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スイスのチューリッヒに住んでいるソフトウェアエンジニアです たまに動画投稿したりします: https://youtube.com/@swiss-kurashi 記事も頑張って書こうか

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  • 漢文勉強記

    タイ人の漢文(古典中国語)を勉強する備忘録です。教科書で学んだことや漢文の読解ノートを共有します。

最近の記事

Fuller(中国文語入門)第九章

今日は Fuller 著『An Introduction to Literary Chinese』(中国文語入門)第九章の勉強メモを共有したいと思います。 本文・晉平公問於師曠(說苑)原文 晉平公問於師曠曰,吾年七十,欲學恐已暮矣。師曠曰何不炳燭乎。平公曰安有為人臣而戲其君乎。師曠曰盲臣安敢戲其君乎。臣聞之,  少而好學,如日出之陽。  壯而好學,如日中之光。  老而好學,如炳燭之明。 炳燭之明,孰與昧行乎。平公曰善哉。 (めちゃくちゃな)書き下ろし文 晉平公師曠

    • Fuller(中国文語入門)第八章

      今日は Fuller 著『An Introduction to Literary Chinese』(中国文語入門)第八章の勉強メモを共有したいと思います。 文法ポイントこの章は副文を扱います。要するに「之」という字が主題と解説に間に入ることがあります。日本語の「頭のいい人」の「の」みたいな感じですね。もしかして、これは漢文訓読から定着した文型? 本文・揠苗(孟子)原文 宋人有閔其苗之不長而揠之者。 茫茫然歸,謂其人曰,今日病也。予助苗長矣。 其子趨而往視之。苗則槁矣

      • Fuller(中国文語入門)第七章

        今日は Fuller 著『An Introduction to Literary Chinese』(中国文語入門)第七章の勉強メモを共有したいと思います。 文法ポイントこの章は coverb (準動詞?)について説明されますが、前置詞みたいな役割の字だが、構文的に動詞のような振る舞いをします。これらが紹介されている:從・自・由・與・因・以・爲。 本文・狐假虎威(戦国策)原文 虎求百獸而食之,得狐。 狐曰子無敢食我也。 天帝使我長百獸,今子食我,是逆天帝命也。 子以

        • Fuller(中国文語入門)第六章

          今日は Fuller 著『An Introduction to Literary Chinese』(中国文語入門)第六章の勉強メモを共有したいと思います。 本文・楊布(列子)原文 楊朱之弟曰布。衣素衣而出。 釋文云衣素衣之衣於既切。下衣緇衣同。素衣之衣依字。 天雨,解素衣。衣緇衣而反。 其狗不知,迎而吠之。 楊布怒將扑之。 楊朱曰子無扑矣。子亦猶是也。 嚮者使汝狗白而往,黒而來,豈能無怪哉。 (めちゃくちゃな)書き下ろし文 楊朱の弟は布と曰ふ。素衣を衣て出づ

        Fuller(中国文語入門)第九章

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        • 漢文勉強記
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          Fuller(中国文語入門)第五章

          今日は Fuller 著『An Introduction to Literary Chinese』(中国文語入門)第五章の勉強メモを共有したいと思います。 文法ポイントいくつかの否定詞を紹介する 不: 動詞の否定、「~しない」 未: 発生の否定、「まだ~ない」 無: 存在の否定、「~がない」、「有」の反対。 非: 同一の否定、「~でない」。歴史的にコピュラの否定形だった。 弗: 「不之」の合字。否定された動詞の目的語「之」は倒置されている。 勿: 「毋之」の合字

          Fuller(中国文語入門)第五章

          Fuller(中国文語入門)第四章

          今日は Fuller 著『An Introduction to Literary Chinese』(中国文語入門)第四章の勉強メモを共有したいと思います。 文法ポイント「所」の意味 日本の漢文教科書では「所」という字の役割をあまり説明しない気がします。まあ、自分は日本の学校で漢文を習ってないですが、自分が読んだ本はそうなって気がします。一方、Fuller でも Vogelsang でもはっきりと「所」の役割を説明しています。つまり、「所」は続く用言の「目的語」の代用語の役

          Fuller(中国文語入門)第四章

          Fuller(中国文語入門)第三章

          今日は Fuller 著『An Introduction to Literary Chinese』(中国文語入門)第三章の勉強メモを共有したいと思います。 文法ポイント連続した動詞は解釈による 漢文では、動詞が連続して現われることがある。その関係が文脈や解釈によって難しいと思うかもしれませんが、日本語の「~て」だと考えたらいいかもしれません。 本文・守株待兔(韓非子)原文 宋人有耕者,田中有株,兔走觸株,折頸而死。 因釋其耒而守株,冀復得兔。 兔不可復得,而身爲宋

          Fuller(中国文語入門)第三章

          会社のアイスがしょぼくなった、その後日談

          本記事はゆる言語学ラジオ非公式 Advent Calendar 2023 の13日目の記事です。昨日の記事はAchi Fujimuraさんの『新しい私のかたちうつしだす、認知の光あつめる鏡』でした。明日はken-ichiさんの『ゆサD統計データ2023』です。 この記事は、自分が異国で職を失い、職を手に入れた体験談です。 序章「会社のアイスがしょぼくなった」朝目が覚めて、携帯に手を伸ばして目に入ったのは、個人メール宛に会社からの通達だった。笑いが出た。3月中旬の天気のいい

          会社のアイスがしょぼくなった、その後日談

          Fuller(中国文語入門)第二章

          今日は Fuller 著『An Introduction to Literary Chinese』(中国文語入門)第二章の勉強メモを共有したいと思います。 文法ポイント品詞 語の品詞は「名詞」「動詞」など。漢文の語の品詞はごろごろ変わります。普段は名詞の語は動詞として使われたり、動詞が名詞として使われたりします。日本語の漢字の読みからも推測できますよね。たとえば、「知」という字は動詞の「知る」でもあれば名詞の「知」だったりします。それでも漢文では日本語より品詞が柔軟です。

          Fuller(中国文語入門)第二章

          Fuller(中国文語入門)第一章

          今日は Fuller 著『An Introduction to Literary Chinese』(中国文語入門)第一章の勉強メモを共有したいと思います。 文法ポイント主語抹殺! あれ、ゆる言語学ラジオでも聞いたことあるような… そうです。この Fuller 著は古典中国語は「主語・述語」で分析するよりも「主題・コメント」で分析したほうがわかりやすいと主張します。私もかなり同意していますね。理由は割愛しますが、日本語もタイ語も同様に分析できるようです。問題は漢文は日本語

          Fuller(中国文語入門)第一章

          漢文勉強記・序

          なぜ私が漢文を?私は漢文を勉強したことがありません。日本は大学からだし、理系だから漢文は必要ないし、日本の学校の国語授業で漢文を勉強するのだと知ってびっくりしました。なぜ日本の学生が中国語の古い言語を勉強しなければならないのかと。日本語の白文を書くようになったのは最近で、それまでは正式文章は漢文で書くのは普通だったと、日本語の歴史について調べたらわかったのです。 それでも、歴史など興味がなかったからか、欧米ではたとえばラテン語、日本では古文や漢文、大昔の言語を勉強してどうす

          漢文勉強記・序

          スイスのドイツ語事情

          note で初めて投稿します。今日は「ゆる言語学ラジオ非公式 Advent Calendar 2022」の10日目の記事です。 自分が書けそうなものはなんだろうと考えたらスイスのチューリッヒに住んでいるからスイスドイツ語について書けばいいじゃんと思ったんですが、なかなか難しいしあまりサポートコミュニティと関係ない感じもします。でもまあ言語に関するものだからいいでしょうと思ってこのような記事ができあがりました。お手柔らかに。 初めにスイスの公用語が4つあります。ドイツ語、フ

          スイスのドイツ語事情