80日目 ノイズ

聞きたくて聞く音や、聞きたくもない音がある。

ノイズキャンセリングイヤホンを生活に導入してからもうずいぶん経つ。
没入感が得られ、なくてはならない存在だ。
一方で、周囲の生活音から遮断されるため、特に屋外では危険が伴わないように注意が必要だ。

最近、イヤホンでVoicyや音楽を聞いていると、「キャンセルできない音」がある。
夏の風物詩、セミの鳴き声だ。
セミたちの声は、イヤホンの性能を突き破ってくる。
お構いなしに鳴いている。

ふと思う。
「聞きたくて聞く音」がある一方で、「聞かなくてはならないのに、聞こうとしていない音」があるのではないか、と。
自分の都合の良いように音を選択すると、実は大切だったことを聞き落としていることがあるのかもしれない。
セミの声は、夏を知らせる、感じさせる音。

季節を感じろよ、と教えてくれているのかもしれない。
そう考えると、ただうるさいと感じていた音の景色が、少し変わってみえてくる。

見方を変えるということは、日常のふとしたことから始まるのだと思う。

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