144日目 闘牛士の布の話
闘牛士の持つ布はなぜ赤いのか。
朝に聞いた問いに対して、「牛が興奮するから」というもの以外を考えようとしていたが、思いつかないまま1日を過ごしていた。
そんなに簡単な問いではないだろうと思ったからである。
しかし、「牛が興奮する」ということ自体がそもそも間違いであることを知り、愕然とした。
自分が固定観念に囚われていて、柔軟な発想を一切してないことに気付かされた。
「それだけは間違いない」という思い込みで考えてしまっていた。
こういう思い込みは、あらゆる場面で想定できる。
自分が見聞きしていないことを、「きっとそうだろう」と思い込んでしまうことのないよう、自分を戒めていかないといけないと強く感じさせられた。
牛には、色を判別する力はどうやらないらしい。
牛は、ヒラヒラしている布の動きに興奮しているのだ。(猫でいうところの「猫じゃらし」と同じ原理、というのにはえらく感心した)
赤という色に興奮しているのは、他でもない人間自身。
闘牛士というのは、一種のショーを聴衆に向けて演じている。
赤には、その興奮を最高潮に高めるための効果があるのだ。
新しい視点を発見できる学びは、実に面白い。
こういう話の引き出しをたくさん持てるように、言葉を磨いていきたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?