第二章 のんびり定年後農家の章④」~憧れのマイ田んぼ~
火災の原因は定年後農家さんの農場で働いているブラジル人でした。
定年後農家さんの紹介で近くの工場でも働いていたのです。
仕事中の不注意で火事になってしまいました。 その責任を感じてかブラジル人は仕事に来なくなりました。
ここで、この農場のメンバーをおさらいすると、代表の定年後農家さんの他に70代のおじさん、70代のおばちゃん2人、90代の老夫婦。 40代のブラジル人がいなくなったので若い戦力が足りません。
なので僕がまた呼ばれました。もちろんタダ働きでしたが今回の条件は魅力的でした。
田んぼを二枚、合計2反(2000㎡)貸してくれました。機械も使っていいと言います。
ブラジル人がいなくなったので空いた穴を埋めて昇格した感じです。僕もこの農場にとけ込みはじめました。
そしてある日、農場のメンバーみんなで定年後農家さんの家で食事会をしました。
そこには剣道で入賞した賞状が飾られてます。
それを見て
「すごいですね!」
と定年後農家さんの賞状だと思って精一杯のお世辞を言ったら
「これは死んだ息子のものなんや」
と言われました。
若くしてバイク事故で亡くなったそうです。
その後、
「お前は息子みたいなものや」
なんて事も言われました。
そう言ってもらえるのはうれしいのですが、僕の両親はは健在なのでちょっと困りました。
そして、なるほど、息子みたいなものだから給料がないのだと納得しました。
つづく
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