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学校内から東村山を盛り上げる!“東村山西高校”

今回の駅は西武多摩湖線八坂駅。
今、アニメの聖地として八坂駅周辺が話題になっている。
そのアニメとは【女子高生の無駄づかい】著者:ビーノ。
作者が以前住んでいた東村山がイメージとなっている作品で、八坂駅周辺が劇中に登場している。
2023年版「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」にも選ばれ、スタンプラリーが開催されるなど盛り上がりを見せている注目スポットだ。

実際に八坂駅から都立中央公園までをふらっと歩くだけでも、アニメで描かれた場所に出会うことができる。

八坂駅
 八坂駅~武蔵大和の高架
多摩湖自転車道と都立中央公園を結ぶ歩道橋
都立中央公園管理事務室

かなり忠実に描かれているので、市民でもピンとくる人は多いはず。

アニメの主人公たちは八坂駅から自転車道を通り、中央公園を抜ける。
その先にあるのが彼女たちが通う、さいのもり女子高等学校。
実際にも同じ場所に高校がある。
【都立東村山西高等学校】
令和5年度で創立40周年を迎える都立校だ。(通称村西)
実は私にとっても、20年以上前に本校で学び部活に学校行事にと充実した日々を送っていた愛すべき母校なのである。 

今回、八坂駅の周辺スポットとしてどうしても母校を取材したくダメもとでお願いしたところ、なんとOKを頂けた!
しかも在校生にまで話を聞く機会をもらえることになり、【生徒会】と今村西で注目の部活である【ボランティア部】【空手部】の皆に会うため約20年ぶりに村西へ向かった。

校舎や外壁に部活動の横断幕が掲げられていて生徒の頑張りが目に見える。
横断幕は校長先生の計らいで飾られているそう。

【生徒会】

東村山西高校の生徒会は、会長・副会長・庶務・会計の8名で、現在のメンバーは11月に新生徒会が発足したばかり。
1年生の生徒も多く、皆“自分の通う学校をより良くするため”生徒会役員に立候補したそうだ。
新生徒会の指名/ミッションは『村西が誰かの普通に縛られず個性を発揮し、自分の青春を見つけられる学校にする』とのこと。

前任の生徒会ではSNSを利用してアニメのシーンを再現した写真を拡散したり、聖地への投票を在校生に周知して呼びかけたりと、【女子高生の無駄づかい】の聖地として選ばれる際に大きな役割を担っていたそうで、令和5年8月に行われたシンポジウムや展示会にも生徒会メンバーが参加したそうだ。
また、学校見学会では学校周辺のお店や街のことを紹介するパワーポイントを生徒会メンバー自ら作成し中学生たちに案内するなど、生徒たちが“学校が在る場所の魅力”をよく理解してくれていることが伝わった。

この日は来年度の文化祭などについて話し合いをしていたようで、私が卒業生と打ち明けると、当時の出し物や後夜祭について興味深く質問してくれたり積極的なところがうれしかった。
今はダンス部の公演が一番盛り上がる人気コンテンツで、ダンス部の演目が始まると廊下から人がいなくなる、と言われているらしい。
(ちなみに私が高校3年生の時は“ウォーターボーイズ”の影響で男子生徒有志がシンクロを披露しいていた。)

文化祭は昨年度から近隣にある富士見小学校の3年生を招待して、生徒会やボランティア部の生徒が案内する取り組みがスタートし、子供によっては物足りず翌日も個人的に訪れる子がいたそうだ。

コロナ禍を経て今年度ようやく飲食模擬店が復活した文化祭。来年度はさらに盛り上がってほしいと切に願うばかりである。

生徒会メンバーと、顧問の高島先生。鈴木副校長先生。

【ボランティア部】

ボランティア部は以前から存在はしていたが、コロナ禍だったこともあり活動ができないままになっていたそう。
地域包括センターからのコンタクトがきっかけで、昨年度から顧問の岸田先生を中心に“コロナ禍でもできること”を実践し始め、現在の主な活動は近隣の清掃活動や子ども食堂のお手伝い、児童館のお祭りのお手伝いや子どもたちの夏休みの自由研究のサポートなどを行っている。
中でも「護美プロジェクト」の一環として行う清掃活動は地域の方と共に協力して行っており、参加される地域の皆さまは若い人との繋がりを求めている方が多く、近隣にある福祉施設【村山苑】の利用者さんも高校生たちとコミュニケーションを取れることをとても楽しみにしてくださっているのだとか。

現在10名ほどの部員たちも「友達や地域の方とコミュニケーションを取りながら活動できるのが楽しい」と教えてくれた。
小学生からお年寄りまで、幅広い世代と交流しながら活動する部活はなかなか貴重なのではないかと思う。

ボランティア部の外へ開かれた活動は周知されてきており、突然の依頼が来ることもあるそうで、最近だと近隣小学校の校庭に実りすぎたキウイフルーツの収穫をお手伝いしたそうだ。
ビニール袋10袋ほどの収穫はなかなか大変だったが
「活動を見かけている地域の方々が“村西のボランティア部にお願いしてみよう”と思い出して下さることがありがたいと思っています。」と岸田先生も活動の輪が広がっているのを感じているそうだ。

ボランティア部の詳しい活動内容は下記へ。

ボランティア部の生徒と顧問の岸田先生。

【空手部】

空手部は本年度新設されたばかりだという。
元々都立高に空手部があることが珍しいそうだが、空手部を指導する伊藤先生は新任当初から着任校で空手部を作り、小金井工業時代は全国選抜大会に2度導いたという名将だ。
東村山西高校には副校長マネジメント支援というポジションで勤務されていて今年度で4年目。かねてからの自身の思いであった“空手の指導・普及活動をする”を実現するべく近隣の高校中学校にも空手をボランティアで教えており、他校で空手部を作る動きもあったがうまく進まず悩んでいたところ、校長先生の後押しもあり東村山西高校に新たに空手部を発足することになったそう。
様々な空手道場に部員募集のポスターを貼ってアプローチしたところ、本年度3名の新入生が集まり、東村山西高校空手部は同好会としてスタートした。

現在は1年生のみで5名の部員が在籍している。
入学当初から活動する経験者の3名は皆、通っていた道場でポスターをみて東村山西高校に入学を決めた。
部活として空手を始めることによって今まで以上に空手に真剣に取り組むようになったそうで、部員たちは「創立1期生として人数が少ないのは大変だが、少ないからこそ一対一での関りが深く信頼関係ができていると感じている。」と語ってくれた。
公式戦デビューは11月に行われた秋季大会。他校も3年生が抜け、1・2年生の新チームで臨む大会だ。初出場である東村山西高校空手部はなんと組手3人制で優勝!!都の代表として関東選抜大会に出場することになった。これには伊藤先生も校長先生もびっくり!
メンバーの3人は自信はなかったものの、勝ち進むにつれて手ごたえを感じ、私立高相手に決勝まで進み「ここまで来たら勝とうぜ!」と気合を入れた結果の優勝だったそうだ。

実際に練習を見させてもらった時に驚いたことが2つあった。
1つ目はとても和気あいあいとした雰囲気だ。
伊藤先生は指導歴が長く、以前は厳しく指導することもあったが「楽しみながら長く続けていくことが大切。」と教え方は現代の子どもたちに寄り添っているそう。
練習中に帯を忘れた生徒に伊藤先生が貸してあげる一幕も。
(個人的にめちゃくちゃ怒られるのでは、、?と冷や冷やしてしまっていたのでびっくりした場面である。)
2つ目は近隣の中学生が練習に参加していたことだ。
村西ホームページ上の空手部の活動ページには練習スケジュールが掲載されており“中学生は無条件で参加歓迎。気軽にご参加ください。”と書かれている。
伊藤先生は先述した通り“空手の指導・普及活動をする”を実現するべく近隣の高校中学校にも空手をボランティアで教えており「地域の門下生の受け口になれば」と村西空手部の活動場所を広く開放しながら空手道の普及を行っているのだ。
令和5年7月には本校で中学校空手道奨励大会【欅杯】を開催したところ47名もの参加があったそうだ。
空手道場に通う生徒のみならず授業で空手を習ったことがある生徒も参加することができるこの大会は(中学校では平成20年より授業で武道を必修することになり空手を必修とする学校もある。)、空手を楽しむ場所を求める子供たちにとっても、東村山西高校空手部にとっても素晴らしい試みで、空手マガジンにも掲載された。

練習スケジュールや、空手マガジンの記事もみられる空手部通信【欅の魂(けやきのこころ)】はこちらから!  

現在5名の空手部の練習は特に土曜日に中学生が参加してくれている日が多く部員の数を上回ることもあり、上下関係なく楽しく練習している。
未来の村西空手部員に対して部員たちも「今後後輩たちが入っていきやすい部活にしていきたい。」とうウェルカムだ。
さらに今年度の入試では“文化・スポーツ等特別推薦”で都立高としては初の【空手】枠が導入された。
今後部員が増えれば春の大会でも全国を狙える環境になる。
伊藤先生も部員たちも目標は同じ『全国大会出場!!』
1月17日に行われた関東選抜では惜しくも準優勝(これもかなりの偉業といえるが)で全国への切符は逃したが、1期生が卒業するまでにもしかしたら、、、と期待をせざるを得ない。
東村山から関東を超えて全国へ!
東村山西校から全国に空手の風を吹かせるのは近い未来かもしれない。

空手部メンバーと伊藤先生。


【生徒会】【ボランティア部】【空手部】の活動をみさせてもらって、学校内で自分たちの為だけに活動しているのではなく、近隣の地域に向けて開かれた活動をしていることにとっても感心した。
近隣小学生を文化祭へ招待する試みは昨年から始まったのだが、招くだけに留まらず、村西側もテニス部やイラスト部の生徒が講師として小学校を訪問する特別活動も行っており交流を重ねているそうだ。
私が高校生だった頃は、自分たちがが楽しむことが優先でここまで考えていなかったな。と感じた。

もちろんそれも大切なことで、生徒に話を聞いていると特に3年生から「高校生活は楽しいことしかない」「学校行事は全力でやるべし」と自身が高校生活を楽しむことも全力で取り組んでる様子が伺えた。
そして『村西のいいところ』は、
●活力・エネルギーがある。
●エンジンがかかればどの学校にも負けないパワーがある。
●始めは消極的でも一致団結して取り組むことができる。
●部活・勉強以外にもあらゆることに挑戦できる環境。
と教えてくれた。
きっと村西以外の学校にもこの良さはあるのだと思う。
大切なのはこの学校で過ごしてきた時間でこのように感じられる、ということ。
その為の何かを見つけられた、ということなのだろう。

学校生活を楽しみながら、東村山を盛り上げてくれている学校。それが【東村山西高校】なんだな。
と改めて義務教育ではない高校3年間の時間の特別さを感じ、嬉しいような戻れない切ないような気持ちになる40歳の私なのでした。


※最後にもしかしたら見てくださっている私たちの先輩又は後輩たちへ今の村西の景色をお裾分けいたします!

体育館は壁の色が変わった以外は当時と同じ!
各階段近くにあるベンチはランチタイムでも人気の場所でしたね。
校舎内にあるプールは珍しいと思っていたのですが皆さんの学校はどうでしたか?


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