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(23) 都市『再開発』について思うコト 2019年 その3


こんばんは。
結局、今週は全く仕事に動きがなかったのでゆっくりと過去作品についてディグることができました。
特に再開発などは、新しく建物をつくった後にどれだけ以前の面影や遺構を保存しつつより良い環境にするのか、周辺住民との調和を図るのか、などソフト面でのフォローなども大切でその後を追うと非常に勉強になります。

現在は、大きな再開発などの場合、住民との現地ワークショップや意見会を開催して地権者と利用者の双方が歩み寄って、より良い環境を求めて話合いながら 計画全体をゆっくりと進めていく、といった方法をとる自治区も増えているようです。
ゴーストタウンにならないためにも再開発の進め方はとても大事。
特に東京都の神宮外苑の樹木伐採などは、今後住民の反対の声を聞き入れ
計画をもっとより良いものに変更して欲しいな〜と切に願っています…。
ここまで立派に育った森は本当に財産だと思うのです。

再開発の仕事をご依頼いただくことが増えているので、こんな事も考えるようになりました。

※ 作品はクリックで拡大して表示できます。

○ 某市庁舎 プロポーザル

残念ながらこの案は選定されませんでしたが鳥瞰・外観ともにデザイン的、仕上がりともに力を入れましたので気に入っています。タッチサンプルとしてご覧いただけましたら幸いです〜。

昼景の外観パース 内部の賑わいや議場の棟木など表現結構頑張りました〜

こちらの外観は、着色終わったくらいのタイミングで修正が入り、左右の画角をガッツリ広げて欲しい、と言われました。この修正、一番嫌なやつです〜!!
描いてないとこを描き足すと、人物なども追加しないとバランスが狂うのでほんとやめていただきたいな〜とクライアントに切に願います…。
最近は予防策として、少し多めに描いて白枠で隠しておく、といった保険をかけていたりします。(そういう時に限って思いっきりトリミングされたりする…苦笑)

全体鳥瞰パース 引きの夕景は結構定番になりつつあったんですが、今回は残念な結果に…。

このプロポは、庁舎のみ建替えて周辺施設は残して全体の調和を図る計画だったので、周辺の古い建物の入力が大変でした。昔の図面って分かりにくいので毎回読み取りに苦労します。手書きの青図だったり〜…。青焼図面って最近の人分かりますかね?感熱する時の液がアンモニアなのでめちゃくっさいんですよね〜。父親の手伝いで焼いたりしてたのでなんだか懐かしいです。
素敵なブログ見つけたので 貼っときます。
『青焼って』 by リオタデザインブログ

ショットパース一式 風の抜ける吹き抜けや 地元材木をふんだんに使用した内部空間

○沖端水天満宮周辺地区 再開発計画

観光拠点としての魅力の向上、各拠点間の連携について検討するとともに、課題解決に向け、沖端の歴史や文化を継承しながら、地域住民にとって暮らしやすく、交流や賑わいを生み出す場、観光客にとってゆっくり滞在して過ごせる場を目指し、令和2年(2020年)3月に策定しました。

柳川市のHPにはこのようにご紹介されています。
2025年に運用開始というスケジュールで徐々に開発が進んでいるようです。

ちょっと和風な落ち着いた色味の着色が楽しかった。
HP掲載作品の中でサンプルとして何度かご要望ありました。


○ 佐世保中央公園 PFI事業計画

長崎県佐世保市名切地区に昭和39年から運用されている歴史ある公園です。
戦後、米軍に土地を接収された経緯を持ちながらも、市民のニーズの高まりを受け
「市民がつくる、市民のための公園」として作られました。市の中心部にあり、教養・スポーツ・憩いの場として長く親しまれ佐世保独特の文化を集約したこの公園。今回、佐世保市によりPark-PFI制度が導入され、民間事業者の創意工夫によってリニューアルされました。今後の管理・運営は民間事業者によって行われます。

HPはこちらです。素敵な公園として2022年4月からオープンしています!

地形にはかなりの高低差があり、入力も広範囲で結構な作業量でした!
公園敷設のプレイ施設のイメージ。人物も子供が多く描いてて楽しかったです!
泣いてる子(手前右)が、ちょっとしたこだわりです〜笑
道路を挟んで高台につくられたキャンプ施設も描きました。こういったパースは描いてて楽しいです〜。
パースと逆アングルの海を望む航空写真。
中央広場(HPより抜粋)
2024年5月にスタッフ藤城が旅行で現地を訪ねました〜。いい感じでオープンしています!


○ 某大学 GPlaza プロポーザル

大学のキャンパス内に、新しく別校舎と学部をつくるプロポーザルでした。現在確認しましたが、工事は進んでいなかったようなので、もしかしたらコロナ禍などで途中で計画がストップしてるのかもしれません。
グローバル学部ということで多国籍な人々が集ったり、その国の祭りを紹介するようなイベントが開催されていたり、といった点景を入れました。人物が小さいので分かりにくいですが〜汗

3層+屋上バルコニーという構成の巨大なアクソメパース。
3人がかりで製作しました!

この後、再度発注がありまして、そちらは校舎を断面図として表現。大学の内部のパースは珍しいので、かなり印象に残ったお仕事でした。

プランもガラリと変わりました!


○ 渋谷某オフィス プロポーザル

再開発が進む、渋谷の宮下公園近くの敷地にステップガーデンが広がる施設を作るという計画でしたが、2024年現在はまだ動きがないようです。
詳細は不明ですが、計画自体はとても面白い計画でした。画面右上にかけてずっと上り坂になっているので、その高低差をステップガーデンとして繋げていくプラン。大都会の真ん中に水辺もあり、ストリートアートやファニチャーが点在する街の公園のような施設です。広範囲に広がるので、アクソメで周辺も少し入れていろんな人々がそれぞれの場所で過ごしている様子を表現した、とても楽しいお仕事でした。

建物の内部はカフェや化粧品体験ブースがあります。

余談ですが、この仕事の納品日開催の『大相撲九州場所』の枡席チケットを知り合いから頂いていて、行けるかな〜どうかな〜と思案していましたが、なんとか納品後に娘と国際センターに向かったのをすごく覚えています。子供の頃社会科見学で行ったことがありましたがほとんど記憶がなく、まともにお相撲を観たのはほぼ初めて!担当者の方にも納品直後にお礼の電話をいただいて、ピシッと気持ち良く終了できた仕事だったので、今思うといい日だったな〜あ。
こんな1日って一生心に残るんだろ〜な…と思い出しながらこの記事を書いています。

2020年にプラン変更で修正して描きました。かなりシンプルになりました。

2019年後半は、アミューズメント要素が多い施設が多かった気がしています。

次回からは2020年のお仕事を振り返っていきます。
この年は世界中が大変な時期でしたよね〜。

お読みいただきまして ありがとうございました!


ピーアンドエル スタッフ 大石


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