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武庫川ありす詩集

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自然、孤独、愛、慈悲などの 詩を書いてます。
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2021年5月の記事一覧

がらくた

がらくたを捨てないで下さい たくさんのがらくたの中に 宝石も混じっているのですから いい…

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人間の目

人間の目は ふたつあるけど 同時に ふたつのものを 見ようとすると ぼやけてしまう ひと…

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動物園の光景

まったく、狭い檻の中に 閉じ込められて 自由のないまま 時は過ぎてゆく お前は寂しくない…

早朝の風景

あなたはすぐに私の頭を叩きます ひどい時には蹴飛ばしたりして あなたが朝早く起こせと言っ…

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現実と理想の世界

ねぇ、見たことあるかい? 可愛いらしい小鳥が 虫を捕まえて食べるのを 思わず目を背けてし…

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悪い連鎖

憎い人がいたとする 何て思いやりのかけらもない ひどい人だと だけど、そう思う、あなたも…

芸術家

いつの間にか 壁と壁際に置かれた 空きビンの間に 布団がひかれていて いいえ 見事なハンモック といったほうがいいかも 人の手でもこれほど豪華で 繊細なものは作れない 芸術家は自分の作品に満足したのか ハンモックの上で一休み それにしても もっと高い天井にでも作ればいいのに そんな足元の低い場所に作って もしかして高所恐怖症 尋ねたいところですけど 蜘蛛先生はいまだ夢の中。

野良猫

誰の目も気にしない わがままと言われれば否定しない 義務にとらわれず ただ腹が減れば え…

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男と老婆

山の中腹にある寺で 男は参拝を終え いったい何段あるのか 分からないほどの長い 石の階段…

子供はやがて

子供はやがて大人になり 背も伸びて大きくなるが 老いて背が曲がり 小さくなってゆく 子供…

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君は窓の外の景色ばかり見ている

君は窓の外の景色ばかり見ている 珍しい建物があるのか 珍しい形の雲でも 空に浮かんでいる…

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微笑みの月

月はいくら追いかけても 追いつけない だけど振り返れば 私のあとをついてくる 遠き日の思…

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水の上のあしあと

固い石の上では あしあとは残らない 細かい砂の上では あしあとは風に消えゆく それなら私…

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駅のカラス

駅のホームに一羽のカラス まるで仕事熱心な駅員のよう だけど、お前は自由なカラス 気が済めば、どこかへ飛んでゆく 電車はレールの上を走ってゆく 確かな目的地を目指して カラスは電車を見送りながら まだ駅のホームにたたずんでいる。