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今更だけどエコカーってそんなに偉いの?

おはようございます、こんにちわ、こんばんわ
どうも私です。

また、趣味的な話ということで、今回は『エコカー』について色々書いていきたいと思います。
もはや仕事内容とは全然関係無いですが、noteは好きに書くことを決めているので迷いはありません。←

さて、エコカーと聞いて最初に思い浮かべるのはどんな車でしょうか?

おそらく、10人に聞いて8人はあの車を答えると思います。

ということで、エコカーとして販売されている”あんな車”や”こんな車”について掘り下げていきたいと思います。

国内初の市販ハイブリッドカーって何か覚えてますか?

さっそくですが、皆様へクエスチョン!

量産ハイブリッドカーとして世界初の市販モデルになったのは、どこのメーカーのなんて車種でしたでしょうか?


ヒントは「ハイブリッド」と言えばの"あのメーカー"が販売した「1.3Lエンジン、最大出力70kWのモーターを搭載した」モデルです!

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皆様、分かりましたか?


正解はコチラ

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トヨタ コースター ハイブリットEVです!

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・・・え? こっちじゃないのかって?

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実は、『21世紀に間に合いました。』というキャッチコピーで初代プリウスが発表されたのが1997年10月。その2か月前、マイクロバスのコースターハイブリッドEVが世界初の市販モデルとして世に出ていました。ですが、初代プリウスが自動車業界をはじめ、世界に与えた衝撃はとても大きく、”内燃機関(エンジン)神話のような車づくり”というこれまでの固定概念をぶっ壊す様な存在でした。そのため、皆様の印象には薄いかもしれませんが、厳密に言えば量産ハイブリッドカーとして世界初の市販モデルになったのはトヨタ コースター ハイブリットEVなのです。

さて、ここまで『ハイブリッド』という言葉を当たり前に使ってきましたが、『ハイブリッド』の意味はご存知でしょうか?
「○○と××のハイブリッド」なんて言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、『ハイブリッド』とは何かについても触れたいと思います。

ハイブリッド(hybrid)ってナニ?

ハイブリッド(hybrid)とは、異種のモノの組み合わせ・掛け合わせによって生み出されるモノあるいは生き物を意味する語。動物の場合は「雑種」ともいう。
ハイブリッド(hybrid)の語源はラテン語の「hybrida」。もともと「イノブタ」を意味する語である。そこから、生物の掛け合わせによって生まれた動物(雑種)という意味に転じた。後に、異種の要素を組み合わせた製品を形容する語彙としても用いられるようになった。
生き物では、豚と猪の交配によって生まれたイノブタや、馬とロバの交配によるラバなどが挙げられる。野菜の交雑によって生まれた品種は「ハイブリッド野菜」と呼ばれる。
工業製品でハイブリッドといえばハイブリッドカー(ハイブリッド車)がまず挙げられるが、ハイブリッドカーは「エンジン(内燃機関)+電気モーター」のように複数の動力源を組み合わせて動力源を切り替えながら(複合式動力で)走行する自動車のことである。ちなみに「電動アシスト自転車」も、「人力+電動モーター」のハイブリッド軽車両である。

上記は実用日本語表現辞典から引用しました。

日本で一般的にハイブリッド車と呼ばれる車両は、上記でも触れている「エンジン(内燃機関)+電気モーター(電動機)」を動力源として走行する電気式ハイブリッド車(HEV:hybrid electric vehicle)です。

現在、たくさんの車に使われているハイブリッドシステム。
メーカーによって使われているシステムが異なります。

次はハイブリッドシステムの違いについて少し掘り下げていきます。

ハイブリッドシステムの違い

ハイブリッドシステムは大きく分けると3種類に分類されます。

・パラレル方式
・シリーズ方式
・スプリット(シリーズ・パラレル)方式

各メーカーでもモデルごとに採用している方式が異なるため、搭載車種を例に挙げながら、それぞれの方式についてもうすこし見ていきましょう。

パラレル方式
スバルの「e-BOXER」<フォレスターやXV、インプレッサ>やホンダの「SPORT HYBRID i-DCD」<フリードやジェイド、シャトル>に採用されています。
パラレル方式では、メインのエンジンに補助的な役割を担うモーターを1基搭載しています。エンジンの出力はトルク×回転数の関係にあるので、低回転時には十分なパワーを得ることが出来できません。ですが、モーターは起動時に最大トルクを発生するものが多いです。そこで、発進時や加速時といった瞬間的にパワーが必要な領域でモーターを駆動させることで、エンジンの弱点を補い、スムーズな発進や加速が可能となります。さらに低速域は、モーターだけで走行することで、静かで余分な燃料の消費を抑えた走行を行えます。比較的システム重量が軽いので、小型車両などにも適応されているHVシステムです。『マイルドハイブリッド』という言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、それもパラレル方式の一種です。

パラレル方式

シリーズ方式
日産の「e-power」シリーズがこちらの方式を採用しています。
シリーズ方式では、駆動は全て電気モーターが担い、エンジンが発生する駆動力は全て発電機に伝えらます。発電した電力はインバータ(変換装置)を介して駆動モーターへ伝えられ、余剰分はバッテリーに蓄えます。走行は全て電気モーターなので、”エンジンで発電して走る電気自動車”というイメージすると分かりやすいかもしれません。
ガソリンエンジンに比べ電気モーターは、静かで滑らかな走りが実現できるのが特徴です。
このシステムでエンジンは発電機への動力源としての役割なので、非HEV車両に搭載するエンジンと比べて、モータードライブの静粛性を邪魔しないようにする為、小型で騒音や振動の少ない、効率重視なモノを選択することが多いです。
ちなみに、上でご紹介した量産初のハイブリッドカーであるトヨタ・コースターハイブリッドEVもこの方式を採用していました。

シリーズ方式

スプリット(シリーズ・パラレル)方式
トヨタの「THS(TOYOTA Hybrid System)」、ホンダの「e:HEV」はこの方式を採用しています。
パラレル式のようなエンジン+モーターの出力と、シリーズ式のようなエンジンによる発電・モーター駆動を同時に実現する方式です。
エンジンは駆動用、発電用の両方を担います。
発進時や低速時などはエンジンを掛けず、モーターのみでの走行も可能、加速時や高速走行時にはモーターがエンジンを補助する様に働き、高速巡航時はエンジンパワーで走行する、といった使い分けが出来ます。その際、エンジンパワーに余剰分があれば動力分割機構を使い、動力を分割(スプリット)して発電機側へ伝えることで発電を行い、バッテリーへ蓄えます。

シリーズ・パラレル方式

ハイブリッドカーのメリット・デメリット

改めて、ハイブリッドカーって何がいいの?というところを掘り下げていきましょう。

まずはメリットから
・燃費が良い
・CO2排出量が抑えられる
・購入時に減税や補助金がある
・運転時の静粛性

純粋なエンジン車両に比べて、電気モーターの力も使う為、燃料の消費が抑えられることから燃費が良くなり、走行中のCO2排出量も下がります。
また、エンジンに比べて、電気モーターは騒音や振動が少ない為、静粛性も高くなります。また、行政による購入補助やエコカー減税の様な優遇措置もメリットもあります。

ではデメリットを上げると
・購入価格が高い
・(使用状況によっては)バッテリーの寿命が短くなる場合がある
・車内空間が若干狭い
・(使用環境によっては)燃費が悪くなる場合がある
・(モーター走行の場合)走行音がない

長距離運転が多い方や高速走行を多くされる方は、ガソリンモデルと比べて燃費がそこまで変わらなかったり、バッテリーやモーターに負荷がかかることで寿命を縮めてしまう可能性があります。
また、バッテリーの積載量を確保するために、車内空間が犠牲になっていることが多いので、ガソリンモデルよりも積載量が減る傾向にあります。
モーターのみで走行可能なモデルでは、走行音が無い為、周囲の車や歩行者に気づかれにくい場合があります。
これらは人によってはデメリットになってしまうかもしれませんね。
購入価格が高い点については、ガソリンモデルにモーターやバッテリーといった部品が追加されているので、販売価格はどうしても高額になります。ですが、付加価値が高いため手放す際の売価が高いこと(値落ちが少ない)、使用中にかかるガソリン代の差額など、トータルで考えれば必ずしも購入価格が高いことが大きなデメリットではないかもしれません。

ただし、普段の使用が長距離がメインで、走行中は高速走行が多い方、荷物を多く載せる機会が多い方にはハイブリッドカーは向かない場合もありますので、自身の使用環境に応じて、適した車を選ぶことも大切です。

低燃費は車の価値として本当に大事なことか?

急激な地球温暖化による海面上昇や生態系の乱れ、異常気象などが取り上げられる昨今、CO2排出や環境負荷に対して人々の関心が高まっていることもあり、”環境への負荷が小さい”ことには一つの価値として確立していますね。
一時、低燃費戦争の様に各メーカーでコンマ1kmの燃費差を、大々的に打ち出していた時期もありました。ハイブリッドシステムが当たり前の様になった今では、「圧倒的低燃費!」の様な売り文句はあまり大々的には聞かなくなりましたが、それでもハイブリット非搭載モデルで20km/Lを超えるモデルも出てくる等、エネルギー変換効率の向上による低燃費化は日進月歩で進んでいます。
ですが、自動車の価値はそれだけ(燃費性能)ではないと思います。
運転の楽しさや見た目のスタイリング、機能面、運転のしやすさ、積載量、他にも挙げれば色々とありますね。

私の様な「車は楽しく乗れてナンボ、ガソリンを音に変換している!」という人種は、燃費をあまり気にしない傾向があると思うので、『驚愕の低燃費!!リッター○○km』というセールストークには(ふーん…)ぐらいになってしまいますが、それを実現させるためにエンジン自体のエネルギー変換率の向上、モーターの出力向上、蓄電池の大容量化・小型化など、様々な技術が進歩することで実現していると思うと、エンジニアの方々の努力はスゴイと思います。

ちょっと話が脱線しかけたので本筋に戻って・・・

初代プリウスに代表されるHEVですが、電気の力を併用することで走行中のCO2排出量は純粋なガソリンモデルと比べて削減されました。ですが、ゼロではありません。そこで、走行中のCO2排出量ゼロの車を目指して登場したのが、電気自動車です。

走行中のCO2排出量ゼロ?電気自動車って?

電気自動車はエンジンを搭載せず、電気モーターのみで走行します。燃料タンクの代わりに蓄電池を大量に搭載することで、ガソリンモデルと同程度の航続距離を可能にしています。自宅や急速充電装置のある場所で専用の充電ケーブルを接続して車載バッテリーに蓄電し、バッテリーからの電力供給でモーターを駆動させて走行します。

電気自動車と聞いてぱっと思いつくのは、「日産 リーフ」という方が多いかもしれませんね。最近では「ホンダ Honda e」、「レクサス UX300e」なども国内メーカーで登場しています。
海外メーカーを上げるとすれば、1番最初はテスラでしょうか。それ以外にも「BMW iシリーズ」、「Mercedes EQシリーズ」、「プジョー eシリーズ」、「ポルシェ タイカン」などが現在購入可能な電気自動車です。

あと10年したらガソリンモデルの新車は販売できなくなる?

2020年末辺り「2030年前半を目処としたガソリン車の新車禁止に向けて、日本政府が最終調整に入ったことがわかった」という報道があったことはご存知でしょうか?
経済産業大臣のカーボンニュートラル(二酸化炭素の排出と吸収がプラスマイナスゼロの状態)に向けた「規制強化」発言を受け、「日本版ZEV法」が本格始動されるのでは?という声がでてきました。
「ZEV」とは、「ゼロ・エミッション・ヴィークル(Zero Emission Vehicle)」の略であり、排出ガスを一切出さない電気自動車や燃料電池車を表す言葉です。「ZEV法」は1990年にアメリカのカリフォルニア州で施行した法律で、『州内で一定台数以上の自動車を販売するメーカーは、販売台数に応じた一定比率をZEVにしなければならない』というもので、事実上のEV車両販売数量の義務化ともいえる法律です。

たしかに、電気自動車は”走行中の”CO2排出はゼロです。
ですが、走るための電力はどうやって発電しているでしょうか?
そのあたりにも少し触れてみましょう。

日本の電力構成を見てみると・・・

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Web版日本経済新聞 5月25日掲載 きょうのことば
電源構成とは エネルギー別に分類した発電設備の割合 より
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2459Z0U1A520C2000000

2019年時点で国内の電力供給割合をみると、火力発電が占める割合は76%、再生可能エネルギーと呼ばれる”太陽光・風力・地熱・水力”での発電は18%、原子力は6%となっています。
電力需要の8割を支える火力発電ですが、化石燃料を燃やすことで水を熱して蒸気を作り、タービンを回して発電しています。化石燃料を燃やしているということは、CO2を排出しています。

”走行中のCO2排出ゼロ”の電気自動車を使っていても、走行の為に使う電力の発電中にCO2を排出するのでは、本当に効果があるといえるでしょうか。

経済産業省では「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を掲げ、2050年までに目標を達成すべく、電力分野では脱炭素化を推進。再生可能エネルギーによる発電の安定化、水素・アンモニア発電の活用、原子力の安全性向上による安定稼働によって、火力発電が担っている発電量を置き換えていくことを目標にしています。電力分野以外の産業、運輸、業務や家庭においては、脱炭素化された電力使用や水素の活用、CO2の回収を推進することで、目標達成を実現するとしています。

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経済産業省 2020年12月25日掲載
2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を策定しました
資料1 2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略 より
https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201225012/20201225012.html

現在、日本国内にある自動車の数は8200万台。日常的に稼働しているのはこの内の3分の2ぐらいかもしれません。それでも5500万台程になります。
この8200万台という数の中で、電気自動車はどれだけの割合を占めているでしょう?最新の統計で、およそ12万台、0.001%程度だそうです。
政府としては2050年までにこの数字を最大限増やし、脱炭素化を図った発電設備による電力でまかなうことで、カーボンニュートラルを達成したいのでしょう。その為には、社会インフラの整備も重要です。

電気自動車を購入するにあたって大きな壁となるのが、充電の問題です。
自宅で充電する場合、全てのメーカーが100Vでも充電は可能ですが充電時間がかかる為、200Vでの充電を推奨しています。通常、家庭用には100V電源の引き込みしかないため、200Vの引き込み工事、専用コンセントの設置工事などが必要となります。賃貸に住んでいる方やマンション住まいの方は、そういった選択は難しいでしょう。また、遠出する場合には、急速充電が可能なスポットが重要になります。充電スポットがが無いと出先でバッテリー切れになってしまいます。充電スポットの拡充も電気自動車普及のために、欠かせないインフラ整備と言えるでしょう。

ガソリン車では出来ない瞬間的なモータートルクの滑らかさ、力強さ、静粛性など、魅力は多いです。まだまだ社会的バックアップが十分とは言えないですし、選べる幅も少ないですが、これから電気自動車が主流になっていくでしょう。その流れに逆らうのではなく、より良いカタチになるように皆さんで考えていきたいものですね。

違うアプローチとして<水素エンジン>という選択肢

2021年5月22日~23日に富士スピードウェイで開催されたスーパー耐久シリーズ2021の第3戦「NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」にトヨタ自動車が水素エンジンを搭載した車両を投入したことはご存知でしょうか?

『ORC ROOKIE Corolla H2 Concept』
現行のカローラスポーツをベースにGRヤリスのエンジンや駆動系を流用して開発されたマシンです。

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豊田章男(現トヨタ自動車社長)がオーナーを務めるROOKIE Racingから出場し、社長自らドライバーも務め、水素エンジンの可能性を世界へ発信しました。

みなさんも中学校の理科で、”水素の入った試験管にマッチの火を近づけると「ポンッ」という破裂音を出しながら燃焼し、水が発生する”という実験を行ったと思います。

水素エンジンは名前の通り、燃料に水素を使用しています。
水素はガソリンよりも燃えやすく、燃焼スピードが速いのが特徴です。
この特徴を生かすことで、ガソリンの様に希薄燃焼を行うことも可能となり、パワーと燃費の両立が可能になると見込まれています。
また、多くのパーツをガソリン用から流用することが出来るため、既存の技術に手を加えるだけで水素エンジンとして使用することが出来ると期待されています。

今回、トヨタ自動車が水素エンジンをレースに投入したことで話題を呼びましたが、実は10年ほど前に水素エンジンを積んだ車両のリース販売を行っていた国内メーカーがあったことはご存知でしょうか?

世界初の量産ロータリーエンジンを搭載した車両を発売したメーカーと言えば?

そう、マツダですね。

マツダは今から30年前、1991年の東京モーターショーに水素ロータリーエンジンを搭載したコンセプトカーを参考出品していました。

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このとき出品した「HR-X」はクリーンでエコを追求したコンセプトカーで、水素燃料を使うロータリーに電気モーターを組み合わせたスペックでした。
加速時はモーターがアシストし、減速時はモーターが回生を行って蓄電する現代のマイルドハイブリットともいえるシステムを搭載したモデルとして、航続距離は200kmと短いですが、21世紀に期待を抱かせる提案でした。

水素を使うことで環境性能は向上するが、今の様に水素ステーションが点在するわけでもなかったので、航続距離が短いということは大きなデメリットだったため、それ以降に水素ロータリーエンジンが表舞台に大きく話題となることは有りませんでした。
ですが、21世紀に入ってから長距離移動や水素燃料の供給が見込めない地域での運用も考えた「デュアルフューエルシステム」を開発しました。
その第1弾がRX-8をベースに開発した「ハイドロジェンRE」です。

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「デュアルフューエルシステム」では「ガソリン」と「水素」の両方を燃料として使用することが出来る為、水素燃料が切れた場合、ガソリンに自動的に切り替え、航続距離を伸ばすことが出来るシステムでした。国内の水素ステーションで標準的に使われる圧力の35Mpaに対応した2本の水素タンクをトランク部に搭載。水素のみでの後続可能距離は100kmでした。
CO2排出ゼロ、NOxの排出も極めて低いという環境性能の高さは素晴らしいものでしたが、ロータリー特有の軽やかさやトルク感といったところが水素では味わえませんでした。その分、ガソリン燃焼モードに切り替えた時にはロータリーらしいエンジン音と軽快な加速感を発揮するため、ギャップに驚く方も多かったとか。このRX-8ハイドロジェンREは、2006年に公官庁や企業向けにリース販売を行っていました。

さらに、プレマシーをベースに開発した「プレマシー・ハイドロジェンREハイブリッド」と「プレマシー・ハイドロジェンREレンジエクステンダーEV」を発表しました。

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「プレマシー・ハイドロジェンREハイブリッド」は前作のRX-8ベースと同じく、デュアルフューエルシステムを採用しながら、水素の燃焼エネルギーを効率よく電気エネルギーに変換し、モーターへ伝えるハイブリットシステムを新たに追加することで、動力性能と実用性を大幅に向上させたモデルとして登場しました。
前作は100kmだった水素だけでの航続距離は、2倍の200kmとなりました。
さらに、「プレマシー・ハイドロジェンREレンジエクステンダーEV」は「プレマシー・ハイドロジェンREハイブリッド」をベースにプラグインハイブリットシステムを採用し、高電圧バッテリーの大容量化を行ったことで、ガソリンを使わなくても走ることが出来る「究極のZEV」といえる1台に仕上げられました。
ミニバンであるプレマシーベースということで、5名の乗車定員を確保したうえで、荷室容量も確保できる利便性の高さもあり、2009年に公官庁や企業にリース販売を実施、好評を博しました。
(2021年現在は、リース販売は終了しています。)

そんなマツダですが、2021年6月中旬に行われた「2030年に向けた新商品と新技術の方針説明」の中で、今話題のe-fuel、水素燃料、バイオ燃料に関して注目の発言がありました。
トヨタが水素エンジンでのレース参戦によって世間の注目が集まったこともあり、マツダ社内でも30年以上前から続けている”水素ロータリーは重要な技術”として、水素ロータリーの可能性を見直す機運が高まっているそうです。「これまでの技術の蓄積により、いつでも活用できる状態にある」と廣瀬一郎専務執行役員が話すということは、本気で取り組んだ場合、数年先には水素ロータリーエンジンを搭載した車両が、再び陽の目を浴びるかもしれません。

そんな期待の水素エンジンですが、実際にはまだ先になりそうです。ですが、既に水素を燃料として使用する車両に燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Electric Vehicle)というものがあります。

現在、唯一販売されている燃料電池車はトヨタの「MIRAI」です。

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MIRAIは水素燃料電池自動車に分類されます。
だから?と言われそうなので補足を入れると
”水素燃料を用いる燃料電池自動車は、充填した水素と酸素を化学反応させて発電し、その電力でモーターを動かして走行する自動車”を指します。
燃料電池自動車には他にもアルコール燃料電池自動車金属燃料電池自動車があるようです。ここでは触れませんので興味が湧いたら是非検索してみてください。

水素燃料電池自動車はトヨタ「MIRAI」の他に、ホンダ「クラリティFUEL CELL」がありまましたが、執筆時点でオーダーを終了しています。

電気自動車だけがZEVではなく、水素やバイオエタノール等の新たな燃料を使ったZEVの開発も、今後急速に進んでいくことでしょう。

最後に

さて、『エコカーってそんなに偉いの?』ということで、ハイブリッド車、電気自動車、水素エンジン車、水素燃料電池車を取り上げました。

「偉い」という定義をどこに置くかで変わってきますが、環境への負荷という点で考えれば、通常のガソリン車と比べて、エコカーと呼ばれる車たちの方が優れているという意味で「偉い」かもしれません。

ですが、『エコカーに乗っていれば偉い』という考えは違います。
仮にエコカーに乗っていても、頻繁に急加速を行う、アイドリングが長い、荷物を沢山載せっぱなしにしているetc.といった燃費に悪い行動を日常的に行っているのであれば、せっかくエコカーを選んでも無駄です。
正直、メーカーTの車種Pに乗っている方々の中には「車の事分からないけど、販売員さんが良いって言うから乗っている」という方が多いのかなと思います。もちろん、ちゃんと選んで購入されている方もたくさんいらっしゃると思いますが、圧倒的多数は前者ではないかと思います。そんな前者の中でも”車は移動の足”程度にしか考えていない方や運転マナーが悪い方、運転能力の衰えた高齢者が起こす事故が目立っている様に思います。
「売れてる車だからよく見るのは当たり前」ですが、そういった運転をしている方が乗られているのがその車のパターンはよく見かけます。

個人的な意見を付け加えるとするなら、エコ云々は大事かもしれませんが、あの車(車種P)は最低だと思っているので、私はあの車が嫌いですし、あの車に”何となく乗っている”人間も嫌いです。
シフトが自動的にニュートラルに戻るため、運転するときにシフトがどこに入っているのかぱっと見で分からない。基本がモータードライブなので音が無く、ブレーキを離した時に動くのか否かをセンターメーター内の小さな表示でしか分からない。後部ガラスの形状が特殊でCピラーも大きいので、後方視界が悪い。etc.
正直上げればきりがなく、開発者の方々やあの車が好きで乗っていらっしゃる方々には大変申し訳ないですが、私の受ける印象では「運転するドライバーの事を考えた設計ではない」と感じる点が多くあり過ぎるので、最低な車だと思っています。

ちょっと話が脱線しましたが、国の発信する「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では電気自動車一択のような印象もありましたが、トヨタやマツダでは水素エンジンの開発を進める姿勢があるということで、選択肢が1つじゃないというのは喜ばしいと思います。
いろんな角度から環境にやさしい乗り物のあり方を、我々の生活が豊かになるように考えていくのも、”今生きている人間がやるべきこと”だと思います。他人事と考えず、まずは「世の中にはこんな選択肢があるんだ」ということを知っておくことが大切です。そこから、自分には何があっているんだろう、という様に感心を持つことから環境問題に取り組んではいかがでしょうか。

『エコカーを乗ること(選択すること)が偉い』のではなく、
しっかりと考えて、自分に合ったエコカーに乗ることで環境問題と向き合う人が偉い』と思います。
「良いものだから」とセールストークやキャッチコピーを鵜呑みにして選択するのではなく、なんで良いのか、どう良いのか、本当に良いのかと考えることが大切です。

それでは、今回も長くなってしまいましたが、
ここまで読んで下さったみなさま、誠にありがとうございました。

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