そうだ、無いのなら自分で開業しよう。
開業を決めるまでの長い長い道のりです。半分パン関係ない内容があります(移住のこととか…)北海道への移住を考えている人に何か参考になるといいかなと。
そもそもなぜパン業界へ入ったのか。
私は斜里町という町で生まれ育ち、当時は周りに沢山パン屋があったわけでもなく特に憧れなどは抱いていませんでした。
高校で進路を決めなければいけない段階になり、考えました。私は将来何をしたいのか?
特になし。
高卒も嫌だから進学したいけれど進学先の学科は?私は何がしたい?何が好き?
結構悩んでいたと思います。
初めは動物が好きで獣医がいいなぁなんて考えていました(動物のお医者さんという漫画が大好きでした)が、獣医学部に入るだけのガッツはなく早々に目指すのをやめました。(単純に勉強が大っ嫌いだった…)
そこから、動物と同じくらい好きだったお菓子作りの学校なら楽しいかなぁなんて安直な気持ちで札幌の調理製菓専門学校へ進学させてもらいました。
叔母がパン屋を営んでいた経緯もあり元々パンを食べるのが好きで、私の進学した専門学校では製パン科があったためパンも作れるんだ!というオマケ感覚で入学した記憶があります。
1年生で製菓・製パンを習い2年生でどちらかを選ぶというスタイルの専門学校で、両方習ってみると私はどうやら製パンの方が楽しいと感じたので製パン科を専攻し、製パン業界への道筋を固めました。
札幌で就職しようと思っていましたが、たまたま一番先に面接を受けた会社で2次面接、最終面接と進み気がついたら全国規模の大手製パン会社へ入社していました。
入社が決まった時から、異動で全国の土地を回るのも面白そうだなぁなんて呑気に思っていました。
その製パン会社はクープデュモンドという製パン技術の世界大会に多数出場者がいたりコンテスト受賞歴なども多く、何より独立開業して人気店になっている先輩が多いのが特徴でした。
しかし当時の私は大手企業に入社できたことに満足し、特に開業を目指していたわけではありませんでした。
「美味しいパンを作る製パン技術を身につける!」
それだけが私の生きがいでその先のライフプランは特にありませんでした。
当時の私には開業を目指す同期にも「○○(私)ちゃんは10年後もこの会社で働いていそうだよね!」なんて言われるくらい開業の「か」の字もありませんでしたが(笑)
実際、5年目を過ぎたあたりから10年勤続が見えていた気がします。
が、そんなのほほんとした私の人生に確変が起こります。
ちょうどその頃たまたま知り合った彼(現在の夫)と婚約し、結婚・妊娠とトントン拍子に進み、食べづわりと匂いづわり(パンの匂いが気持ち悪く感じた)に悩んだため早めに休暇を取り安静に過ごしました。
そこから色々考えた結果、里帰り出産と同時に北海道へ移住するという結論に至りました。(私からするとUターン)
退職の意を会社へ伝え、直属ではないものの沢山お世話になった上司へ電話で報告し、その際に「いずれは開業するんでしょ」と、最後に何気なくかけてくださった言葉がなんとなく私の背中を押し数年後に開業への道を考えるきっかけとりました。(このときはまだ特に考えていませんでした)
無事出産を終え子どもも順調に育ち6ヶ月がすぎた頃、私は働きたくて仕方ありませんでした。
就職してから仕事人間で休日も職場へ行っては自由に試作をしていたような人間だったため休職期間が本当に長く感じ一刻も早く私は社会人だという感覚を取り戻したかったのです。
そんな訳で役場からきた保育園の調理員募集のチラシに惹かれ同時に保育園の入園手続きをしに町役場へ行きました。
ところが、そもそも保育園に空きがなく入園ができずさらには待機児童も多く2歳になっても入園できるかわからないとの回答で、預けられないし働けないという事実に絶望しました。
山奥での育児に不便さを感じていた矢先、この出来事が決定打となり移住先を見直すことにしました。次なる移住先は道内(できれば気候の気に入っているオホーツク海側)を目標に様々な町を検討しました。
北海道・移住で検索し上位に出てきた町も検討しましたが、まず役場に連絡して対応が悪かった町は即座に除外。(偏見かもしれませんがトップの対応が悪いと町内も微妙に統制が取れておらず長い目で見て少子化の一途をたどる町だと思っています)
なかなか住みたいと思うところが決まらず苦戦していたところ夫が「津別はどうかな」となぜかゴリ押し。
早速仕事の視察の際に知り合ったという移住サポートの方に連絡を取ってもらい津別町の空き家バンクを紹介していただき、これまたトントン拍子に話が決まりあっという間に移住しました。
決まるときは縁なのかタイミングなのかこうしてトントン拍子で進むことが多々あるそうです。私は縁だと信じています(笑)
話が脱線してしまいましたが、私は移住したことでようやく開業を決意します。
というのも、色々求人を見た結果、やはり私はパンに関わる仕事がしたいと思っていることに気がつきました。ところが移住した津別町には近隣都市ほどパン屋がなく私がパン作りの仕事をするには自分でパン屋を開業するしかなかったのです。
(いくつかパンを置いているところはありましたが、雇用スタッフを募集している感じではなかったので…)
製パンを学び始めてから8年かかりましたが、開業を目指すからには私の学んできた製パン技術を余すことなく活用できるように頑張ろうと思います。
とまぁタラタラと長く書きましたが開業を決意するまでの長い長いエピソードでした。
真面目に読んでくださった方、ありがとうございました!
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