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【和訳】英国国防省 ウクライナ情報 22.05.2024

UK DEFENCE INTELLIGENCE:
Latest Defence Intelligence update on the situation in Ukraine – 22 May 2024

日本語訳

  • 2024年4月にウクライナは、戦争が勃発してから最大規模の穀物・油料種子の輸出を行い、その量は660万トンに達した。これは、ウクライナが黒海上の海運回廊を通って、ほかから干渉されることなく輸出できることをはっきりと示している。黒海沿岸諸港の月あたりの輸出処理量が、黒海穀物合意(BSGI)のもとで輸出されていた期間も含め、この戦争中のいずれの時期よりも大きくなったのはほぼ確実である。2024年4月に輸出された穀物・油料種子の全体の約520万トンが、ウクライナ領黒海沿岸の諸港から発送された。これと比べて、BSGIのもとでは2022年10月の420万トンがピークだった。

  • 2023年8月にウクライナの海運回廊が開かれて以降、そのおかげで約1,600回の船舶輸送が可能になり、積載量にして全体で4500万トン分の輸出ができるようになった。これらのほとんどを農作物輸出が占め、その規模はこの9カ月間で3000万トンを超える量になっている。農作物以外は主に鉄鉱石と鉄鋼関連製品の輸出で、これらはかつてBSGIが有効だった期間、輸出できないものだった。全体として、この状況は2024年のウクライナの経済回復を支えていくことになるだろう。

  • ウクライナからの出荷が、世界的な食料安全保障にとって死活的な重要性をもっている可能性は極めて高く、ウクライナからの穀物輸出は、2023年7月から2024年6月の間の世界全体における穀物輸出の約9.7%を占めることになる可能性が高い。穀物輸出が、その規模で78%を占める黒海沿岸諸港に依存しているのはほぼ確実であるとはいえ、それ以外のルートも依然として使われている。ウクライナの穀物・油料種子の輸出に関して、約15%分の数量がドナウ川経由で輸出され続けており、そのほかに鉄道経由でも約6%分、輸出され続けている。なお、道路を使って継続されている輸出は、1%を切る規模でしかない。

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