20代そこそこの折り②
オレは友人に、いまの何だろ? まさかフェラーリ250? 当時、まだフェラーリがフェラリーと呼ばれていて、マニアでも見たことも乗ったことも触ったこともないような、そして日本に存在するのかどうかもわからない時代で、まして一般には、フェラーリなんて知られているわけもなく、いや外車というもの自体がひどく非日常のものであった。
Uターン禁止だったにも関わらず、オレは迷いもなく車を反転させ、その車のあったあたりの中古車屋へ、タイヤを鳴かせながら戻っていった。
かすかな街灯の明かりに映し出