日々の機微(114)  蕨とキャベツ

わらび噛む噛む噛むなかったことにする 和田明日香

同志社女子大学クリエイティブライティング2023年度『おとめひととせ第12号』から。

今年は蕨を初めて下処理をして食べてみました。野菜と違って山菜はめちゃくちゃ下処理に時間がかかります。そう考えると品種改良されて、畑で栽培される野菜は甘さや香り食感などが優れていて、なおかつ簡単に調理できるので文明の賜物です。

さて掲句は、時間をかけて下処理をし、調理した野菜を大胆にも「噛む」という語を3回も使って食べた様子を表現しています。この大胆な表現に感情を乗せていくタイプの俳句です。「なかったことにする」は反実仮想的でなかったことにしたい(いや、できない)といった感覚もあります。

この句で蕨がどんな調理をされていたにせよ、その下処理にかかった時間くらいに、なかったことにしたい事柄を咀嚼するのに時間がかかることが想像できます。

ただ

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353字

=俳句を中心に個性の種を育てよう= 土を耕し、種を蒔く。 そこから生まれる様々な芽。 樹色は新しい…

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