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ブラック系?農業法人の章アフターストーリー①~最強のアルバイト~

あれから時間が経ち、この農業法人で働くアルバイトも増えてきました。
農地の面積も、タマネギの皮むきの仕事も増えてきました。

そんな中、「すごい人が入ってきました!」と農場長に新しいアルバイトを紹介されました。

そこには、大柄で筋肉質、無精ひげを生やした50歳くらいの強面の男性がいました。

自然農を営んだ後、大規模なネギ農家で働いていたがケンカして辞め、この有機農業法人にやってきたと言います。

「自然農もやったし、農薬を使った慣行農業もやった。それでは有機農業はどんなものなのか知りたくて来た」
と彼は語りました。

その日は彼と二人で仕事をしました。
畑に向かう途中、
「人間が自然の中で生きるのに大切なものが3つある。何かわかるか?」
と強面のおじさんがふと質問してきました。
「太陽、水、土ですね」
と僕はありきたりな答えを返しました。
「そうだ!ワシはその全てに関わる仕事をしてきた!」
と彼は答えました。
どうやら農業の前は太陽光発電の仕事や治水の仕事もしてきたそうです。すごく経験豊富だなと思いました。

畑に到着し、その日の仕事は鹿柵の設置でした。
強面のおじさんは仕事をしながら、
「こんな動物と敵対するようなやり方はあかん!」
と解説してくれます。
「動物用の畑をつくるんや。『ここの畑は動物さん自由に食べてください』と看板をたてて、そうしたら他の畑は被害を受けなくなるんや!ホンマやで!」
色んな世界があるものだなと半信半疑で話を聞きながら、一緒に仕事をしました。

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