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外国人雇用環境は道半ば~コロナ禍での外国人雇用・採用

コロナ禍で外国人を雇用している大阪府内の企業・事業者へのアンケート結果が大阪府より発表されました。コロナ禍で企業の外国人雇用への意識はどのような状況になっているのでしょうか。以下7つのポイントを通して見ていきたいと思います。

その1 なぜ外国人を雇用しているか
最多が「人手不足への対応」「専門的技能を有する人材の確保」「採用した人が外国人だった」と続きます。当社のお客様と商談していると、建設業や一部の製造業などでは引き続き採用意欲が旺盛ではありますが、大半の業種では人手不足を外国人雇用によって賄おうとする動きは一旦落ち着いているかなとの印象です。

その2 コロナ禍における雇用・課題
「採用予定者の外国人が入国できなかった」「在留資格の変更・期間延長の必要が生じた」「本人へのフォロー(生活支援・メンタルケア等)が難しかった」などが多くなっています。実際、農業を営むお客様で、予定していた外国人が入国できなくなったので何とかしてほしいとの相談を複数いただいています。

その3 採用における課題
ちょっと驚いたのが「特になし」がトップであったこと。次いで「日本語教育や受入れ環境整備に不安がある」「在留資格や手続きに関する正確な情報がわからない」となっています。ある程度外国人雇用が進展している企業も多いが、雇用継続していく中でより複雑かつ高度な問題点がでてきているという感じでしょうか。

その4 コロナ禍での相談や相談先
外国人雇用や外国人への対応について誰かに相談したことがある層はが約4割となっています。相談先としては、支援機関(商工会・商工会議所・外国人支援団体など)が多くなっています。一方で経営や労務管理の専門家への相談割合は低めです。企業が相談できる選択肢を広めていく必要がありますね。我々のような民間企業ももっとお客様に認知いただくべきであると思っています。

その5 今後の人材採用について
外国人採用経験のない企業は、今後も約5割の企業が「外国人を採用する予定はない」:としています。一方で、外国人を既に採用している企業では「外国人採用は現状を維持したい」が中心となっています。俯瞰してみると、コロナ禍では外国人採用を積極的に進めたいとの意向をもつ企業は多数派ではない、、と言えるかと思います。実際、お客様と商談していて、外国人雇用は全く考えていないという経営者も多くおられます。

その6 必要とする外国人像
「現場で働く人材(常勤)」「特定の専門性を持つ人材」「現場で働く人材(パート)」の順となっています。現時点では外国人を採用して最先端の知見を導入して生産性を上げる・・という方向ではなく、、技能実習生を中心とした手法により労働者を確保しようとするニーズが多数派であることが読み取れます。

その7 採用における課題
「日本語教育や受入れ環境に不安がある」「在留資格や手続きに関する正確な情報がわからない」「外国人雇用に関する基本的な知識・ノウハウがない」の順でした。

傾向としては入口よりも受け入れてから、どうやって外国人に力を発揮してもらうか、との観点の悩みが多そうです。受入環境の整備一つとっても、コミュニケーション、語学力、住居、生活、金融サービスなどさまざまなカテゴリーの支援が必要であり、専門的な支援が必要と筆者は考えています。

以上

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