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日々よしなしごと~男子の着物~

着物を着るのはとても好き。ただし、お茶の稽古や茶会に行く時、あるいは家族の折り目の時に着るだけに限るけど。そして男子の着物姿もとても好き。

先日、若干17歳で棋聖になった藤井聡太君。大局では、なんと白っぽいお召しに薄物の羽織という、何ともさわやかにして男の色気も感じる着物姿で登場!いいねえ~とうっとり眺めておりました。

現代は、女性よりも着物には限りなく縁遠くなる男性ですが、だからなおのこと、着物姿はいつもとは全く違う個性と魅力を醸し出してくれているように思う。きっと、ご本人も慣れていないので若干恥ずかしい気持ちもあるのか、それがかえってそこはかとない色気となって匂い立ってる気がする。

将棋や囲碁などでは、大局に際しては着物姿になる方も多くて、ついついどんな着物を着ているのかとそっちの方に目が行ってしまう。羽生善治さんや谷川浩司さんもよくお召しになる。いわゆる袷の時期であれば、重々しく重厚な感じの着物選びになるのだろうが、藤井聡太君の着物は、昔の書生風でありながら粗野な感じでもなく、若々しい初々しさもあっていいなあと思う。べた褒めですかね?


お茶の世界でも、茶会では男子も着物の場合は無地の着物に袴、羽織はなし。袴姿は、年齢関係なく日本の男子を美しく見せる衣装だとつくづく思う。もちろん姿勢正しく、足さばきも潔く、座る立つの動作に無駄なくかつおおらかであると、お点前の上手下手はさておき充分にステキだなあと見惚れてしまう。

裏千家には業躰(ぎょうてい)先生という、まあ指導員のような男性の先生たちがいらして、全国に出張に行き研究会などで指導される。その先生方(家元も)が着ていらっしゃるのが無地の着物に袴は着けず、季節問わずに紗や絽の黒の十徳(じっとくと読む)と言われる羽織のようなものをお召しになっている。これは誰でも着れるものではなく、家元から許されたものだけが着ることができる茶の世界での男子の礼装。この十徳姿もなかなか侘びた風情で年齢関係なく素敵なのだが、比較的若い方の十徳姿も、今の世の中から見ればかなり浮世離れした佇まいながら渋くて、私はとても好きだ。

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こんな風に書くと、ますます男性にとって着物は手の届かない世界のファッション?のように思われてしまうのだろうか。この十徳は少々特殊だとしても、藤井聡太君や棋士の方たちのような無地の着物に袴姿は、美しき日本男子が立ち現れる瞬間の理屈抜きのドキドキ感があるなあ。私の周りにも、着物に袴をはかせてみたいなあ、なんて密かに妄想する方もいるのだけど、きっと結婚式に羽織はかまになるくらいしかチャンスはないのかも。でも、そういうのとはちょっと違うんだよな~とか、勝手に妄想している。。。

女子なら、おしゃれとしての着物を着る機会を作るのはさほど難しくはないけど、男子にはかなりハードルの高い経験になるね。でもでも、もし何かのきっかけで着物や袴を着るチャンスがあったら、絶対にチャレンジして欲しい!! きっと今まで見たことがないあなたがそこにいるはずだから!!

着物男子万歳!





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