12/31

 指を折ります。それでもわたしの指は、ほとんど痛みを感じません。代わりに痛みを感じている人がどこかにいるのかもしれないけれど、それはわたしの知ったことではありません。わたしたちは結局、言葉に勝てない。そう思うと、悔しくて、悔しくてたまりません。少し前には、言葉の頼りなさに絶望していたばかりだというのに、今夜はあの日もらった言葉を呪文のように心の中で繰り返し、抱きしめて眠る。それだけで、わたしの心は皮肉にも、笑ってしまうほど救われるのです。言葉は出会うべきときに、出会うべきひとのもとへ、ちゃんとやって来る。例外はなく、わたしのもとにもやって来たのだから、きっと間違いありません。わたしが指を折り、本当は痛いと泣いていたことを、どうして知っていたの。悲しいけれど、わたしたちは知っていることしか語れません。あの日、わたしは詩人で、あなたも詩人だった。それをからかえる人間が、どこにいたでしょうか。そう思えば、4500円の出費なんて、安いものでしたね。だから貯金をしましょう。家賃と交際費を差し引いても、幸せだと言える生活をしましょう。わたしもあなたもきっと、それが得意ではないでしょうから。こんなこと、前にもあったと振り返れば、もう1年以上が経っていました。そうしてわたしは、これからの毎日のことを思った。あなたに会うとどうしても、書きたくてたまらなくなります。わたしはこれを、愛だと呼びたい。


#日記 #詩

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?