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納涼大盆踊り大会 in cluster

概要

8月27日(金)バーチャルSNSのclusterにて盆踊り大会を実施しました。
盆踊りと言いつつ、歌手、DJ、VJありのclusterらしいイベントでした。
ご出演いただいた方は下記の通りです。改めて感謝。

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ニッケさんの画像、若干うしろの七種あきのさんとぴえんちゃんが目立っているのはご愛敬。あと、至日レイさんの写真だけよすぎるのはえこひいきです。

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そして、配信はDさん、照明等演出はばくだんさん。
お二人とも一緒にやるのは初でしたが、最高でした。
企画補佐については後述。

なにより、ご参加いただいた皆様、延べ来場者数654名の方のおかげで
成り立つことができた盆踊りでした。ありがとうございました。

なお、アーカイブはこちらでご覧いただけます。

経緯

イベントに関してはあまり裏話や苦労話をする気はありません。
まぁパンダも人間(?)なので、そんな苦労があったの!?それ乗り越えたのエラい!と羨望の眼差しで見られたい欲求は人(?)並みにはありますが、裏の苦労を気取られないことが本物のエンターテイナーだと思うので。

なので経緯や感じたことなどをちょっとだけ書きます。

と、いいつつ経緯など覚えていません。

7月29日にこんなツイートをしているので、ふと思いついたのだと思います。

リアルな体験として、地域イベントには家族ぐるみで参加しており、盆踊りも昔から関わっていたけれど、昨今は予算などの都合で櫓を建てなくなったので、もう一度櫓を組んでみたいと思ったこと。
そしてバーチャル体験として、私の最も好きなclusterイベント幸甚亭ライブにて、みんなで輪になって走り回ったのが楽しかったこと
(参照 謎部えむさまnote https://note.com/nasobem/n/n59fa6d748ae9 )

この二つの背景が心で結びついたのだと思います。

とはいえ、このツイートの段階では「誰かがやってくれるだろう」
という意識でした。いま少しおさまったもののclusterは空前のDJブーム。
毎週末ライブが重なることも珍しくない中で、パフォーマー、ワールド&ギミッククリエーター、イベンター、カリスマ性。私が持っていない能力を持っている方はたくさんいて、この分野では足もとにも及ばない。という方々ばかりです。
私はポジションで言えばヤムチャ、いやチャオズ、うーんチャパ王かもしれない。
とにかく、あの人たち別世界の生き物や…という方々なので、誰かがやってくれればいいやと。むしろ、なんでお前仕切りでやんねん、と言われかねないんじゃないかと。チャパ王がセルゲーム出てきたらおかしい、それミスターサタンやないかと(ドラゴンボールわからない人ごめんね)

なんだったら、幸甚亭盆踊りあったら、それがベストよ。というノリだったのです。

盆踊りワールド制作

なので、先ほどのツイートもジャブのつもりでした。
誰かが「お。盆踊りアイデアええやん、パクっちゃお、いひひ」と思ってくれたら、しめたものだと。

ジャブはうったものの、写真展ツアーをひかえていたため

そっちに集中していました。

そんな中、clusterで毎月おこなわれるお題企画が「向日葵の咲く夜に」と発表されたこと

「青春」がテーマの【夏のデジタル文化祭 ユーザー部門 ワールド制作コンテスト】に誘われたことがあり
インスピレーションがわいて一気にワールド制作をはじめました。
イベントやるかどうかはともかく、とりあえずワールド作っちゃぱおうと。
こっそり顔を出すチャパ王。

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私の敬愛する藤子・F・不二雄先生は「少し不思議」の略でSFと仰いました。私もワールド制作するときはここを目指してます。
写真展では現実の写真をバーチャル空間に展示。火星銭湯・もぐらホテルでは、銭湯やホテルという現実世界にある施設を異世界に置き、吾唯足知はほぼ現実要素ないけれど、Upside Down Townでは世界は現実だけどすべてを逆さまにしました。

そうした現実とバーチャルの狭間を体現してきましたが、今回の盆踊り会場は一切の「少し不思議」要素をなくしました。
スカイボックス次第でどうにでもできたので迷いはしましたが、あえてリアリティあるワールドにしました。

DNAが覚えてる

なぜならば、原風景・原体験とのマッチを目指したかったのです。
はじめてみる景色なのに、なぜか懐かしい気がする。はじめて聞く曲なのになぜか懐かしさにあふれて涙が出る。人生の中でそんな経験はないでしょうか?もちろん山の景色なんかどこも似たり寄ったりなので、実際見た景色とシンクロしてるだけってこともありますが、私は「DNAが覚えているんだな」と思うことがあるのです。

あなたや私は独立した一個体でありながらも、ここに存在するためには人類誕生、もっといえば生物誕生以来の長い長い命のバトンを受け継いできたわけです。
自分の人生はけして自分が体験してきたものだけでなく、それまでバトンを受け継いできたリレーの中で得た経験をも中に秘めているのではないかと思っています。
DNAと言いましたが(オカルトにならないよう留意しながらも)魂ともいえます。

人生のリレーを辿れば、あなたとわたしはどこかでリンクします。だから、共通の感覚があるような気がするのです。魂のどこかに同じ引き出しがある。バーチャルな体験はおそらくこの共通感覚の中にはないので、あえて今回外しました。やろうとおもえば火星シリーズにもできたんだけど、火星を原風景として覚えている共通感覚はたぶんないので。

急にDNAや魂の話になり、盆踊りから離れたように思えますが、盆踊りこそこの人生のリレー、魂のリンクに大いにかかわりがあります。
皆さんご存じの通り、盆とは祖先の霊を祀る一連の行事であり、盆踊りは盆の時期に死者を供養するための行事です。
そもそも天岩戸にお隠れになった天照大御神を外に出すためにアメノウズメが踊った伝説からしても、踊りそのものが祖先や神々とも紐づいていたりします。
死後の世界と現実世界が同一世界に存在する別レイヤーであるならば、その接点である盆踊りを、本質世界と物質世界という別レイヤーの接点であるバーチャル空間で行うというのは深い意味があると思ったのです。
それだけで大きな意味があったので、それ以上のバーチャル感は不要に感じたのです。(あくまでワールドとしては)

全国の盆踊りと震災復興祈念

このあたりの話は、clusterでアバターローディングしてる時の青い球が、魂のイメージであることなどとも絡めてもっと語ってみたいところですが、それだけでnote1回分になってしまうので、話を戻しましょう。

私にとっての盆踊りは東京音頭、炭坑節にアラレちゃん音頭ですが、ふと他の地域の方は違うのではないかと思いました。
盆踊りもまた地域特性の出るイベントです。なじみのない音頭だけでは白ける気がしました。逆に言えば、お互いが知らない音頭を聞けるのも楽しいのではないかと思い、各地の音頭をやることにしました。
日本縦断は得意分野です。

そんなことを考えている中、先行公開していた先ほどの盆踊り会場ワールド

にて運命的な出逢いがありました。
たまたま一緒になった方から「自分の出身地は実は原発避難地域で10年経っても帰宅できない。盆踊りであれば地元の踊りをやっていただけないだろうか」という言葉がありました。
ここの話は、その前段からわかると死ぬほどエモい。cluster民も、その意味が分かったら泣くほどエモいと思うのですが、本人のプライバシーもあるし、あまり積極的に広めたくないかもしれないので、お口チャックします。
ああ~そうか~そういうことだったのか。と、その若干避けてさえいた意思表示が一瞬で腑に落ちました。

そこにたまたま居合わせた9001さんが、たぶん同じ気持ちになったのでしょう。なんとかそれを実現したい、と。なにか手伝わせてほしいと、動いてくれました。それが冒頭で「企画補佐」と紹介した部分です。
結果的に役所に趣旨説明して音源もらってくれました。

その想いを受け、震災復興祈念、東北盆踊りメドレーをやりました。
全国から人が集まる場所だからこそ、皆さんにいまだ故郷に帰れない人を想ってほしかったのです。震災はまだ終わってないことを意識してほしかったのです。

clusterらしさ

さて、そうはいっても伝統的な音頭は正直なところ退屈さもあります。
実際全身で踊れば東京音頭、炭坑節、アラレちゃん音頭でも無限ループでなぜか楽しいのですが、バーチャルな場では特にスマホ・PCの方は退屈するでしょう。
なので、伝統的な音頭は1時間が限界だと最初から思っていました。
もちろんPOKKYさんに踊っていただくなどある程度の仕込みはしましたが、1時間程度だろうと。
むしろ1時間でも飽きるかな、と思いましたが

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お揃いアバターで踊りだす方々がいたり(これってそろいの法被で踊るのと似てる!)、同じモーションで櫓の周りをまわる方々が自然発生したり、思いのほか盛り上がりが持続しました。

そして1時間たったところでDJタイム。照明・演出バリバリのバーチャルならではの盆踊りです。

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絶対安全、そしてほぼノーコスト。最強じゃないですか。
リアルにやったら一発でYAGURA大炎上。止まらないHa〜Ha。
キャロル解散コンサートの二の舞になるところです。
(私でさえ生まれる前の古い話なのでスルー推奨)

1番印象深かったこと

コロナでできなくなった盆踊りをバーチャルでやる。
ただの代替ではなくバーチャルならではの演出をする。
普通に考えればそんな文脈。私もそう思っていた。
しかし、それどころの話ではないことに気がついた。

「盆踊りなんか初めてきた」「10年ぶりにきた」というような声が多かったのだ。これが1番印象深く、はっとさせられた。

そう、コロナに関係なく誰もが盆踊りに参加してきたわけではないのだ。
「地元の先輩が怖い」「昔の恋人に会っちゃうかも」「人多いところ苦手」「一緒に行く友達がいない」「地域に知り合いがいないので参加方法がわからない」「そもそもひきこもり」などなど。
だけども不思議と興味がある盆踊りに、バーチャルだからこそ参加できる。
ダチョウによるKATSUAGEやバイク・カートによる暴走が複数件報告されているものの、お祭りに居がちなヤンキー連中など一切いない安心安全なお祭りなのである。

それだけではなく、成人してからは地域との向き合い方がわからなかったりする。特に地元を離れてしまえばなおさら。私のように地元の人も顔見知りで、最初から「あの人のところのお孫さん(お子さん)ね」と、すっと入っていける人のほうが珍しいのかもしれない。
そうなるとなかなか主体的な関わり方がわからなかったりする。だけど、バーチャルではその辺まっさらだ。だから誰もが主役として遠慮なく輝いていいのである。

現実ではやれないことができるのがバーチャルだけど、現実ではできないことって、なにも高い建物のてっぺんに立つとか、空を飛ぶとか、そんなことだけではない。コロナでできなくなったことだけでもない。
現実世界で、いろんな意味でできないことができる。しかも、全国離れ離れだけど、いつも一緒にいる人とできる。
当然のことながら全部の空気感をバーチャルで体験できるわけではないが、楽しかった盆踊り体験として伝統のバトンを若い人に少しは渡せたのではないかと思う。現実でも盆踊り行ってみようか、とフィードバックする人もいるだろうし、そうじゃなくてももちろんいい。レイヤーが違うだけなのだ。物質世界でないだけで、誰かと一緒に輪になって盆踊りしたことにはかわりなくて、その経験や気持ちをリレーしていくことが大事なのだ。

準備は大変だった。もう2度とやるまいと思った。だけど、月並みな言葉だけど、みんなが楽しんでる姿を見てそれまでのマイナスはすべてぶっ飛んだ。自分なんかがしゃしゃり出ていいのだろうか、と思ったけれど、clusterでリスペクトする大先輩方も遊びに来てくれ背中を押された気分になった。
出演いただいた方の気持ちも嬉しかった。出し切ったら別れが来るんじゃないかくらいの気持ちでいたのに、最近会えてなかった人たちも遊びに来てくれて、みんなへの愛が深まった。なにより、やってみて超楽しかった。本当にありがとう。

夏よ逃げないでくれ もう少しこのままで いたいのさ

名残惜しさはあるけれど、また前へと進もう。きっと別れも出逢いもあるけれど。真夏の夜の夢のように、短い時間かもしれないけれど。

遠く離れ離れの時も大好きだよと 口唇に微笑みを いつの日も乗せて

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