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「マザーを探して」2~ついに明かされる人類の謎。僕らは離れ離れになるのか?


僕たちは、ようやく不夜城のように輝く、ガラスの塔の下へやってきた。

腕時計を見ると、午後8時50分。早ければ、そろそろ大人たちが広場から帰ってくる頃だ。

急がねばー。

僕とユーリ―は、緊張した面持ちで、互いに顔を見合わせると、大きくうなづいた。


入口にある監視室の窓口へ行くと、警備員のゲオルギーが虚ろな目で、

モニターを眺めていた。彼は三十代半ばの小柄な男で、テーブルには、

飲み掛けのワインがあり、その顔はほんのり赤かった。


そして、

「なんでぃ、なんでぃ、なんで俺一人だけが留守番なんだ。

チキショー、俺にだって、〝ジェニィ〟を見る権利があるってんだッ、俺様にだってよぉ!」

そうクダを巻いていた。

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