iPS細胞研究の最前線:難治性疾患への挑戦
こんにちは、皆さん。今回は、2010年10月2日に京都大学で行われた長船健二准教授による講演「iPS細胞研究の最前線」の内容をお伝えします。長船准教授は、iPS細胞技術を用いた難治性疾患の研究、特に糖尿病、慢性腎臓病、肝不全に焦点を当てた研究を行っています。
長船准教授の経歴と研究の背景
長船准教授は、1996年に京都大学医学部を卒業した内科医です。臨床経験を持つ医師として、多くの患者さんの苦しみを目の当たりにしてきました。その経験を基に、現在はiPS細胞技術を用いて、これらの難治性疾患の新たな治療法の開発に取り組んでいます。
研究対象となる3つの疾患
長船准教授が研究対象としている3つの疾患について、簡単に説明しましょう。
1. 糖尿病
糖尿病は、膵臓の病気です。血糖値が上昇し、全身の血管がダメージを受けることで、様々な合併症を引き起こします。例えば:
脳血管の障害による脳梗塞
網膜血管の障害による失明
腎臓血管の障害による腎不全
足の血管障害による切断
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