船長

小さな船には船長だけ

他には誰も乗っていない


どこまで流されてゆくのだろう

波は穏やかだけれども


無人島に漂着すれば

まだ何とか助かるかも


もちろん食料などはない

あることはあるのだが

まさか船を食べる訳にはいかない


分厚い衣を脱ぎ捨てて

今すぐ羽根を広げて飛べたらいいのに


川辺の木の枝から落ちた一枚の葉

春から夏にかけての物語。

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