本記事は、戦争研究所(ISW)の2024年1月28日付ウクライナ情勢評価報告の一部を抜粋引用したうえで、その箇所を日本語に翻訳したものである。
[*記事サムネイル画像:スカイニュース記事中の動画より]
ウクライナ海軍司令官ネイジュパパ海軍中将へのインタビュー
報告書原文からの引用(英文)
日本語訳
1月27日付のスカイニュースのインタビューにおいて、ウクライナ海軍司令官オレクシー・ネイジュパパ海軍中将は、ロシア軍がウクライナ側の作戦に適応し続けるなか、ウクライナ側のテクノロジーに適応し、それを発展させる能力の重要性を強調した。ネイジュパパの発言内容は、ロシア軍が戦場のある特定の領域において、適応と学習を進めているというISWの評価と一致している。ネイジュパパはまた、ウクライナ軍がロシア領内に存在する合法的な軍事目標を攻撃するために、同軍が西側供与の兵器を使えるようにすべきだというウクライナの主張を、再度述べている。英国には、水兵不足を理由に、現在、退役を検討している23型フリゲートが2隻あるが、この2隻を受け取ることができれば、ウクライナ海軍は「とても喜んで」受け取るだろうとネイジュパパは語った。1月2日にトルコ政府は、トルコ領内の海峡管理を規定するモントルー条約第19条を引き合いに出し、英国がトルコ領内の海峡経由で2隻の機雷処理艦艇をウクライナに移送することを、トルコは許可しないつもりだと発表した。この条項には、「交戦中の勢力に属する戦闘用艦艇の海峡通過は(…)認められない」という規定がある。英国が仮に2隻のフリゲートをトルコ領内の海峡を通ってウクライナに送る場合、それを阻止するために、トルコがモントルー条約の適用を続けることになる可能性は高い。なお、トルコは2022年2月28日以降、ボスフォラス・ダーダネルス両海峡を通過することを望むロシア軍艦の進入を拒否するために、モントルー条約の適用を続けており、それはウクライナ側の利益になっている。