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【連載小説】「恋するスピリチュアル」⑯~時代劇、時代劇、ああ時代劇
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そんな事をしているうちに、瞬く間に三年の月日が流れた。
当時、私は、パートの事務員として働いており、就業時間が終わる
15時を過ぎると、近くの図書館へ自転車で走るという事をしていた。
そこで、17時までの間、ひたすら文献を読むという作業をしていたのだった。
そうして、いよいよ作品を構築しようとしていた時に、ふと、思った。
「これをシナリオにしたとして、一体、どれほどの人が読んでくれるだろうか?」と。
私が、文献と格闘している間に、篠井君は業を煮やして、私たちは不仲になっていた。それどころか、彼は田舎へ帰ってしまったのだ。
万事休すだった。
私の作品を映像化するという計画は、もろくも崩れ去ってしまった。
これを今更、シナリオにしたところで、映像化の予定すらないのに無駄だろうと私は思った。
思えば、今までシナリオで作品を書いてきたが、読むのは監督か現場の関係者くらい。それが映画化になるならまだしも、誰も読まないじゃないか。
だったら、これを小説にしよう。
そうすれば、少なくとも、まだ読んでくれる人がいるかもしれない。
そう決めた私は、次の作品を小説にする事にした。
学生時代から数えて、二十年目にして、はじめての方向転換だった。
つづく
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