カラオケのど自慢に出場

これは6月の話になります。

僕は4月から在宅勤務をしているので、日中はラジオを聴いていることが多いです。そのラジオから聞こえてきたのが7月に開かれる「カラオケのど自慢」の案内でした。

出てみたいな。
ふとそう思いました。
ハガキで応募して抽選で出場できるというものです。歌の実力は問われないようでした。出場のハードルは低い、あとは自分の気持ちだけだと思いました。

僕の子どもの頃からの趣味はカラオケで、普段から一人で行く「ヒトカラ」を楽しんでいます。言い方を変えると、一人で歌うことばかりで殆ど人前で歌った経験がないのです。ましてステージで歌うなんてそれこそ経験ゼロです。ただ、普通に歌っても採点結果は常に95点前後になるので、さほど音痴ではないのだろうという自覚はありました。

「何事も挑戦するのはいいことだ」と考えて応募締め切り間際にハガキを投函しました。そして数日が経過した頃、帰宅した妻から「これ何?」と手渡されたのが出場決定の通知でした(在宅勤務なのでポストの郵便を持ってくるのは主に妻なのです)。実は「カラオケのど自慢」に応募したことは妻にも話しておらず、通知を見られたときに思ったのは「しまった」でした。

内緒で出場するつもりだったのです。
そもそも妻の中にも僕が歌っている姿を見た記憶が残っていないはず・・・僕が記憶している限り過去に2回ほど家族でカラオケに行ったことが有りましたが、それこそ子どもたちが小さい頃の出来事です。

「見に行こうかな」と言われて、まあ断るのも変だし移動には車も必要だからドライブついでに良いかな、と言う考えが頭を過りました。また、会場近くには妻の友人も住んでいるので、僕が歌っている間に遊んでくるだろうと軽く考えていたのです。

出場すると決まってから僕は悩み始めました。
歌う曲は申し込んだ時点で決まっているので変えられないのですが、どうも僕の心理状態と歌がリンクしないのです。
歌うのは『なんとかなるさ/徳永ゆうき』でした。

ざっくり書くとその頃の僕の心理状態はひどいもので、ずっと暗闇の中にいるような感じでした。逆に歌は『悩んだり落ち込んだりしている人の背中を押してあげる』前向きな元気の出る内容です。採点すると96点、僕にとっては普通。

でも撮影した自分の姿を見ると「楽しい」よりも「もうすぐ倒れそう」、そんな感じが漂っていました。

出場が決まってから何度目かの練習の時に、それは自分の歌へのアプローチの仕方が問題なのだと気付きました。

この歌を誰に届けているのか。そこがポイントだったんです。何も考えずに楽しく歌っているものと考えていたのですが、実は『過去に傷ついて泣いている自分を可哀想だと思いながら』歌っていました。

たぶん、違う。
この曲はそんな気持ちで歌うんじゃない。

いったん自分のことは忘れて世の中で頑張っている人への応援のつもりで歌ってみよう。そう気持ちを切り替えました。

そして再び採点。
同じく96点台でしたが、限りなく97点に近いものでした。更に録画した自分の姿を見ると『明るい』。

ああ、歌うならこのスタイルが良い、そう思いました。結局のど自慢の日までに3回ほど練習に通い当日を迎えました。

『あとで○○さんと一緒に見に来るから』
そう言っていったん僕と妻は解散。まさか○○さんが来るとは想定外。それこそ歌う姿なんか見せたことがありません。

結果は特に受賞などしませんでしたが、歌詞も飛ぶことなく歌い終え、○○さんにも好評でした。

滅多にないことだし、僕が好きなことをこうやって見てもらうのも良いことだなと思い、その日は帰宅しました。

スマホ活用コーディネーター。SE28年目・週末ときどきスマホセミナー講師10年目に突入しました。他に専門学校教員2年経験あり。ガジェット好きですが、他にも多数好きなモノあり「🌟ヒトカラ・ラジオ・鉄道番組・中国語・長崎・アニメ・特撮・読書・ 徳永ゆうき ・うさまる🌟」