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完敗を象徴する0-1の敗戦:第34節 横浜FC対鹿児島ユナイテッドFC


鹿児島県民160万人の鹿児島ユナイテッドサポーターの皆さん、こんにちは、仙太郎です。

前節は中断明け後、初勝利した鹿児島ユナイテッドFC。
私も現地応援した、アウェイ三ツ沢で開催された横浜FC戦を振り返ります。

鹿児島のスターティングメンバーの変更は前節からひとり。レッドカードで退場になった田中選手に代わり星選手が右のサイドハーフで起用されました。けが人も多く、苦しい状況の中、メンバー選考にも苦労の跡が見えますが、最近はスターティングメンバーを固定できているのは、ポジティブかなと思います。

鹿児島ユナイテッドFCは、0-1のスコアこそ接戦を示していますが、鹿児島がボールを持つ時間は長かったものの、ほぼ完敗といえるものでした。横浜FCは試合の主導権を握り、先制点を奪った後は試合のペースを完全にコントロールしました。鹿児島は終始横浜の堅固な守備に阻まれ、得点への道筋を見出すことができませんでした。

8分 横浜の攻撃の場面。星選手の戻りが遅いので、右サイドで2対4の数的不利を作られている。稲葉選手がポケットのスペースを埋めるために下がってきているので、バイタルスペースでフリーで受けられてピンチになった

序盤の鹿児島のプレスと攻撃の限界

試合序盤、鹿児島は前線からのプレッシングで横浜にプレッシャーをかけ、ボールを奪取してシュートまで持ち込む場面がありました。しかし、これらのシュートは横浜ゴールを脅かすには至らず、徐々に横浜がゲームの主導権を握り始めます。横浜は、ワンタッチやツータッチの素早いパス回しで鹿児島のプレスを回避し、中盤で縦パスを効果的に使いながら、カウンター攻撃を発動させました。

鹿児島は、この横浜の巧みなパス回しと中央突破を止めることができず、特にプレスバックの遅れが目立ちました。前線からのプレスが効かない場面が続き、守備陣形の崩れを補うことができなかったことで、失点のリスクが高まり、15分に失点してしまいます。

鹿児島の守備は中央での縦パスを許す場面が多く、そこから横浜の攻撃に繋がるシーンが頻発しました。中央での縦パスを防ぐのは守備の基本なのですが、それができないと試合は難しくなります。

15分 横浜の先制点の場面。左サイドの突破を二人で止めに行くが、センタリングされる。ファーサイドで圓道選手がジョアンパウロ選手をマークしているが、このあと手を振り払われ、フリーにさせてしまう。この後、圓道選手はヘディングで競りに行くが、ボールに触れず、慌ててボールに寄せるが、シュートが脚に当たり、ゴール前に転がり失点してしまう。圓道選手がマークするために下がったのは良かったのですが、相手が一枚上手でした

鹿児島の攻撃の不発と崩しの限界

鹿児島は前半に失点してから、得点が必要なので、前線からプレスが強くなりボール保持の時間を増やし、ボールを持つ時間は長くなりました。しかし、最後の崩しにおいて(田中選手不在の影響もあり)意外性や創造性が欠け、強力な横浜のセンターバック陣を打開できるシーンはほとんどありませんでした。横浜の守備陣は、鹿児島の単調な攻撃パターンにしっかり対応し、特に中央での攻撃を封じ込めていました。

鹿児島のラストパスも、横浜守備陣の外から上げる場合が多く、それでは強力な3バックを崩すのことはできません。

サイドハーフの星選手が前線にプレスをかける場面もありましたが、そのスタート位置が低いため、効果的なプレッシャーには至りませんでした。結果として、横浜は簡単に前線にボールを供給することができ、鹿児島の守備陣は後手に回る展開が続きました。特に星選手が中央にポジションを取ることでサイドにスペースができ、そのスペースを横浜が効果的に利用するシーンが目立ちました。

星選手は攻撃時では効果的な場面もありましたが、ポジションがあまりにも流動的で、ネガティブトランジション時に、本来彼がいるべき右サイドに、渡邉選手ひとりという場面が多々あり、そこからボールの前進されていたので、守備に関して言うと、厳しかったですね。プレスに行くときの判断や、プレスバックや守備の強度にも課題がありました。なので途中から守備時に、鈴木選手がサイドハーフのポジションに下がり、星選手がFWの位置に上がる場面もありました。これは多分、鈴木選手のいい判断だったと思います。

鹿児島がプレスをかける際、サイドバックが前に出て、下がる相手のウィングバックをマークしていたのですが、それで空いたサイドバック裏のスペースを意図的に狙われて、これによりCBのひとりが引き出され、鹿児島ゴール前の中央が手薄になります。中央の守備は、残るCB一人か、SBが加わる程度で、稲葉選手がディフェンスラインに降りて守備をサポートしようとする場面もありましたが、結果としてバイタルエリアが空き、そこから横浜の攻撃を許す場面が何度も見られ、効果的な対策を講じることができませんでした。

34分 鹿児島のチャンスの場面。野嶽選手が中央に入り、絶妙なポジショニングで稲葉選手からのパスを引き出す。この時点で横浜のプレスが発動されるが、四人に挟まれながらも、サイドへのスルーパスを出して、チャンスを作り出す。ただこの日はサイドを突破できず、センタリングを上げるだけだったので、脅威を与えることはできなかった

横浜の冷静な試合運びと鹿児島の苦戦

横浜FCは、先制点を奪うまでは積極的に攻撃を仕掛けていましたが、先制点後はペースを落とし、リスクを最小限に抑えながら試合をコントロールしました。鹿児島がボールを保持して攻撃を仕掛けようとしても、横浜の5バックに対して効果的な崩しができず、攻撃は停滞しました。

横浜の5-2-3の3トップのよる前プレスは非常に効果的で、鹿児島はビルドアップに苦戦。鹿児島のセンターバック2人やボランチが加わり3人でビルドアップを試みても、数的同数になりパスコースが限定され、効果的にボールを前進させることができませんでした。

特に鹿児島はCBからのパスの出しどころがなく、パスコースが限定された状態で斜めのパスを試みても、そこへ横浜の厳しいプレスが加わり、ボールが前に進まない状況が続きました。横浜の守備は非常に高い強度で、鹿児島の選手たちは接触プレーで痛む場面が多く見られました。ファウルこそ褒められるものではありませんが、横浜の強度の高い守備は、勝利に必要な要素であり、力の差を感じさせるものでした。

41分 鹿児島のチャンスの場面。藤村選手が絶妙な浮き球のパスを出し、星選手がそこに走り込むが、横浜のSBの選手がきっちりと着いていき、シュートを防いだ

鹿児島の守備強度の課題と今後の展望

鹿児島の守備は、横浜の早い攻撃やサイドチェンジに対して全体的に弱く、上位チームと対戦する際の課題が浮き彫りになりました。鹿児島が前プレスすることで、前後のラインが間延びし、結果的にプレスバックができず、コンパクトな横浜のプレスバックの強さとの違いが明確になりました。また鹿児島が前進したときのプレスバックも早く、鹿児島を苦しめていました。

攻撃面でも、横浜の選手たちは、1対1の場面で突破力を見せつけ、さらに素早いパス回しで鹿児島のプレスを無効化し、チーム全体で統一された戦術を実行していました。

一方、鹿児島は攻撃でも守備でもチーム全体としての意図が不明瞭であり、また意図が感じられたとしても効果的ではありませんでした。コーナーキックからの攻撃は、クリアされた後、シュートで終わることを意図しているようでしたが、枠を外れるシュートが多く、相手にボールを簡単に渡す結果となっていました。

格上の横浜相手に、簡単にボールを渡すようでは、主導権を握ることはできません。またこのミドルシュートが脅威になっているなら理解できますが、ほとんどのシュートは簡単に枠を外れており、ここはきっちりとボールを保持し、ボールを循環させて、じっくり攻撃を仕掛けて欲しかったところです。

自分たちがボールを保持している限り、失点することはないのですから。ただ鹿児島もサイドで1対1で突破できる選手もいなかったので、選択肢が限られていたことは間違いありません。また横浜の強烈なカウンターを防ぐ意味で、一度プレーを切るという意図だったとは思いますが、それでも簡単にボールを横浜にボールを渡す戦術は理解が難しいです。

この試合も85分くらいから5分くらい、ボールを持ち続けていました。ああいう展開を最初から最後まで見せて欲しいと思います。

攻撃にしても守備にしても、もっと勇気を持ったプレーが必要です。技術や戦術の前に、勇気がなければサッカーはプレーできないのですから。

75分 泉森選手のスーパーセーブの場面。右サイドから上がったセンタリングをヘディングされる。この時点で前を向いて準備完了していることが、止められた大きな理由。ポジショニングは少しニアに寄りすぎているように見えるが、そこは驚異的な身体能力でカバーした

チーム全体での戦術構築が鍵

鹿児島ユナイテッドFCは、前節勝利したものの、その試合で見られた問題点が修正されておらず、この試合でも同じ課題に苦しみました。選手個々の奮闘ではなく、チーム全体でどのように攻撃と守備を構築していくかが重要です。特に、プレスのタイミングや守備の組織化に課題が残り、今後の試合に向けて大幅な改善が必要です。

正直に言うと、選手のクオリティの違いはありました。ンドカ選手とかは、ヘディングは強いは、ドリブルで突破できるは、ロングパスは通すは、守備の強度高いはで、どうしても彼の壁を崩せませんでした。

GKの市川選手のポジショニングも抜群で、鹿児島がDFライン裏へ絶妙なパスを出しても、飛び出してきて難なく処理していましたし、ジョアンパウロ選手始め外国籍の選手の、守備の強度も高く、弱点がない感じでした

そして負けが続いているので、仕方ない部分はありますが、選手が自信を持ってプレーできていません。チーム全体の戦術が統一されていないので、守備も後手後手に回り、ファウルが多くなりますし、手探りで攻撃しているので、横浜の素早い寄せに対して対応できません。慌ててプレーして、相手ボールになることも多々ありました。

そしてこれは昨日今日の問題ではなく、中断明け後から継続していて、それが負けている理由なので、そこが解決されない限り、鹿児島の苦戦は続くでしょう。

そしてそれが一日で解決されないことも事実です。しかし一日一日の練習の積み上げでしか、チームが成長しないのも事実なので、2週間空く、この期間で対応して欲しいと願うばかりです。

次は二週間後のホーム白波での愛媛戦になります。
現地応援のみなさん、応援お願いします。

We are challengers!
チェストー!鹿児島ユナイテッド!

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