うぶな若者を諭す歌《あふぁり子ジラバ》

K


喜舎場永珣『八重山古謡』上下巻より。

出典のカタカナ表記をひらがな表記にし、ふりがなが振られている場合には漢字ではなくふりがなで表記した。

日本語訳は具志堅 要によるもの。

あふぁり子ジラバ(登野城)

あふぁりふぁとぅ ヨーホーリサー イエーミチイリサー 
いばみちぃに イエーシタハーリヨー いかやむば イエホーナーハイホー
美しい娘と狭い道で行き逢いたい

うむやすとぅ 人まどぅに すらやむ
想う人と人目のない所で触れ合いたい

「早み」(テンポ早く歌方も異る)

まさまさとぅ イーハーイ 
いばみちぃに サーユイヤーサー いかやす エーホーナー
(そうしたら)ほんとに狭い道で行き逢った

ゆくゆく とぅ 人まどぅに すらやす
運よく人目のないところで触れ合った

とぅらでぃしば  うでぃふり 取らるなー
手を握ろうとしたら腕を振ったので、握れなかった

だかでぃしば ちむふり だがるな
抱こうとしたらそっぽを向かれたので、抱けなかった

ぱらしてぬ いかしてぬ 思いぬ
(彼女が)走り去ってから、(彼女を)行かせてから思ったのは

とぅれらば だげらばで うもうりそう
手を握れたら、抱くことができたのならとの思いがつのり

みちぃぬすば ふさばむし 泣きるけ
道のそばの草をむしって泣いていたら

しぃかしぃすぬ ゆしるすぬ うだそうな
(彼女に)説き聞かせる人が、教える人がいたようで

ゆぬみちぃに ゆぬぺふみ むどぅりき
(娘は)同じ道に、同じ足跡を踏んで戻ってきて

なゆ思い いきゃしゆむい 泣きおうる
何を思って、どんなふうに思って泣いているの

うらぷしゃで めがぷしゃで 泣きうるよ
おまえが欲しくて、(愛しい)女が欲しくて泣いているんだ

ぷさでから ぴとぅさきぃに いらなーだ
欲しいのなら、人より先に言ってくれなかったの?

たくがてぃぬ やーてぃゆなり まちょうり
蛸の手の(数の)ように、八年間待ってちょうだい

いかぬてぃぬ とぅてぃゆなり まちょうり
烏賊の手のように、十年は待っていてちょうだい

あとぅやらし うらがたみ なりくーでぃ
その後になら、あなたの自由になりましょう

喜舎場永珣『八重山古謡上巻』(1970年、沖縄タイムス社)

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