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逆転快勝したけど課題もあるよね 第四節 鹿児島対千葉

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは仙太郎です。

ホーム俺たちの白波で開催されましたジェフユナイテッド千葉戦を振り返ります。

前節、いわきに惨敗したのでメンバー変更があるかと思っていましたが、やはり先発メンバーを代えてきました、大島監督。左SBに外山選手、FWに藤本選手を入れてきました。狙い的には左サイドの守備強度を高めるのと、千葉の裏のスペースを狙いたい意図があったのかなと推測しました。

鹿児島対千葉 スターティングメンバー

【鹿児島ユナイテッドFC】
キックオフ直後から、千葉の守備強度が高く鹿児島はボール前進させるのに苦労します。15分くらいまではほぼハーフコートゲームの様相でした。

いわき戦に続いて、この日の千葉もCBやボランチの田口選手からのサイドチェンジのパスが右サイドに何回も出ていたので、これは千葉のチーム戦術として狙っていた形だったのでしょう。そして実際、それで大きく前進を許していたので、とても有効な戦術でした。それを防ぐために鹿児島が前からプレス行くと、間延びしたライン間を利用されボールを前進されていました。

前半20分の鹿児島の同点の場面。ビルドアップ中にボールを奪われたので、千葉はゴール前に戻れていない。戸根選手がボールを奪取してすぐに米澤選手へパス。米澤選手のツータッチ目が少し大きくなったことで、田口選手がボールに寄せたが、脚の間を通って藤本選手へのスルーパスが出る。CBの鈴木選手が半身になった背後を藤本選手が狙っている。米澤選手のパスが弱かったので、鈴木選手は触れると思って脚を出すが触れずバランスを崩して転倒。この時、速いパスだったら鈴木選手は素早くターンして藤本選手に寄せることもできたが、偶然の弱いパスが功を奏した

左CBの佐々木選手や田口選手から斜めのサイドチェンジのパスが通り、ボールサイドに寄せている鹿児島が空けた逆サイドにボールを展開されて、ボールを前進されていた。これは千葉の狙った形だったと思います。

ただこの日がいわき戦と違ったのは、ゲーム途中で外山選手が対応したことです。最初は中に絞っていた外山選手ですが、何回かサイドチェンジされるとポジションを少し外に置き、パスが出た瞬間に予測して早く寄せることによりヘディングでクリアしたり、パスが通ってもすぐにプレスを掛け簡単に前進を許さなくなりました。

前半22分 鹿児島の二点目のシーン。藤村選手のインターセプトしたボールが田中選手の足下に転がり、そこからのドリブルでカウンター発動。藤本選手は相手CBに挟まれているが、突然前にダッシュ。彼のスピードにCBが付いていけず、裏に抜けられる。その瞬間に田中選手が縦にパス。少しでもパスが出るタイミングが遅ければ、オフサイドになっていた。しかもボールのスピードも藤本選手にどんぴしゃで合った。結果、先に藤本選手がボールに触りPK獲得。少しでもパスが強ければ先にGKが触っていた。これをドリブルしながら実行する田中選手最強。ちなみに田中選手の後ろから藤村選手も全力ダッシュで追いかけている

試合の開始時点で鹿児島は藤本選手のワントップだったので、相手が二人のCBでビルドアップ開始するとプレスが掛からずに、ロングボールを許していたのは、先週と同じでした。

さて最近、少し不安定なプレーが見受けられる泉森選手。
前半8分 田口選手の無回転ボールをキャッチしにいってファンブル、ゴールネットを揺らされますが、これはオフサイドに救われます。センタリングに出る出ないの判断にも、少し迷いが見られます。恐らく彼は人生で初めてプレーするのに怖さを感じているんじゃないですかね。

前半28分 鹿児島三点目の場面。藤村選手がバックパスするふりをすると、千葉の3選手がプレスに行く準備をしている。すると藤村選手はターンしてドリブル開始する見事な判断
五領選手にパスすると、そこに千葉の選手が3人寄せている。そこでツータッチで裏のスペースへパスを出す。そこへそのまま走り込む藤村選手。センタリングしたボールをGKがキャッチミスして、こぼれ球を米澤選手が決めた。このダイナミックな動きが藤村選手の特徴ですね

ただ彼のすごいところは、この後は無回転ボールにも対応して素晴らしいセーブも多く見せました。ただGKはその特性上、どんなにスーパーセーブを連発しても、ひとつのミスで失点すれば責められる難しいポジションです。

もっとも彼の場合は、Jリーグの試合に出始めてまだ間もないですし、経験不足は否めません。さらにJ3とJ2でシュートやセンタリングのクオリティも格段に上がってきます。そんな中で若い彼がプレーするのは難しいでしょう。なのでGKコーチと二人三脚で成長してもらいたいと思います。

また彼の特徴であるロングボールの正確性も最近はなりを潜めています。彼のロングボールを警戒した相手が彼にもプレスを掛けてきていて余裕のない状況で蹴れされているのもひとつの要因かなと思います。

後半79分 鹿児島の四点目の場面。横パスを受ける藤村選手。普通こういう場合、同サイドで崩そうとするのですが、なんと彼は中央のスペースにドリブルを開始。サイドにはスペースがないので、この判断も素晴らしい
藤村選手が中央にドリブルしたことで、千葉の選手が中央に寄せられている。一度相手に触られますが、こぼれたボールを渡邉選手がワンタッチパスで裏スペースに。千葉が藤村選手に寄せていたので、裏のスペースで米澤選手がフリーになっている。そこからのセンタリングを西堂選手押し込んでダメ押しの四点目。米澤選手がパスが来ることを信じて準備して待っていることがわかる。

この日の藤村選手は4得点中、3得点に直接絡む大活躍でした。シーズン前から彼のプレーは楽しみでしかなかったわけですが、本領発揮でした。彼は今年から鹿児島に加わったのですが、もう何年も前からいるように思えるくらい鹿児島のサッカーにフィットされていますね。技術的にも上手いですし、判断の質も高い上の、さらに長距離ダッシュを何回も繰り返すことのできるフィジカルも持っています。本当にいい補強でした。

千葉はCB佐々木選手から斜めのロングボールを使って大きく前進していました。同じ左脚から左サイドへもパスができるので鹿児島は対応が難しくなります。田口選手のサイドチェンジ野パスもあり鹿児島は前半困難な状況に陥ります。ただ途中から外山選手が対応して、徐々に反撃を開始します

【ジェフユナイテッド千葉】
全体的にみんな技術的に優れています。
トラップとかピタ止めできますし、浮き球の処理もいいですね。
千葉は想定よりもロングボール多いなと感じました。ただショートパスでのビルドアップができないわけではなく、鹿児島が前からプレスに行くと、間延びしたライン間を使いボールを前進させていました。この辺りはよくトレーニングされているなと思いました。

前半10分 千葉の先制点の場面。田口選手がサイドチェンジのパスを右サイドに展開。外山選手の脚の間からセンタリングを通されます。小森選手がニアに走り込もうとし、戸根選手もニアのスペースを消しに行きますが、ここで小森選手が急停止してトラップ。浮かしたボールを振り向きざまシュート。これぞセンターFWという見事なプレーでした

ただ基本的に攻撃はサイドからかボール奪取のトランジションからのカウンターが中心で、中央からは田口選手のミドルシュートとなります。

ただこの田口選手のミドルシュートなんですが、めちゃくちゃ精度が高く、しかも無回転ボールと曲げるボールを使い分け、左右で蹴れて、ほとんど枠の中か外れてもギリギリというクオリティなので、かなりの脅威でした。正直、J3だとミドルシュートはほとんど枠を外れるので、打たせとけばいいのですが、この精度にはJ2を感じます。

前半終了間際の千葉の猛攻の場面。田口選手がこの時は左脚で巻くようなシュート。ゴールかと覆われたが枠に当たり弾かれた。右脚左脚両方使えて、球種も豊富。ベストイレブンの実力を見せつけられました

千葉はボールの前進は問題ないのですが、最後の崩しのアイディアが不足しているかなと感じました。
もちろんトランジションからのカウンターやサイド攻撃がチームとしての戦術なのでしょうが、これで中央からの攻撃も追加されると対応がさらに難しくなります。

後半76分 千葉の二点目のシーン。左サイドを西堂選手が突破されてセンタリングされます。この時、ファーを外山選手が守っているのですが、大外の千葉の選手を認識できていません
一度泉森選手が出かけてキャンセルして下がりますが、ポジションがニアに寄りすぎています。ファーポストにヘディングシュートされて、ダイブしますが触れず、ポストに弾かれたボールを呉屋選手に詰められて失点。ポジショニング、準備、ダイブした判断など課題の多い泉森選手でした。ただダイブした後でもシュートを体に当てていて、この俊敏性は彼の良さでもあります

守備時は、強度も高く鹿児島もボールを前進させるのに苦労したのですが、ボールに二三人寄るのでそこでボールを取れればいいが、そこを突破されると裏のスペースが大きいので苦労します。当日は気温も高かったので、守備強度を高いレベルで保つのも課題ですよね。

【総 評】
さすがにJ2上位候補との戦いで苦戦しました。スコアは4−2なのですが、そこまで差があったわけではありません。
両チームとも守備強度が高く、トランジション合戦の様相でした。
鹿児島が1点目と2点目をボール奪取から取りましたが、千葉のカウンターに関しては鹿児島はうまく対応できていたと思います。ただサイド攻撃では二点やられましたけどね。

逆転勝ちはしたものの、またも先制点を取られたので課題は残りました。
いつも4点取れることができないわけではないので、そこは修正が必要です。

ただ高いプレー強度は出せていたので、そこは良かったです。

次の試合は、アウェイの大分戦になります。
現地応援に行かれる方、応援よろしくお願いします。

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