Daily Life - vol.001 - あいだ

立ち読みですみませんなのですが、國分さんの「中動態の世界」という本をさっと読んできました。受動態(ーさせられる)と能動態(ーしている)の間をとるのが中動態で、現代ではもうすっかり使われなくなってしまったのだけれども、アリストテレスが生きていた古代ギリシアあたりの時代にあった言葉だそうです。「座る」「怒る」「生まれる」とか、主体とそのまわりが相互に作用する時に、内と外を単純に2分できない時に、この言葉を使うのだそう。

著者の中動態の探究、問いの発端として、薬物依存者やアルコール依存者のことが書いてありました。彼らは、意志が弱いからとか甘いとか言われてしまいがちだけど、実際にはそうならざるを得なかった経緯があること。その次に、意志と行動の前後関係について、意志があるから行動する、つまり、そうしたくてそう行動しているわけではないところに、依存症の問題解決の難しさがあるのだということ。その補助線として、中動態の世界を描こうとたのが、この本なのかなと感じています。詳細は、また続きを読んで理解したい。

ここまでを書いて、友達と話したあとに眠り、朝が来ました。

気分というのはお天気のようなもので、昨日曇っても今日は晴れ。また雨が降るかも知れないし、カンカン照りになるかもしれない。そうやって、自分の気分を面白がれた方がいいなと、今日も思うのです。今日は、河川敷の朝靄とともに緩やかな冬晴れとなりそうです。晴れは、緩やかなのが好きです。

あの本を手にしたのは、たまたまで、何かに出会いたかったから。本屋さんにいくのはいつも、いや時々、知らない誰かの話を聞いてみたいからだと思います。はじめは、モンテーニュのエセーを探していたのですが、岩波から出ている翻訳版の在庫切れのため不在。フラフラして、國分さんの中動態の話に辿り着いた。購入せずに置いてきてしまったのは、読みかけにすることで、また読めるようにしたかったから。またお話お聞かせください、という気持ちでそっと本棚に。

一方で購入した、小川洋子さんと堀江敏幸さんが描く手紙形式の文章。流行りのドラマを見るよりもずっとキュンとしてしまう何かがあって、今夜も読むのが楽しみです。ロマンチックで自分と重ならない物語の方がキュンとするのかもしれません。

キュン、も中動態なのでしょうか。
もし、中動態が生き返ったら世界は、もっと鮮やかでしょうか。

いってきます。


3-Feb,2023

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