給与計算実務能力検定試験1級 計算⑥
次の事例で令和5年7月10日に支給する賞与の差引支給額を求めよ
〈資料〉
〇賞与計算の基本
賞与とは名称を問わず労働の対象として支払う年間支給3回以下のものはすべて標準賞与額としてあつかいます。
1. 賞与から控除するものは、社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金)、雇用保険料、所得税です。住民税は控除しません。
2. 標準賞与額を決定します。具体的には賞与額の1,000未満の端数を切り捨てた額を標準賞与額といいます。
3. 所得税の計算をするには前月の給与の課税対象額を把握する必要があります。これを「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」にあてはめた税率を使います。
注意点
健康保険には年度の累計額で上限573万円
厚生年金には1か月当たりで上限150万円
と上限があり、それ以上は保険料はかかりません。
健康保険料・介護保険料の計算は1,000円未満を切り捨てた
1,639,000円
厚生年金保険料は1か月の上限150万を超えていますので
1,500,000円
標準賞与額が出ましたので計算していきます。
健康保険料:1,639,000円×50/1000=81,950円
介護保険料:1,639,000円×9.1/1000=14,915円 ※50銭超切上げ
厚生年金保険料:1,500,000円×91.50/1000=137,250円
雇用保険料:1,639,280円×6/1000=9,836円 ※50銭超切上げ
社会保険料合計
81,950円+14,915円+137,250円+9,836円=243,951円
課税対象額
1,639,280円-243,951円=1,395,329円
所得税は前月の給与の課税対象額(560,582円)を賞与に対する源泉徴収額の算出率の表に当てはめて税率を求めます。扶養親族等が1人います。
税率は18.378%ですね。賞与の課税対象額1,395,329円にかけます。
1,395,329円×18.378%=256,433.56362 ※1円未満切り捨て
所得税は1円未満切り捨てなので注意して下さい!
所得税は256,433円となり控除額合計は
243,951円(社会保険料合計)+256,433円(所得税)=500,384円
差引支給額は
1,639,280円(総支給額)-500,384円(控除額合計)=1,138,896円
お疲れさまでした(^^)/
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