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怖いけれど

当時、神奈川県には「県立高校100校計画」という政策があった。

人口が急増する中で公立中学校の卒業生も増え、加えて、近く第二団塊の世代というボリューム・ゾーンが高校進学年齢に達する…だから、新設の県立高校をたくさんつくりましょ というのが大義名分の

そういう「100校計画」。

1973年(昭和48年)、そのトップを切って藤沢工業、旭、港南台の3校が開校した。以来、「開校」は毎年続き、「100校計画」が終了したのは1987年。「昭和」も、もう少しで終わりという頃、60校程だった県立高校は165校にまで増えていた。

しかしながら、ご承知のように、その後すぐに「少子化」の時代。
「100校計画」が終わるやいなやの統廃合。

なんて先の見通しのないことをしているん。…バカだなーと、最初は僕もそう思っていたのだけれど、どうも、それは違う。
考えてみれば当然のことだが、僕ごときが考えつくことが、優秀なお役人や実力ある政治家にわからないはずがない。

あゝ確信犯か。そう思うようになった。

(市井で「高校の新設」を強く望むなんてことはなかったもんなぁ)

冒頭述べたような就学の機会を増やすなどは、あくまでも「大義名分」に過ぎない。…そう。土建な企業、キックバックのために「校舎」つくりただけ。そういう税金ビジネスをでっち上げたかっただけ。そう考えれば、つじつまが合う。思い出すと、あの頃の実力ある議員っていうのは土建に強く、教育に強かった…教育に強いっていうのは、つまり文科省のお役人に太いパイプがあるということだ。

でも、絵図を描いたのは政治家の先生方じゃないんでしょう。

…そんなことできないもの。

明らかに「少子化」の流れが目に見えてきてから、大学に、高層棟が建ち始めたのも、バブルの頃に、あっちゃこっちゃに美術館や音楽ホールできたのも、税金ビジネスのため。知恵者がいて、業者さん、お役人、政治家さんが組んで青図を描いたのかな、

誰が絵図を描いたのか、それを実行したのは誰か、誰がハイエナのように群がったのは詳しいことはわからないけれど、案外、こうやって税金で喰ってる人たちって多いんだろうね。
純粋に必要があるから施策を講じるんじゃなくて、それらしい物語を描くことで 誰かが莫大な利益を上げていく、そのために税金を使っていく…

僕らが投票に行かないうちに、こんなことが起こっているわけだ。

誰かを儲けさせながら、お役所は借金だらけ。育児に関しても、介護に対しても、公的な支援はほとほと薄く、その上で、これから団塊の世代が本格的に恒例の域に達してくる。

ただ「不都合な真実」が溜まりすぎて、臭いものの蓋が閉まらなくなってきた。来年は、荒れそうだね。

相当荒れると思う。少なくとも戦後の「臭いもの」、総決算になると思うから。日常に何事もなく、臭いものだけを処分というわけにはいかないだろう。

だって、僕らも、この方法で食ってきちゃったから。

でも、ここを通らないと未来はないよ。怖いけれど手術を受けなければ命はないんだ。