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趣味嗜好、夢中と移り変わり

娘は小学校三年生で、ワンピースは育成室で62巻まで読んだそうだ。僕はワンピースはだめだった。4,5年前にトライしたが1巻で断念。いや今なら読めるかもしれない。読めないってことはないけどその時は入れなかった。

鬼滅の刃は家に全巻揃っている。娘はそれはもう何度も読み返している。僕は4巻の途中まで読んで止まっている。もう少し読み進めれば乗ってくるのかもしれない。

面白さの感じ方は人それぞれであるのは当然で、いつどこでその扉を自分が開くのかはわからない。あるいは外圧で強引に開かれることだってあるだろう。

今日ようへいメンバーと「もたもたレジオ」で喋っていた中で出てきたのが「水石」の話で、それは以前僕が盆栽にはまっていた時期があり、その延長にあったのが「石」の世界だった。「石に世界を観る」とか「石に宇宙を感じる」とか、実に深淵な世界なのだけど、当時はなんだかいけない世界を垣間見たような気がしたものだ。

上野動物園の近くにある上野グリーンクラブは盆栽協同組合の本部で、定期的に盆栽の展示会をやっている。有料だったり無料だったりする。何度か訪れたことがあるけれど、それはそれでなかなか渋く、かつ深い世界だ。今も少しばかりベランダで育てているが、以前ほどの熱意は無い。無いけど、盆栽についてはそれで構わない。盆栽の成長は四季折々、時の経過が必要とされているから、急いでも仕方ない。


趣味嗜好は移り変わる。時に夢中が不意に訪れる。夢中は夢の中で、過ぎ去れば目覚めれば何だったのだろうかと思ったりする。何事にも「面白味」はあって、それが自分とマッチするか、気付くことができるか、それは相性もあるしタイミングもある。その「ちょうどいい」ときに、ギューッと埋没できるのが幸福だったりする。かつて夢中になっていたからといって、以前と同様に夢中になれるとは限らない。再現はできない、都度出合っていく。

いやもちろん、趣味嗜好が移り変わることなく、何年も何十年も同じものにはまっている人も沢山いるだろう。それはとても幸福なことのように思われる。幸福のありかはどんな扉を開いてきたかによると思われる。いろんなものに興味を持ちがちな自分だからこそ、ひとつのものにずーっと夢中でいられることは羨ましい。羨ましいが、こればっかりは性分なので仕方ない。

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