Saul Leiterとお金のはなし

展覧会でSaul Leiterの写真を初めて見たとき、自分の感覚が写真の中に吸い込まれるような錯覚を覚え、驚いた。写真を見て感動すること自体初めてで、戸惑った。

それから、写真集"Early Color"を購入した。

世界的に評価が高い出版社での出版であり、

その品質はすさまじく、展覧会での感動をぎゅっと縮めてまた開かせるような、写真のプリントをこだわる人はこういうところではまるのか、黒べた塗りの美しさ、統一した細部のふんわりした感じ・・・なかなかいろんなことを感じて少し興奮してしまう、落ち着け。

日本でのSaul Leiterの展覧会は三度あり、二回公式の図録がでている。

これらに限らず他にもSaul Leiterの写真集はいろいろでていて展覧会で確かめたのだが、"Early Color"には及ばない。"Early Color"を見たあとは、他のものはとりあえず紙に印刷してみた感がすごいのだ。室内照明が紙に当たったときの"テカり"が、他のものは地の紙と連続して現れるが、"Early Color"は分離して現れる。紙面上でちゃんと写真を現像しましたよ!という感じで、インクの濃度も密度もぐっと高い(ベタの部分の濃度が圧倒的で、デジタルな捉え方ではdpiが全然違う)。

この"Early Color"は写真好きなら是非持っておきたい・・・というか写真に興味が無かった自分みたいな人間を取り込む魔力がある。

さて、タイトルのはなしである。
この"Early Color"、写真を見る以外でたまにニマニマとしてしまう。
価格が高騰しているのである。

amazon.co.jpより

なんと52万円!!!
といっても、他の言語や中古だと一桁下がるし、米国のamazon.comの価格もそんなに高くない。でも、正規の値段からはぐっと上がっている。どこまで上がるか楽しみではある。だんだん手持ちの"Early Color"をめくる手が震えてくるかもしれない。

"Early Color"以外の写真集やコロタイプ、ポストカードもamazonやメルカリ上では値上がりしているが、出版社のHP等をみると正規の値段で買えたりする。そこまでもりあがりはない。けれど、いずれは・・・と期待してしまう。

コロタイプはこちら↓

ポストカードはこちら↓

興味深いことに、Saul Leiterの写真ではない写真集も値段が上がっている。

amazon.co.jpより

Saul LeiterのNYのアトリエを訪ねた写真集。元の値段は1100円づつである。Saul Leiterっぽい写真の撮り方をしていて、本物とはちがうんだけれど、それが"Saul Leiterっぽさ"を認識するのに役立つ面白い写真集。これもどこまで値上がりするか楽しみである。売らないけど。

さあ、Saul Leiterを買おう。


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