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日々よしなしごと~007はお好き?~

007の新作が公開されたので早速夫と観に行って来た。このシリーズは好きなので、子供のころ母と一緒に観に行った以来全作観ていると思う。でもたいてい内容もすぐ忘れてしまうし、話の流れも漠然としか分かってなくて、とにかくジェームス・ボンドはイギリスの諜報員で、不死身の男なのだという大雑把な感じで観ているいい加減なファンだ。

ジェームズ・ボンド役は歴代6名ということだが、私はショーン・コネリーが一番だと思っている。その次が今のダニエル・グレイグ。こういうのも、本当のファンならばいろいろな見方があるんだろうな。

新作のタイトルは「ノー・タイム・トゥ・ダイ」で完結編だという。ボンドも今や現役を退きジャマイカで優雅に暮らしていたが…という展開で、あとは実際にご覧いただいた方がよいね。

上映中、アクションシーンやカーチェイスのシーンで、やたらホエーーとか声を発する人が近くにいて、びっくりするやらおかしいやらで、若干集中が途切れたのは残念にしろ、ジェームズ・ボンドといえばのお約束がいっぱい登場して楽しかった!ファンならきっとうれしいと思うけどどう?

例えば、いろんな仕掛けを組み込んだイギリスの名車アストン・マーティンとオメガの腕時計。毎回派手なカーチェイスや危機一髪のところで敵を攪乱していく痛快なアイテムだ。

そしてドライマティニ。バカラのグラスで飲むドライマティニは、美女との絡みにはマストな飲み物だし、ダークスーツとタキシードスタイルもショーン・コネリーのは天下一品!だと私は思う。あれは何作目だったか、敵地侵入するのにウェットスーツで海を潜っていき、現場に着いてそれを脱ぐとタキシードスタイルに変身!パーティ会場に素知らぬ顔で乗りこむ。当時まだ私は子供だったけどなんてカッコいいの!!と思ったものだ。


この新作を観たある友人が、facebookのコメントでドライマティニを頼む際に「ステアじゃなくてシェイクで」といつか言ってみたいというのを見て思.いだした。

若いころ、職場の同僚たちとの飲み会の2次会でしゃれたバーに行った。その時私はなぜかカッコつけて飲んだこともないのにドライマティニを頼んだ。なんとバカラの大き目のグラスに並々とシェーカーから注がれ、オリーブも入れてくれてテンション上がったね(ここまでは記憶にある) ふた口ほど飲んだら突如目がぐるぐる回りだしひっくり返ってしまった・・・どうやって家に帰ったのか記憶にない(なんと恐ろしい・・・)


ついでにもう一つ思い出した。これは007ではなく、もはやなんという映画だったかすら覚えていない映画のあるシーン。探偵?なのか何かを探っている男が、その鍵を握っているらしい女に会いに行くが、その女はアル中なので、聞き出すためにウィスキーを持っていく。女のアパートに行き、酒瓶をチラつかせて中に入り紙袋に入った酒を女に差し出すと、女はその袋のまま瓶のキャップを取り一口飲み、感に堪えないように

「ああ~やっぱりスコッチはピュアモルトに限るわ」

これを聞いた私はピュアモルトのスコッチはこんなにおいしいのかと甚く感動した(なぜこんなことに感動するのか・・・・)。数日後、ピュアモルトとはどんなものかも知らないままに、酒屋に行きピュアモルトのスコッチくださいと言って一本買ってきた。そして、さっそく瓶のキャップを取りあの女のようにグイっと飲んでみた・・・

うへぇ~~なんだこの消毒液くさくて辛い味は!!!

と吐き出したのであった・・・・

と、こんなトンマな映画にまつわる経験は、まさに若気の至りともいうべき失態で恥ずかしい・・・ところでピュアモルトというのは日本だけの言い方らしいので、映画の翻訳ではシングルモルトをピュアモルトとしたのかもしれない。数年前にケン・ローチ監督の「天使の分け前」という映画を観て、改めてシングルモルトのスコッチを飲んでみたら、香りも華やかで味も全く違ってとってもおいしかった!スコッチウィスキーの私のイメージは完全に180度変わったのは言うまでもない。本当に映画の力というか影響は大きいのだ・・・

さて、007に話を戻そう。

先のステアじゃなくシェイクでっていつか言ってみたいという男子も、この映画を見た後に、車に乗るときは周りに注意を払って乗り込み、前後左右に車に挟まれても大丈夫なようにハンドルをしっかと握って運転して帰ったというなりきり男子もいて、ジェームズ・ボンドはある種の男の理想の姿なのかもね。

007の新作もいろいろと評価はあるようで、それはそれでファンだからこそ侃々諤々と語りたいだろう。私はこの手の映画は、その世界で思いっきり楽しめるかどうかだと思ってる。新作もそういう意味ではとても楽しめたがなんと言っても完結編。このシリーズも終わり、ボンドも不死身ではなかったのね・・・・

それにしても、単に強いだけではない、華麗で知的なダンディズムを体現したジェームズ・ボンドというヒーローのいた世界ってもうないのかもしれないな。

それがちょっと寂しいことだなあと思う。


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