ぱむぱむ

保護猫3匹にお世話になりながら、頑張って生きてます。

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32才で病気になって仕事辞めて、以降無職になった私の半生🍰

タイトル通り、 自分でもこんな人生になるとは思わなかったので、 誰かが私の話しを読んで、 何か少しでも感じて貰えるものがあれば嬉しいな、 そんな思いで書き始めてみる。 まさかこんな人生になるとは、 と最初に思ったのは高校一年生の時。 初めていじめに遭った時だった。 きっかけは些細なことで、私がその子を睨んだ、 とかそんな理由だった気がする。 実は今でもはっきりとした理由は分からない。 言いがかりも甚だしいと今なら思うが、 当時の私は自分の目つきがそんなに悪かったのか・

    • 貴方の死に、祝福を。 1話

      あらすじ 木村沙也香は、最愛の人を失った。 病室で彼が亡くなる瞬間、光と共に美しい女が現れる。 その女が手に持った杖を、彼の額にかざし言う。 「貴方の死に、祝福を」と。 祝福なんて、ふざけるんじゃない。 気付いたらその女の杖を奪い取り、へし折っていた。 その瞬間、頭に衝撃が走り、沙也加は倒れてしまう。 それから沙也加には、未浄化の魂が見えるようになってしまうのだった。 帰れなくなった天使と、死者の魂と向き合うことになった沙也加の、命と向き合う数日間の物語。 ♦︎本文♦︎

      • 貴方の死に、祝福を。 2話

        悪魔じゃないのなら、一体何なのだ。 どう見たってアンタのせいで、拓実の魂は、その体から抜け出していったじゃないか。 沙也加の疑問は、ハッキリと顔に現れていた。 「悪魔がこんなに大人しく人間の側にいて、その話しに耳を傾けると思うのか」 「いや悪魔自体見たことないし、これといって定義はないけど・・。」 「まあ立って話すのも何だろう、一旦そこに座ったらどうだ」 白い丸椅子に座るよう促される。 なぜアンタの言うことに、と反論したいのに、体が勝手にその椅子へと腰を下ろす。女が

        • 貴方の死に、祝福を。 3話

          河川敷にいるのも目立つので(主に沙也加が)、 近所の公園まで移動する。 気の利くことに、男天使が靴を持って来てくれていたので、幸い足の裏は守られることになった。 靴を履く際、痛みが引いていった気がするのは、天使の力でもあるのだろうか。 公園に着くと、ベンチに腰かけた病衣の彼女が、そっかぁ、私、死んじゃってたんだあ・・、と噛み締めるように言う。 本当に幽霊・・、というか、未浄化な魂というものが存在するのか・・。 そう慄いてはいたものの、目の前の彼女は、普通の人間にしか見えな

        • 固定された記事

        32才で病気になって仕事辞めて、以降無職になった私の半生🍰

          貴方の死に、祝福を。 4話

          「もし、自分の子どもに名前をつけるなら、どんな名前がいい?」 そんな会話を、当たり前に交わすようになっていった。 まだ沙也加にはハッキリとした実感は湧かなかったものの、そんな二人の未来の話しをすることは、とても楽しかった。 「ん〜、子どもの名前かぁ・・・。あっ、でもね、猫を飼うなら、これっていうのは決めてるの」 猫かよ、と突っ込みはするものの、沙也加の言いたいことを、柔らかな微笑みで聞く姿勢をとってくれる。 「メスだったら琥珀で、オスだったら茶々丸が良い!」 「いいじゃ

          貴方の死に、祝福を。 4話

          貴方の死に、祝福を。 5話

          拓実の両親から電話がかかって来たのは、昼頃のことだった。 葬儀の日取りが早まったという。 明日に通夜、明後日の午前に、葬儀を執り行うということだ。 急な連絡を謝罪されたが、行えるなら出来るだけ早い方がいい、ということで、急遽決まったとのことだった。 母には無理をせず、明後日の葬儀には間に合えばいいだろうと連絡した。 「もう、私から奪い返そうという気力は無くしたか」 琥珀が真顔で言う。冗談のつもりで言っているのだろうか。いまいち、心意が掴み取れない天使である。 「なんか、色

          貴方の死に、祝福を。 5話

          貴方の死に、祝福を。 6話

          その晩のことだった。 沙也加は初めて、天使と食卓を囲む、という経験をした。 少し食欲が出てきて、知夏が冷蔵庫に入れていったサンドウィッチと、くし切りにしたトマトを皿に盛り、テーブルに置く。 冷えた麦茶と、三人分のコップと取り皿も用意し、セッティングをする。 「我らの分は、いらんと言うのにな」 琥珀の言葉に、苦笑いしながら答える。 「形だけでもいいんで。食べるフリして下さい」 目の前に人がいるのに、一人だけ食事をするのは、どうしても気が進まなかった。 「その気持ち

          貴方の死に、祝福を。 6話

          貴方の死に、祝福を。 7話

          久しぶりに袖を通した喪服。購入した頃より、だいぶ大きく感じる。 最後に体重を測ったのはいつだろう。いつの間にか、かなり痩せているような気がした。 髪をまとめ、低い位置でお団子にする。ファンデーションを薄く伸ばし、軽く粉をはたく。 鏡に映る顔をちゃんと見るのは、久しぶりな気がする。 不思議な気分だった。 これから拓実の通夜に行く。その為に化粧をし、身だしなみを整えている。  夢か現か。 その間を彷徨っているような2日間だった。 現に、その狭間の存在と共に過ごしたのだ。 初

          貴方の死に、祝福を。 7話

          貴方の死に、祝福を。 8話

          「子どもの方が、案外受け入れるのは早かったりする」 またもや電車に揺られながら、茶々丸が話し出す。 「大人が死ぬのと、子どもが死ぬのとでは、行く場所がまた違うんだ。 唯花ちゃんは自分の死を分かっていたし、天界の様子を話したら、そちらに行くことも楽しみにしてたんだ」 「けど、お父さんや、家族のことが心配すぎて、行くに行けなかったんですね」 最後に見せた、唯花ちゃんの安らかな笑顔に、心から安堵した。 「というか、人間には基本、干渉しないんじゃないんですか?」 最後、あんな

          貴方の死に、祝福を。 8話

          貴方の死に、祝福を。 9話

          あの後、なぜか沙也加の母と知夏が飛び込んで来て、泣きじゃくる沙也加に駆け寄り、一緒に大泣きした。 さらに、そこに拓実のご両親も加わり、大勢で泣き続けた。 目覚めてからそんな姿を思い出して、今になって、笑いが込み上げてくる。 拓実が見てたら、きっと笑っているだろうな。 昨日の余韻が、まだ胸に残っていた。 ああ、大好きだな、と今日も思う。 知夏は狭いベッドで、壁に引っ付くようにして、沙也加の隣で眠っていた。 母は、床に来客用の布団を敷いて、う〜ん、と寝返りを打っている。

          貴方の死に、祝福を。 9話

          貴方の死に、祝福を。最終話

          「何で茶々丸の姿は、まだ見えてるわけ?」 「う〜ん、それは俺の方こそ、聞きたいんだけど」 誤差?と、訳の分からないことを言ってくる茶々丸に、苦笑する。 あの日から、色々あった。 沙也加の母も、知夏も、拓実のご両親も、それから沙也加自身も。 それでも、日常に戻っていかなければならなかった。 「もう、記憶を消して欲しいとは、思わないんだ?」 ふいに、茶々丸が尋ねる。 「うん。・・やっぱり、辛いけど」 この痛みが無くなるとも思えないし。きっと、思い出すたびに、ずっとずっと、

          貴方の死に、祝福を。最終話

          傷付いたのに、無理して笑わなくていい。

          つまらない飲み会の席、特に仲良くもない相手と隣同士になる。 「最近、唐揚げにレモンかけたら美味しく感じるようになった」 というような、どうでもいい話しだった。 本当にそう言った訳ではなく、例え話だと思ってもらえばいい。 なんとなく、世間話程度のつもりで話しかけただけだった。 相手から、 「で、何が言いたいの?」 「あっそ、て感じ」と返されて、面食らった。 確かに面白い話題でもないし。 相手を楽しませる話術も持ってないし。 彼女は私のことが、好きじゃないんだろう。 つ

          傷付いたのに、無理して笑わなくていい。