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先制、退場、逆転負け J3第10節 鹿児島U対讃岐

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは。仙太郎です。

試合終了直後の感想としては、残念なゲームだったなということです。前半はかなりいいゲームができていたのですが、後半は御存知の通り、酒本選手が退場してしまい試合展開は大きく変わりました。それでは気が重いですが、この試合を振り返ってみましょう。

試合のスタメンは先週の試合と全く同じでした。
CFに菅沼選手が入り、左に米澤選手、右に五領選手。
中盤には酒本選手とダブルボランチに中原選手、八反田選手。
DFラインは左から木出選手、CB田辺、ウェズレイ、右SBが衛藤選手。
そしてGKは白坂選手となります。

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私もこのメンバーが現時点ではベストの布陣ではないかと思います。
ウェズレイ選手は先週の試合で怪我をして交代したので心配していたのですが、試合に出られてよかったです。彼がいるかいないかは大きな違いですからね。

試合は開始早々の5分に鹿児島が先制します。鹿児島が相手PA近くの右サイドでボールを保持します。
衛藤選手がボールを持って、その前に八反田選手がサポートします。鹿児島二人に対して相手の選手がサイドに3人集まって、PAの中にスペースができました。

そこへ酒本選手が走り込みボールを受けます。ただ酒本選手は相手選手を背中に背負っていたので、トリッキーにヒールでダイレクトに裏のスペースに抜けようとしたのですが、ボールが相手選手に当たり、裏に抜けられませんでした。ただそのボールを酒本選手からのリターンパスを受けようと走り込んできた衛藤選手が拾い、ワンタッチで縦にボールを運びます。このファーストタッチが絶妙で、これが得点に繋がります。パスした後にすぐに衛藤選手が次のポジションに動いていたからこそ生まれたプレーです。衛藤選手の素晴らしいプレーでした。

そのボールを衛藤選手がセンタリングすると、相手GKが弾いたボールが相手選手に当たり、オウンゴールとなります。結果的にオウンゴールにはなりましたが、オウンゴールした選手の裏には米澤選手も詰めていて、完全に崩した形での素晴らしい得点でしたね。

幸先のいい先制点を上げた鹿児島がさらに攻勢を続けます。前半19分に、相手の縦パスをカットした五領選手がそのまま相手CB間を通す絶妙のスルーパスを出します。オフサイドギリギリで裏に受けだした菅沼選手がドリブルをしてGKと一対一になり、シュートしますがボールは無情にもゴール左側にそれていきました。この時、相手CBが菅沼選手の左から追いかけてきていて、シュートの際にスライディングをしています。もしこの時、菅沼選手が左手で相手選手をブロックしていれば、相手選手はスライディングもできませんでしたし、菅沼選手は自分でシュートが打てるスペースを確保できたと思います。そうすればもっとコースを狙ってシュートができて得点の可能性は高まったと思います。

これは得点にはなりませんでしたが、この五領選手のスルーパスは素晴らしかったですね。これはヨーロッパのトップレベルでもなかなか見ることができないほどクオリティの高いプレーでした。もちろん相手DFが中のスペースを開けるというミスがなければなかったプレーではあるのですが、それを抜いても素晴らしいパスでした。それだけに得点にならなかったのが残念です。

ここで追加点を上げていればその後のゲーム展開はかなり楽になったのですが。これにより1点リードで後半に入っていきます。

そして後半が開始され運命の後半52分、酒本選手にまさかのレッドカードが提示されて退場。残り38分を10人で戦うことになりました。この長い時間を10人でプレーするのは厳しいですね。

そしてちょっとこれは理解に苦しむ退場でした。これそもそもの発端は鹿児島の選手が相手選手を引っ張ってファールになったことでした。なのに、この後酒本選手が相手選手に接近して手で押して最後は相手選手に頭突して退場になりました。鹿児島の選手がファールしたのに相手選手に食って掛かるというのがまず理解に苦しみます。もちろん前半から酒本選手には厳しいマークが付いていましたし、それに酒本選手が苛立っていたのもわかります。ただその挑発に乗ってしまったら負けです。相手選手の思うつぼです。

この時、審判がレッドカード提示したのは当然だと思います。鹿児島サポーターとしてはいい気分ではありませんが、あの判断は正しいと思います。

ここまで先制して優位に試合と進めてきた鹿児島でしたが、これで全ては変わります。
このあと一人少なくなった鹿児島は、引いて守るしかなくカウンターで攻撃することも厳しくなりました。

そして67分、ついに同点に追いつかれます。
左から1対1で抜ききらないうちにセンタリングを上げられます。それがファーサイドまで届きます。まず相手選手のこのセンタリングが素晴らしかったですね。ゴール前に絞っていた左SBの木出選手がヘディングを試みますが、ここでまさかの空振り。いわゆるかぶってしまったんですね。そしてその裏に相手選手が走り込んできて、ダイレクトでシュートしたボールがポストに当たりながらもゴールに吸い込まれて同点とされてしまいます。これはさすがの白坂選手も防げなかったですね。

残り20分を切ると相手チームも焦ってくるので、もう少し守れればチャンスもあったのですが、これで試合はかなり難しくなりした。

そして残り少ない89分に讃岐に決勝点が生まれます。CKからヘディングを2回繋がれてゴールされます。この時もっともヘディングが期待できるウェズレイ選手は別の選手をマークしてて、ファーサイドまでとんだCKをヘディングで競り負けて、中に折り返されてそれをまたヘディングで決められました。

▽負けたけど白坂選手は素晴らしかった
GKの白坂選手は今日もいいプレーを見せてくれていました。2点取られて逆転負けするとGKに八つ当たりする人もいますが、今日の2失点は共にGKに責任ではないと思います。それ以外では前半31分に、相手と1対1になったときに、最後まで動かずに止まって相手がシュートした瞬間に反応しゴールを防いだプレーはほんと素晴らしかったと思います。

またハイボールにも強く、高いボールも競り合いながらボールキャッチしていました。相手選手と競りながらハイボールをキャッチするのはともて怖いと思うです。ボールを落としたら即失点ですから、パンチグングするのが一番楽なんです。でもパンチグングして相手ボールになればまた再度攻撃をされることになりますが、ボールをキャッチしてしまえば今度はこちらの攻撃です。だからこの差はとてもつもなく大きいんですよね。だから2失点しましたが、下を向かないで次の試合に向けて進んでいってほしいと思います。


▽攻撃の質が高かった讃岐
また讃岐のビルドアップにもかなり手こずりました。相手CBがロングボールが正確で、右に左に相手WGの選手にボールを供給されます。そうなると鹿児島のDFラインは下がらざるを得ず、そうするとクリアしてもボールを相手の取られる機会が多くなり、またサイドチェンジして攻撃を続けられて10人なる前からかなり苦戦しました。この相手CBのロングパスのクオリティは素晴らしかったですね。とても最下位とは思えませんでした。

ただサイドからの攻撃にはもうひと工夫が必要だと思いました。鹿児島にはウェズレイ選手というヘディングが強く、フィジカルも強いCBがいます。だから単純にセンタリング上げても得点するのは難しいですよね。

前半31分の縦パスからのポストプレーをダイレクトに2回繰り返して裏に抜けたプレーは、完全にやられましたね。ただここは白坂選手のファインセーブで得点にななりませんでしたが。ゼムノビッチ監督のトレーニングの質の高さがわかるプレーでしたね。このチームが最下位というのが信じらないほどのクオリティでした。

▽試合をコントロールできていた山下主審
今日の主審は女性初のJリーグ審判の山下良美さんでした。女性審判という審判の前に女性とつけるのもちょっと違和感はあるのですが、その方がわかりやすいのでお許しください。今日の主審はその山下さんだったのですが、全体的に見事にゲームをコントロールできていたと思います。

酒本選手のレッドカード提示も当然の判断だったと思います。サポーターとしては痛かったですが。また試合終了間際に三宅選手が裏に抜けようとしたのを相手選手が止めたときもイエローカードを提示していましたが、これも正しい判断だったと思います。この時三宅選手が裏に抜けようとしたのは間違いないのですが、タッチしたボールはゴール方向ではなく、サイドライン方向でした。だからもし相手選手のファールがなかったとしても、すぐさま決定的なチャンスになるわけでもなかったので、これは正しいジャッジだったと思います。この時抗議した米澤選手にイエローカードを提示したのも当然の判断でした。男性と女性を比較するのはおかしいのでやめときますが、Jリーグの主審としての高いクオリティを示していたと思います。


これで鹿児島は8位です。なかなか連勝できずに苦しい戦いが続きます。

酒本選手がレッドカード退場となる前なのですが、やはり酒本選手が中央でうまくプレスがかけられずに縦パスを入れられるケースが何回かありました。酒本選手がクリエイティブなプレーを見せてくれるのは間違いなく、それを期待して先発させているのだと思います。ただ守備の強度が落ちる部分もあるのでパパス監督は酒元選手を先発させるのを嫌っていたのだと思います。ここは本当に悩みどころで、難しい判断だと思います。

そして次戦は酒元選手が出場停止で出られません。野嶽選手がその代わりを埋めるのかもしれませんが、誰が出たとしてもチャンスなので、頑張って勝利に向けていいプレーを見せてほしいと思います。

「チェストー!鹿児島ユナイテッド!」

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