2月の記事一覧

「手持ちの武器による誤謬」を起こさない

 「実現したいこと」と、そのために手にする「手段」の整合を取らねば、まず期待するような成果は現れない。  プロダクト作りにあたってもこのことを念頭に置く必要がある。テニスの試合に臨むにあたって、野球バットを手にしていくようなことが無いように。手にする手段が違っていては、話にならない。たとえ、これまでどんなにバットを振っていて、スイングには自信があったとしてもだ。  プロダクトチームでありながら、「要件」「仕様」という言葉を耳にすることが多い場合、「手持ちの武器による誤謬」

シン・正しいものを正しくつくる

 2月15日、「シン・正しいものを正しくつくる」と題して発表を行った。  正しいものを正しくつくるとはどういうことなのか? それは「整合を取る」ということではないか。かなめは、既に「正解」があってその正解との整合を取る、ということではなく。整合(する)先自体を自分たち自身でつくり出すこと。  左右の「整合を取る」という軸で内容を一貫してまとめた。  ご案内が二つある。一つは、講演時にアナウンスした「正しいものを正しくつくる部」について。「正しいものを正しくつくる」について

「正しいものを正しくつくる」とはどういうことか

 この1、2週間ほど「正しいものを正しくつくる」について、新たにどう語るのか考え続けており、なかなかまとまらず苦労した(ここで話す内容)。  発刊から数年が経過しているが、中身について大きなアップデートが必要なわけではない。どちらかというとこの数年で追加で表現してきたことはアディショナルな内容である。それゆえに、改めてどこに焦点を置いて、「正しいものを正しくつくる」に言及するかは思っていたより厄介なことだった。  出来ればアディショナルな内容を寄せ集めて語るよりは、「正し

「むきなおり」で意図と行動の整合を合わせ続けようとする

「チームがうまく機能していないんです。」 「組織が縦割りで互いの方向性を合わせるのに苦労します。」 この手の話を日常的に聞いている。あまりにも毎日聞くので、機能しているチーム、組織なんて現代においてほぼ存在しないのではないかと思ってしまうくらい。生存者バイアスであると信じている。  とかくこの手の話を聞いて、一緒になって悩んでいる日々を送っていると、一つ気づいたことがあった。それは「整合性」に関する問題だ。  そもそも「意図」と「行動」が一致しているのかどうか。何をしたい