両腕の中に君を閉じ込めて まゆらさん作
この詩は、私が脚本を書かせて頂いたボイスドラマ『右瞼の端に熱を』の登場人物「光」を思って、まゆらさんが書いてくださりました…!
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ひとつ年下でまだ高校生だった君の事を大切にしたいという気持ちと、メチャクチャにしたいという気持ちが常に俺の中でせめぎ合っていたあの頃。
俺の仕事が休みの時に、部屋に遊びに来る位しか君に会えなくて…
俺は、段々大きくなっていく自分の気持ちを抑えきれなくなっていく。
卒業したら直ぐにでも結婚したい位に君の事が好きなのに…
自分に自信が持てずにハッキリと気持ちを伝えられないまま今日が終わる。
君が進学するのが嫌なわけじゃないけど…
君が遠くに行ってしまったら、気持ちまで遠ざかっていきそうで恐くて…
君がいつも目に見える場所にいてくれないと嫌だから…
ずっと一緒にいたくて…
俺は、君の気持ちなんて何も考えずに君を俺の世界に閉じ込めようとしたんだ。
君が大切にしている夢や将来を見ない振りをして…
自分の元に縛りつけたかった。
君を誰にも渡したくなかった。
君が何を考えているのか、君がどうしたいのかを聞くのが恐かったんだよ。
君が描く未来には俺の姿が無いような気がしたから。
だから…
俺は一方的に自分の気持ちを押し付けて、君を独り占めしようとしたんだ。
君が俺から逃げないようにって、それだけ考えてた。
俺が見ている君だけが好きだった。
俺にしか見えない君が好きだった。
本当は唇にしたかったキスも
右の瞼の端にだけ
刻印するように、君の記憶に残るように…
君の瞼の端に俺は所有印を刻んだ。
君が俺の元から去ってからも、俺の事を忘れないように…
君の心の奥底までも、俺でいっぱいにしたかった。
どうしようもない位に、君が好きな自分に陶酔していたのかもしれない。
刹那の恋に身を焦がしてた結果…
俺たちの青い恋物語は、君の卒業を待たずに完結してしまった。
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光の想いが色濃く伝わる、切なく素敵な詩を、本当にありがとうございました…!
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