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消えたバイカモ

〈バイカモ〉という名の水生植物をご存じだろうか。漢字では梅花藻と
書き、初夏から夏にかけて、それはそれは可愛らしい花を咲かせます。
この白い小さな花が梅の花に似ていることから、この名がついた
日本古来の多年草の水草です。バイカモは水流に沿って1メートルほどの
藻のような草をたなびかせます。
その藻から太陽に向けて白い花が立ち上がるように咲くのです。
生育条件は厳しく、年間を通して水温が15度前後、常に早い水の
流れがあり、しかも水流の低いところでしか咲きません。生育場所は
少なく、絶滅危惧種にも指定されています。

私が住む場所は大変自然が豊かで、家のすぐ側に小川が流れています。
以前、この小川ではバイカモの花が夏になると咲いているのを
見られました。しかし、ここ数年、とんとその姿を見なくなりました。
寂しいものです。

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これは今朝撮った写真。よく見ると濃い緑色した、とろろ昆布のような
水草が生えているのが判るでしょうか? これがバイカモです。
本来ならこれが1メートルを超す長さになり、今の季節に花を咲かせる
のです。

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所々、よく観察してみると数センチだけ生えているのが分かります。
しかし、これ以上生育しない理由は何なのか……水質汚染? 
近くの大学の研究室の方がたまに訪れているようですが、
がんばって解明してほしいです。私はあの水面に咲いた小さな
白い花が咲くのを楽しみにしているのです。根はまだ死んでいない
のだから、きっとまたいつか一面に花をつける日が来るはずだと
信じて―――

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