日々の機微(53) さまざまの忘却のある焚火かな

昨日聞いたいい話とIRORIの振り返り

ある方から聞いた話が刺さりました。それは、最高に理想のチームが出来上がった途端、チームから自分の役割がなくなったという話。

チームメンバーが主体的で自分が何も手を下さなくなってよくなった途端に、チームメンバーからあなた!活躍してないですよね!と言われたそうです。

なぜこの話が刺さったのかというと俳句アナザープレイスIRORIの目指したい姿と重なったからです。

俳句アナザープレイスIRORIは、LINEオープンチャットのグループですが、グループに入っても所属とすることは禁止しており、参加者がこの指とまれ!でやりたいことをやる繋がりです。もちろん完全非営利。真に俳句に取り組むための場です。

そのIRORIは、まだまだ理想の姿からは遠いものの、確実に主体性が生まれています。これまでも自然発生的に企画が持ち上がって参加者同士で実行してくれています。

ですが、まだまだ火吹き竹で風を送らないと、火力が弱まってしまう感覚があります。

ここで最初の話に戻りますが、本気で火力が高まってきて、自燃焼し出したとき、私はいらなくなる。

そうしたときに何もしてない!と批判されるとたしかにメンタル的にしんどいような気がしました。

なので、先人の話を聞いておいて少し心の準備ができたような気がします。それと同時に、改めてIRORIは俳句におけるマイプロジェクトを進める場にできたらと思っていました。

そのカタチが出来るまでもう少し火吹き竹で風を送る関わり方を意識していきたいと思います。

そのきっかけとして、まずは朝早く起きて朝活句会をしよう!という呼びかけから始めたいと思っています。

朝活句会に興味があればぜひ!コメント欄でもXでもいいので声をかけてください!

取り組みの形骸化

実は以前に「日々の機微」で紹介した6つのやることリストをこの1週間サボっていました。やることリストへの関心がどんどん薄れて、しまいには、明日やろう明後日やろうとのびのびになっています。

取り組み出したことの量が多くて、いろんなことが中途半端になっていることもありますが、やはり燃え出してからの火力は何もしなければどんどん落ちくるというのを実感しています。

これは、飽きてしまったという感覚に近いです。

ですが、実はいま6つのやることリストを実行することに燃えています。

1週間もサボっていたのになんで!?と思われるかもしれませんが、たまたまオーディオブックで集中に関する本を聴いていたら、6つのやることリストの話が出てきたからです。

だいたいこれでの失敗として、習慣化するまでにアレンジをし過ぎてしんどくなったり、飽きたりして、自然消滅することが多いのですが、目的や意義を振り返るチャンスがあれば、新鮮味が蘇ってきます。

つまり北極星を見失いかけたら、もう一度、北極星を探すという作業がめちゃめちゃ大事且つ有効です。

それでも目的や意義が見つからず新鮮味が蘇らなければ、その取り組みは諦めてもいいと思います。

惰性で続けても仕方ないので、スタートに戻れる仕掛けがいくつかあるといいなと思いました。

高柳克弘『隠された芭蕉』の一章を読む

一昨日届いた『隠された芭蕉』は、難敵になりそうです。

とりあえず一章の感情表現を読んでみました。一章では「さまざまのこと思い出す桜かな」を、とっかかりに、芭蕉の感情表現の多様さについて述べられています。

結びに東京オリンピックのキャッチコピーが情緒的で国民を煽動するということが書かれていましたが、ふとこの部分も読んでいて桑原武夫の「第二芸術論」を思いました。

桑原武夫の「第二芸術論」では、「プロの作品とかアマチュアの作品とか、素人からすると区別つかない。枚方の菊人形と一緒で知らない人からすると興味ない」という批判が繰り広げられています。やはり一般の人からすると、俳句の良さを感じるとるのは難しいような気がします。

そうすると、逆に、庶民にも知られている「さまざまのこと思い出す桜かな」は、やはり名作かもしれないという気がしてきました。

言葉も難しくなく、分かりやすく、簡単で想像しやすい。そして、誰でもどのように読んでもいい抽象度の高さ。

この句の技巧に対しては俳句の専門家的意見は全く役に立ちません。

さて、俳人として私たちは技巧ばかり追求していてよいのかとこの句を前に考えさせられます。

俳句として何を書くのかも大切かと思いますが、同時に誰に届けたいのかということも情緒的な作品から感じ取ったのでした。

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