サービス即ソフトウェア(Service as a software!):AIが再定義するSaaSビジネスモデル
Foundation Capitalの最新の分析によれば、AI企業はソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)からサービス・アズ・ソフトウェア(Service-as-Software)への重大な転換をリードしています。この新しいアプローチでは、単にプラットフォームやツールへのアクセスを提供するのではなく、サービスを提供する企業が最終的な成果を保証する責任を負います。従来のQuickBooksの代わりに、AIが行う税務サービスのように、結果指向のサービスが前面に出てきます。このパラダイムシフトは、サービス業界全体で4.6兆ドルという巨大な市場機会を開拓する可能性があり、Foundation Capitalはこの変革の最前線で投資と支援を続けています。
Foundation Capitalレポート原文
AIとSaaSの変革
技術的背景: Foundation Capitalは、過去10年以上にわたりインテリジェントオートメーション分野に投資しており、クラウド管理プラットフォームCliQrやドキュメントマネージャーSpringCMなど、成功したスタートアップを支援してきました。
新興企業への投資: Eightfold, Tonkean, Turing, Ikigaiなどの新興企業への投資は、これらの企業の進化を長期にわたって研究した結果に基づいています。
技術進化:大規模言語モデル(LLM)を活用したAIエージェントは、内容を読み取り、解釈し、出力を生成する能力を持ち、熟練労働者のようにタスクを実行します。
影響範囲:従来のソフトウェアを超え、AIは高度なスキルを要する作業、例えばデータ入力や顧客サービスなど、自動で完了させる能力を持っています。
経済的インパクト
市場規模: 企業のソフトウェア市場の時価総額は1兆ドルを超え、416のSaaSユニコーン企業が存在します。AIと自動化によるサービス市場への影響は、4.6兆ドルと評価されています。
サービス市場の機会: グローバル企業が年間1.1兆ドルを販売およびマーケティングの給与に支出しており、AIによる市場の変革ポテンシャルは計り知れません。
AIの実用例とビジネスモデルの変化
販売機能の自動化: 従来のSalesforceのようなソフトウェアは、人間がデータを入力し、ワークフローを整理する手助けをしていましたが、エージェンティックAIの導入により、生産性は飛躍的に向上し、業務の実行方法が根本的に変わります。
AIの販売担当者:従来の販売代表が行っていた電子メールの作成、デモの手配、フォローアップなどをAIが実行し、客とのディナー以外のすべての業務を自動化します。これにより、企業はAIを用いて効率的に潜在顧客を開拓し、契約獲得へと導くことができます。
DevOps: サービス即ソフトウェアの世界では、ツールを販売するのではなく、管理と監視自体が焦点となります。DevOps会社は、AIエージェントを使ってソフトウェアインシデントを自動的に解決し、MTTR(平均修復時間)を短縮します。
ビジネスプロセスサービス:AIは文脈を理解し、ユーザーの意図を解読し、推論を適用し、新たなタスクに適応する能力を持っています。リクルートコール、バイヤーの一般的な質問への回答、データ入力、ファックスの識別など、これまで人が行っていた作業をAIが担うことが可能です。
自動化の対象: ガートナーによると、AIおよび生成AI技術が今後四年間でビジネスプロセスサービス市場に280億ドルを注入すると予測されています。
具体的な応用例: AIはリクルートコール(ConverzAI)、購入希望者のよくある質問への回答(Docket)、データ入力やファックスの読み取り(Tennr)など、完全に自動化されたサービスを提供します。
ソフトウェアエンジニアリングの自動化と効率化:AIはコードレビューを調整したり、フロントエンドのデザインを自動化したり、完全に独立してドキュメントを作成するなど、ソフトウェア開発プロセスを変革しています。これにより、開発者は外部のコードライブラリを理解し、自己のコードを自動でデバッグすることが可能になります。
サイバーセキュリティの複雑なタスクの自動化:AIは人間の分析家には難しい複雑かつ時間を要するタスクを実行し、人手不足が常態化している業界での攻撃の検出と対応を効率化します。新しいシステムを構築する際には、脆弱性のチェックと軽減を自動で行います。
結論
AI駆動のソリューションの登場とサービスへの進出は、SaaSモデルの終焉を意味するものではありません。多くの市場では、さまざまなビジネスモデルが共存し繁栄しています。顧客によっては機能をアウトソースする選択をし、他の顧客はこれらの機能を社内に保持することを選ぶでしょう。Foundation Capitalは、オートメーション、サービス、AIの交差点で活動する起業家を初期段階から支援しており、この変革の先頭に立っています。
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