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進歩の先にあるもの 第19節 岡山対鹿児島

鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん
こんにちは仙太郎です。

前節、ホーム秋田戦を引き分けた鹿児島ユナイテッドFC。
シーズン前半、最後のゲームになるアウェイの岡山戦を振り返ります。

鹿児島ユナイテッドFC対ファジアーノ岡山 スターティングメンバー

前節からの先発メンバー変更は圓道、藤本選手が外れ、田中選手とチャーリーが先発。特に田中選手は右サイドでの起用となりました。

試合開始直後から岡山は守備強度が高く、鹿児島はボールの前進に苦労します。なので深い位置でボールロストするのを嫌いロングボール蹴りますが、そこでボールが収まらず鹿児島の攻撃は苦戦します。
さすがの岡山も終盤は疲れて前へのプレスが弱まり、ボールを持てるようになりましたが、危険な裏のスペースはきちんとカバーされているので、最後の崩しは最後まで難しかったですね。

10分 岡山の攻撃の場面。ルカオが裏抜けするので、DFラインが下げられて、できたスペースを岡山の選手に使われている。この時の野嶽選手のポジションだがもう少し後にいてスペースを消したい

浅野監督に交代後、鹿児島の守備強度は確実に上がっているが攻撃は改善の余地があります。最近6試合で2得点で、この試合でも攻撃はいいところがあまり見られませんでした。
この試合のゴール期待値は、岡山1.18対鹿児島0.48で倍以上のさがあり、これは試合を見た印象と同じだと思います。

守備の改善は見られたものの、失点の場面はやはりSBが上がっている状況から生まれます。ほとんどの場合、SBのポジションも改善していて、体も張れていて個人の守備戦術は向上していますが、チーム戦術に関しては要改善です。まだ時間が足りないのはわかりますけどね。

14分 岡山のチャンスの場面。SBの柳選手がスペースにパスを出し、ゴール前に入っていってヘディングシュートされる。最初、外山選手が柳選手をマークしていたので、パスを出された後も、そのまま付いていきたかった。できればブロックしてPA内に入らせないのがベスト。

攻撃が上手いかなかったので、得点も守備から生まれました。
鈴木選手がGKブローダーセン選手の縦パスを引っかけ、それをチャーリーが浮き球のシュートでゴールします。
ただ一見、簡単そうに見える、チャーリーのシュートですが、全く予測できない状況でボールを受けてからの瞬時に判断して、ゴールマウス内に浮き球のシュートを打つのは簡単ではありません。

21分 岡山の攻撃の場面。ここもDFラインを下げさせられて、できたスペースを使われている。野嶽選手のポジションが高いし、遠い。
その結果として、ルカオからのセンタリングを合わされてしまう。本来赤い点線丸の位置にいたかったが、この時はギリギリで寄せられたので失点にはならなかった

野嶽選手はボールを持った時は、素晴らしいプレーを見せてくれるのですが、守備時のポジショニングには課題があります。基本的なラインコントロールができていない場面もあります。ただ彼は本来MFの選手でSBは本職ではありません。だから仕方ない部分はあります。しかしもう昨年からSBで起用されているのですから、もうそろそろ修正しないと鹿児島の失点は減らないと思います。これは彼だけの責任ではなく、それを教えなければいけない監督やコーチの責任でもあります。課題があれば、それを修正するの指導者の責任です。

41分 鹿児島の攻撃の場面。福田選手がヘディングで競り勝ちマイボールにして前を向く。そこへCBの裏のスペースに鈴木選手がフリーランニング。福田選手が美しいアウトサイドのセンタリングを上げるが惜しくも合わず。このフリーランニングができるとこも鈴木選手の素晴らしいところです。

なので野嶽選手は4バックのSBでは守備的には厳しいので、3バックにして守備の負担を減らしてあげる必要があると思います。

浅野監督が試合後に次のように述べています。
「前半からですが、岡山の圧力に少し全体のラインが間延びをして、なかなか後ろが押し上げられない状況が続いていていました。後半は修正したのですが、押し込まれた中で、セカンドボールを拾われてという形で後ろが押し上げられない状況でした。それがその時間帯なかなかできていなかったことが失点につながったと思います」

44分 岡山の攻撃の場面。ボールを持つ岡山の選手に対して五人の鹿児島の選手が寄せようとする。その結果としてできたスペースに走り込まれてシュートを打たれるも、泉森選手がセーブ。この時も野嶽選手のポジションが高い。

ただラインを上げろと言って、上げられれば苦労はしません。最終ラインが下がるには下がる理由があります。この日のその原因のひとつは明らかにルカオの存在でした。彼の高さは脅威で、ヘディングで競り合って後にそらされ他の選手に裏抜けされると、もうGKと1対1の状況です。となると裏のスペースをケアして、最終ラインは下がってしまいますし、ヘディングで競るにも後から勢いをつけて競りたいので必然的に最終ラインが下がってしまいます。

55分 鹿児島の得点の場合。ブローダーセン選手のパスを鈴木選手が引っかけるが、この時鹿児島は中央のパスコースを狭くしているので、左CBを経由した方がリスクがなかったと思う

しかし最終ラインが下がれば当然、バイタルゾーンが空きます。そこを使われて危険なミドルを何本も打たれます。しかしシュートコースは限定できていたので、泉森選手が防げていました。

裏を狙うルカオに対しても岡本選手がカバーし、体格負けしていませんでしたね。

61分の岡山の攻撃の場面。センタリングされてルカオにヘディングシュートされるも、PA内に人はいるしルカオもマークしているので、泉森選手がキャッチできた。

岡山の攻撃もロングボール中心。ルカオの強さを活かし、なおかつビルドアップのリスクを軽減。ルカオが納められなくても、鹿児島のDFラインが下がり、できたスペースでボールを回収されていました。

ただサイドチェンジとかは少なく、しかもショートパスで各駅停車だったので、鹿児島も対応できていました。
岡山はネガティブトランジションを警戒し、逆サイドのWBがあまり上がらずに、幅を取る人がいないのもサイドチェンジが少ない理由だったと思います。

70分の岡山の得点の場合。CBがロングボールを蹴られる。野嶽選手のポジションが高く、最終ラインは数的同数になっている。
ルカオと戸根選手が競り合ったこぼれ球を岡山の選手に拾われる。この時、最終ラインを下げさせられた鹿児島はミドルシュートを打たれる危険性があったので、岡本選手が寄せる。しかしシュートを打つフェイントを入れて、戸根、岡本選手が前に出てできたスペースへ走り込んだ選手へパス。戸根選手は前にヘディングしに行っていたので戻れていない。本来、シュートを打った岡山の選手には野嶽選手がついていく必要があった。岡本選手の股抜きのパスをされたのも不運ではあったが。
シュートを打たれる前の場面だが、泉森選手のポジションが少し低い。できればゴールライン上にいたかった。そうすれば前に出たときシュートブロックできた可能性は高まった。彼は類い希なる身体能力があるので、それを活かしたいですよね

そして岡山の守備は強力で、特に5バックのDFは強かったです。CB三人が強いのはもちろん、それにプラスして昨年琉球にいたSB柳選手です。
SBの柳選手のとこはどうしても空くのでパスを受けられますし、そこをプレスバックしてボールを奪取しようとしても、中にドリブルしてプレスを無効化し、逆サイドのCBにパスとかもできます。ボール奪われないし、運べるし、組み立てられて、フィニッシュもできる最強のSBですね。

鹿児島の切り札である福田選手も柳選手とマッチアップしたときは、何もできませんでした。

というわけで、上位クラブの岡山に対してアウェイで引き分けでした。正直いって守備は通用していましたが、攻撃はまったく機能していなかったので、勝ち点1はよしと言わざるを得ません。

守備は改善してきたので、あとは攻撃の部分をどう改善するかが今後、浅野監督の手腕が問われます。期待したいと思います。

次は後半戦の初戦、ホーム白波での山形戦になります。
応援行かれる方、よろしくお願いします。

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