透明な手錠
法に触れない罪によってかけられた手錠は
私に何の驚きももたらさなかった
透明で軽い素材でできた二つの輪っかを
まつ毛の影を落としながら見遣る
無色のワンピースを揺らめかせながら
誘導される方に素足を向かわせる
面白半分で犯した罪ではなかった
苦悩で歪んだ先の一筋の光であった
さぁもうすぐ目的地よ
何かしら裁かれることになっているらしい
私は何と無しに振り向く
見えないけれど、そこにいるんでしょ?
この口元には笑み
まるで自分の捕まる未来が
容易に想像できていたかのように
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