毒舌 2024年5月21日の日記

・「口が悪い」と自分から発する人がいる。

・配信者さんでも「自分、口が悪いんで…」みたいなことを言う方が多い。というか、1つのブランディングとしてそういうスタイルでの実況を確立している人も多々いらっしゃる。

・自分がよく見るコンテンツ(特に作業用とかじゃなくガッツリ視聴するタイプのゲーム実況・生配信)はこのタイプの人が多い。やっぱり悪いことを言うのは面白い。

・ただ、この「口が悪い」にも種類があるな、と思う。


・1つが「立ち振る舞いや言葉の細かな部分に""いい人""がにじみ出ている」という人。

・このタイプは、めちゃくちゃ愛されるタイプの人だと思う。「口が悪い」というフリと、「実は性格良い」というオチ。この落差が効いているから、同業者からも視聴者からも、ポジティブに捉えられることが多い。


・「口が悪くても、マジで言ってる感じがしない」という人もいる。これはマネしたくてもマネできないタイプ。

・名前は出さないが、自分の知り合いさんにもこのタイプは何人かいる。共通点は何だろう、と考えたけど「全部冗談に聞こえる」「華がある・ほのかな上品さがある」の2点がデカいのではないか。

・全部冗談に聞こえるから、悪口を言ってもネタとして受け取られる。汚い言葉を使っていても、話し方や雰囲気が上品なら受け手がそんなにネガティブに受け取らない。

・ステレオタイプかもしれないけど、「はんなり」という言葉が一番似合うんじゃないか。「京都の人は性格が悪い」なんてことがネットでよく言われているけど、キツめのことを言ってても直接的にそう感じないのは言葉に「はんなり感」が付与されているからではないか。


・そして、「人間性がしっかりしているけど、それを表に一切見せないタイプの口が悪い人」もいる。

・正直、このタイプをコラボやゲストに呼ぶことは、一番リスクが伴うと思っている。

・先ほど紹介した2タイプは「口悪いけど何かおもろいな」「愛らしい人だな」という感想を持たれることが多い。つまり、視聴者もその人間性にハマる可能性が十分にある。

・ただ、人の良さを表に見せないタイプは、超シンプルに視聴者から嫌われる危険性を持つ。

・この人を活かすには、ある程度覚悟を持って対応しなければいけない。例えば口の悪い発言が出たら、主催として全力でフォローする、矛先が自分に向かってきたら、ネタであることが分かる感じのキレ方をする…いわゆる「プロレス展開」に持ち込む、とか。

・こういう道化師的な立ち回りを強いられる。そして、この立ち回りが上手くハマらなければ、残念ながら口の悪い方がシンプルに嫌われてしまう。悲しいかな。

・こういうタイプの方に「よければ是非企画出してくださいよ~~~!!」と言われても、ちょっと言葉に窮する部分がある。

・僕が配信をする上で大事にしていることは「視聴者を不快にさせない」ということ。自分の中で「面白い・魅力がある」と思った人は配信にガンガン出ていただきたい、視聴者に「こんな面白い人居るよ!」と紹介したい、凸待ちでもドンドン取っていきたい、と思う。

・でも、視聴者を不快にさせることは絶対にダメだ。

・もちろん、全員を不快にさせない言い回しをすることは、「笑い」をテーマにした番組では非常に難しいのだけれども。でも、不快に感じる人が過半数出てしまったら、それは配信者側の大きなミスだと思う。

・配信だけでなくネット全般で言えることだけど、「不快」と思ったらクリック1つでそこから離脱することができる。だからこそ、少しでも不快感を与えないことが番組を盛り上げる上で何よりも大切なことだと思う。離脱率を抑える、とでも言うのか。


・以前、Discord座王という企画にご出演いただいた、大喜利プレイヤーのまいかぐらさんという方がいる。この方は「口が悪いキャラ」で出演してくれたのだけど、視聴者を不快にさせることのない良い立ち回りだったなあ、と今でも思う。

・冒頭の自己紹介からチンピラ気質溢れる半ギレ挨拶から始まり、旧知の仲である共演者の方々が「この子は悪い子じゃないんですよ!!」とフォローするという綺麗な流れ。

・ただご本人は、本番前のルール確認や企画オファー時のDMでのやりとりでとても丁寧なメッセージを送ってくれた。そのことを配信中にツッコむと、視聴者のコメントを見る限り、更に好意的に受け取ってくれた。

・さらに番組が進むにつれ「口悪いキャラ」から段々と「素のまいかぐら」になっていき、その都度他共演者が「冒頭のキャラどこいった」とツッコみ、笑いが生まれる…という。気が付いたらみんなに「いい人や」と認識されている。

・初めましての出演でも、自己紹介代わりの爪痕を残したクレバーな立ち回りだったと思う。もちろん「周りにフォローしてくれる知り合いがいる」という状況を理解した、周りが見えている人の動き。視聴者も不快に思った方はほぼほぼいないだろうし、また配信に出演していただきたい、と主催ながらに思った。


・昨年頭くらいから、それまであまり絡みのなかった人をたくさん配信にお招きするようになった。それは、僕自身が「面白い」「魅力がある」と思う人だから。そして、そんな逸材を視聴者のみんなに紹介したいから。

・ただ、その中に「正統派口が悪い」キャラの方は…正直居ないと思う。みんな、どこかにかわいげのある人ばかりだ。

・正統派口が悪いキャラが登場する日は来るのだろうか。

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