川嶋ぱんだ作品 2023.1.10

HERBIS PLAZA ENT OSAKA

社章輝く 野菊が地下で いまひらく
雑踏ぎゅっと 檸檬 ウーバーイーツねじ込む 
裸木 裸木 鳥 裸木を登り出る
枝にのぼる鳥 冬紅葉 散り 散り に
後ろ手で見る ビル 硝子 雪催
いま壁は 水 涸れず 水 溢れ出す 
チャリ漕ぎチャリ急き 冬日 部屋から次の部屋へ
外套で 謝罪電話の パントマイム
自動ドア パープル髪の いま 出現
隔離 せし 一語 一語 の スペアリブ
凍蝶の骨が 鉄筋から あもる 
午後微睡む芝生の鞄から 兎
アヲハタのジャム と 冬夕焼とろける 
雲 じわり 淑気が雲間より じわり
雪解してひかる 大阪 あなだらけ
春服の徘徊 近づき 遠ざかる

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