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HIYORI BROT 塚本久美さんに憧れてパン職人になった私 その一

私はとある田舎のパン屋でパン職人をしている20代女。
私がパン職人になろうと思ったきっかけの人がいる。それがHIYORI BROT(ヒヨリブロート)塚本久美さんだ。

大学を出て、新卒でそこそこ有名なパンの会社に入社した私。その会社でやりたかったのは品質管理の仕事だったが、最初何年かは工場で生産の仕事をしなければならなかった。工場勤務の生産の仕事が嫌で嫌で、これが一体いつまで続くのかと絶望に近い感情を抱いていた時、テレビで見かけたのが塚本久美さんだった。

そのテレビは「セブンルール」という働く女性が主役のドキュメンタリー番組。当時の私は、働く意味を見失いかけたり、それでも一生懸命生きる意味や、働く意味を考えていて、「私はこの仕事をずっと続けていけるのか、自分が本当にしたい仕事、自分らしくいれる仕事が他にあるんじゃないか」と思い悩んでいた。そんな私にとって、セブンルールに出演している女性たちはとても強くて、眩しくて、素敵で、いつか私もこんな風に生き生きと働けるようになりたいと思っていた。楽しく生きることを半分諦めかけていた私を、奮い立たせてくれる番組だったので、毎週かかさず見ていた。

塚本久美さんの回が放送された時、同じパンつながりの仕事ということで、他の回よりも興味津々で見ていた。
早々に転職を考えていた私だが、その時まではまだパン職人という道は全く考えていなかった。なぜかと言うと、パンを作るという仕事に実際に携わり、パンを作ってお金を稼ぐ、パンを作って生きていくということがどれだけ大変なことか知ってしまったからだ。しかし、塚本さんの回を見て、心変わりすることとなった。


つづく

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