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サブプライムショックからリーマンショックまで

私が株式投資を始めたのが、2007年の夏ころで、ちょうどサブプライムショックでアメリカの株価が大きく下落した時期でした。
そのころは、サブプライム問題はさほど深刻な問題ではないし、そもそもアメリカの問題で日本への影響は限定的という楽観論が主流でした。
私自身も、株式投資をはじめたばかりで、サブプライムショックというのがどのような問題であるのかもよくわかっていなかったし、アメリカの株式市場の状況が日本の株式市場の状況にもかなり強い影響を及ぼすこともよくわかっていなかったので、サブプライムショックのことはたいして気にもとめませんでした。
しかし、あとから振り返ってみると、すでに2007年夏ころの時点で、半導体や不動産といった景気敏感銘柄を中心に、業績自体の悪化は数字上は現れていないにもかかわらず、株価が急速に下落していっている銘柄が散見されていました。そういった銘柄は、PERやPERといった指標上はとても割安にみえるので、私は、たいして検討もしないままに、そういった銘柄を適当に購入していました。
その後、次第に楽観論ばかりでなく悲観論も散見されるようになり、2007年の年末ころには悲観論の方が優勢となって、それに伴い株価もまたたくまに落ちていきました。
たしか、2007年の大納会から2008年の大発会の間にNY市場が大きく下落し、暗澹たる気持ちで2008年の正月を迎えたと記憶しています。
当時の記録が残っていないので正確なことはわからないのですが、株式投資開始時点の資産額は約700万円で、そのうちの400万円程度を5ないし10銘柄くらいに分けて投資していて、2008年の年明け時点の含み損は30万円程度だったはずです。
そのうちのひとつにトーセイ(8923)という不動産株を持っていまして、当時の株価は60,000円前後で、確か10株を保有していたと思います。今、チャートを確認してみると、2007年のはじめには約150,000円であった株価が半分以下になっていましたが、会社の業績自体は右肩上がりで、2008年1月11日に発表された2007年11月期決算では、1株あたり純利益は2006年11月期の7,405円から約60%アップの12,095円、2008年11月期の予想は、さらに約50アップの17,868円というものでした。当日の終値は60,000円ちょうどで、PERは実績で4.96、予想だと3.35にまで達し、配当利回りも実績で3.66%、予想だと5.83%となり、さすがに株価は大きく持ち直すだろうと私は思いました。
ところが、翌営業日の15日、始値が64,500円ではじまった取引は60,000円と65,000円の間で一進一退となり、最終的に61,500円で引けました。私は、愕然とし、PERやPBRといった指標を過信して漫然と株式投資をすることは危険と気づきました。
そこで、単にPERやPBRが割安水準だというだけでなく、競合他社にはない技術やノウハウがあり、おそらく訪れるであろう厳しい不況下においても生き残りやすそうな会社を厳選して、集中的に投資する方針に切り替えました。一般には、分散投資がリスク軽減になると考えられていて、私の上記方針はそれとは逆の方針といえます。しかし、株価の下落に応じてナンピン買いを続けていくのにはそれなりの資金力を要し、複数の銘柄でそれを行っていくのは難しいし、含み損が加速度的に増えていく不安感に耐えるためにも、少数の信じられる銘柄に絞って集中的に投資していくことは合理的であると私は思います。
私は、上記したトーセイ(8923)とフジミインコーポレーテッド(5384)という半導体関連の会社に集中的に投資していくことにし、他の銘柄は適宜処分することにしました。ちなみに、フジミインコーポレーテッドと最後まで迷った銘柄に、レーザーテック(6920)がありました。どちらも、半導体関連の独占的な技術を持っていて魅力的だったのですが、たしかフジミインコーポレーテッドが無借金経営で不況下での安心感が勝ったことが決め手でフジミインコーポレーテッドに最終決定したはずです。このとき、レーザーテックにしていればよかったと思わないでもないですが、フジミインコーポレーテッドでもそれなりに利益が得られたので、まあよしとしています。
トーセイは不動産株で、不況下での安心感は低いと言わざるを得なかったですが、最終的には直感で、この会社は信用できると判断し、投資対象としました。割合としては、トーセイが8、フジミインコーポレーテッドが2くらいで、トーセイだけに集中投資していたといっても過言ではない状況でした。
トーセイの株価は、2008年7月ころから急速に下がっていき、それに応じてナンビン買いを続けていましたが、10月ころには株価は1万円台に突入し、資金も枯渇して、信用買いにまで手を出してナンピン買いを継続しました。それでも株価の下落は止まらず、一時期は追証発生の危機にも直面しましたが、2009年2月ころにようやく株価の下落が止まり、信用買いについても順次現引きしていくことができました。私の記憶によれば、最終的に全ての現引きを終えた時点の株数が100株を少し超えるくらいで、平均取得価格は30,000円くらいだったと思います。

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