日々の機微(57) 4枚の写真のどれも春隣

俳句の授業 4枚の写真

昨日も俳句の授業でした。
(毎月2回小学校で俳句の授業をしています。)

授業のプログラムは、4枚の写真から発想を膨らませて俳句を作るというものでした。

これは、校長先生から提案があった方法の第一弾で、実験的で、どんな俳句が出来るのかを試してみました。

なぜ4枚の写真で一句を作るというプログラムを思いついたのか。

それは、松野町の英会話サークルで、ALTの先生が出題したワードゲームが、4枚の写真からひとつの共通する単語を当てるというもので、そこからヒントを得たからです。4枚の写真に共通する点と点を結んで、どんな答えが俳句として出てくるのか、挑戦してみました。

題は3つあって、1枚目は「さくらひめ、梅、椿、桜」が写った4枚の写真。

2つ目は「フラミンゴ、燕、鶯、鶴」が写った写真。

そして3つ目が、ピンク色の「タイル、風船、砂嵐、モヤモヤ」が写った写真でした。

この4枚の写真をする前に、ネタ振り的に、いくつかの材料から何ができるかという例題に取り組みました。

どういうことしたかと言うと、「玉ねぎ、にんじん、じゃがいも、牛肉、この材料を使ってできる料理は?」と質問を投げかけてみたのでした。

もちろん回答としては、カレー、肉じゃが、シチューといったものが挙がりました。(予想通りです)

じぁ、そこから、次のステップとして、「4枚の写真を材料に、俳句を作ってください」と投げかけてみました。


なんだか、意図が伝わるのか不安でしたが、けっこうユニークな俳句が出来ました。

俳句の言葉に写真には写っていない「椰子の実」や「南風」などかなり発想を飛ばしたものもりました。(もちろん、梅の枝の様子を詠んだり、発想が写真と近いものもありました)

このプログラムはいけそう。という手応えもありつつ、最終目標としては、パソコンを使った授業プログラムにしたいと思っているので、段階的に児童に4枚の写真や図形をパワーポイントにまとめてもらうといったことできたらと思っています。

即効性があって一番おもしろい俳句が出来るのは即吟


今月までに各月1本は、かならず新作の授業メニューを考えて取り組んできました。ですが、なんやかんやで、ここ3ヶ月くらいの実感として、うまく俳句が作れるのは即吟でした。1回目は5分、2回目は3分と短く集中して多作。そこから一句を選んで句相撲(一対一の俳句トーナメント)という流れが一番面白い俳句が作れています。

今回ははじめて、句相撲で高学年の児童ふたりに披講者になってもらい、私はジャッジをする側で参加しました。(授業で出来た俳句なのでどんなのが出来たかは例示できません💦すみません。)


ただ、全児童の俳句すべて使ってトーナメントをするとかなり時間がかかるので、荒選で4句に絞ってからトーナメントをするなど、時間短縮の必要性も感じたのでした。

徹底して参加してみる

今回から徹底的に全ラウンド、私自身も俳句を作って参加してみました。(今まではときどき参加していました。すみません。)参加してみて分かったのは、低学年向けにつくる俳句と高学年向けにつくる俳句では、意識的に言葉を選んでしまうということでした。

どういうことかというと、やはり低学年には伝わらない言葉というものが、たくさんあって、たとえば、「たくさん」は伝わりますが、「数多」は絶対に通じません。逆に高学年では「数多」は通じるか通じないかというラインかと思います。このラインをめちゃくちゃ意識しながら俳句をつくりました。

このように、言葉を取捨選択しながら俳句をつくるとき、自分の中での語彙のレベル感が研ぎ澄まされる感じがあります。

そして、読み手を意識して書く。伝わるように書くというのは創作の根本やなぁと認識したのでした。

授業といいつつ、学ぶことがたくさんあります。

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=俳句を中心に個性の種を育てよう= 土を耕し、種を蒔く。 そこから生まれる様々な芽。 樹色は新しい…

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