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ピープルってどんな会社?まさと社長に聞いてみた!

こんにちは!ライターのかのです。赤ちゃん観察メソッドを世に広めようとする「ピープル 赤ちゃん研究所」を観察するnoteを書いております。

そもそもこのふしぎな事業「赤ちゃん研究所」を展開する、おもちゃメーカーのピープルとはどんな会社なのでしょう?そして「赤ちゃん研究所」の位置づけとは…!? 聞きたいことがたくさんあります!!

そこで、今回は社長の桐渕真人さん(以下、まさと)に、オンラインでお話を伺いました!


生まれながらにして答えを持っているこどもたちから学ぶ

ピープルでは会社にこどもも一緒に出勤してOK

かの:そもそも、赤ちゃん研究所が広めようとしている「赤ちゃん観察メソッド」はピープルさんの中でどういう位置づけにあるのでしょうか。

まさと:赤ちゃん観察はピープルにとって一番重要で、一番時間を使うべきところです。

答えを持っているのは大人じゃない。こどもこそ、答えを生まれながらにして持っている側で、我々大人はそれをまなぶ側だと思うんです。

教育って、大人がこどもにインプットするものだと考えられているじゃないですか。

僕には小学校4年生と1年生の男の子がいて、上の子の方が重めの発達障害を持っているんです。彼は小学校でじっと座っていられず、1年生のときの授業参観のときも、クラスの他の子が授業中にきちんと座っていられるのに、うちの長男だけ、エビそりみたいなポーズをとっていた。

それで、専門家の方に相談してみたところ、「彼は一生懸命考えようとしている結果、こうなっているように見えます」って言われたんです。

専門家の方によれば、彼の姿勢は、すべての人間に備わっている「自己刺激行動」の一つだというんです。考え事をするときに、ペンを回したり、貧乏ゆすりをしたりすることがありますよね。思考するときには身体を動かしていた方がいいとその先生はおっしゃられていて、人間は体を動かしたり、刺激がある方が脳が活性化して、思考がはかどることがわかっている、とのこと。

最近息子さんたちのために長野に移住したまさと社長ファミリー

かの:姿勢を正して黒板を見て静かにノートを書くことが、必ずしも考えるのに適しているわけではないということですね。こどもの自然なふるまいから、私たちが学べることはたくさんあるように思います。

まさと:赤ちゃんに立ち返って考えてみると、赤ちゃんという存在は、まだ社会的なバイアスを受けていない、いわば「本能しかない生き物」で、我々バイアスにまみれてしまった大人は、赤ちゃんから人間をまなぶべし、と思っています。

すごいいやらしい言い方をすると私たちの「メシの種」としても重要です。

株主総会も新しいカタチに挑戦。2023年6月にはこづれOKの「子どもまんなか株主総会」を開催。

世界中のこどもの「好奇心」は共通している

かの:新規事業である「ピープル赤ちゃん研究所」についてはどのように捉えていらっしゃいますか?

まさと:ピープルのやりたいことのど真ん中の活動をしていると思います。

一方で、これがどんなビジネスにつながっていくのかは未知数ですね(笑)。

利益を出すことで活動が発展していきますから、収益化は重要です。そのためにはみんなで知恵を絞らないといけません。答えはまだ見つかっていませんが、この活動が新しいつながりや価値を生み出していくだろうと思ってみています。

かの:玩具業界も今、転換点に立たされていると伺っています。

まさと:そうですね。コロナ禍を経たこともあり、価値観や行動様式が変わってしまって、今まで売れていたおもちゃが、突然欲しくなくなってしまうことが、よくあるようになりました。

でもそうやって価値観がどんどん変わる世の中でも、「こどもは変わらない」ことを我々は確信しています。

世界中のこども達がティッシュを引き出したりコンセントの穴に指を突っ込んだりしている。そして、世界中の親御さんたちは「やめて!」と言っている。その親御さんたちも本心では「好奇心を止めたくない」と思っている…そんなことを僕たちは知っているんです。

それだけは絶対間違いないと確信しているから、古い枝は余力のあるうちに切り捨てて、新しい商品づくりに挑戦した方が良いと思っています。

先ごろピープルは、自転車事業からの撤退を発表しました。まだまだ売上をとれる事業でしたが、維持に莫大なエネルギーが必要だし、じぶんたちのありたい姿と離れてきたと感じられるので手放そうという決断です。そんなことして大丈夫かと心配されますが、僕は楽観視していますよ。

自分の好奇心に対して合理的に生きると「変な人」に見える

亀も食べるまさと社長

かの:一般的には「今強い事業を残していく」ことが合理的なように感じられますが、「誰のための事業だっけ?」というところに立ち返り、あえて「今強い事業」を切るところには強い意志を感じますね。

その判断をするためには、誰のために何をしている会社なんだっけ?」ということを深く掘り下げる必要がありますが、そのような根源的なことに気づきにくい世の中になっている気もします。

まさとさんは、ピープルの文化や社風が、もっと世の中にインストールされればいいなと思ったりされることはありますか?

まさと:僕はよく変な奴呼ばわりされるんですけど、僕自身はいたって幸せに対して合理的に生きているんです。変態呼ばわりされる趣味の一つが、キノコ、はっぱ、魚、爬虫類とか、その辺に落ちている生き物を拾って食うことなんです。

かの:爬虫類!!

まさと:爬虫類までは拾って食べても法律に触れないので、亀とか食べますよ。

かの:!!!

まさと:買ってきた食材がおいしかったりおいしくなかったりするのは当たり前のことで、自分で拾ってきて、知恵を絞ったり、技術を使って獲得してきたものを食べるということに、すごい喜びがあります。貧乏くさいといわれることがあるんだけど、僕はとても豊かな生活をしているつもりなんです。

7月ぐらいになると、東京でも公園のあちこちに「ポルチーニ茸」が生えてきます。僕はそれを拾って、普通にお店で買ったら1万円分ぐらいを食べたりしている。家族も幸せになれるし、よい休日の過ごし方だと思うんですが、それを人にいうと「変な人」呼ばわりされるんですよね。

でもそんなもんだとも思っていて。自分の「こうしたい」に対して合理的に生きると、他の人からは変な人に見える。

異なる個性は役割分担のため

まさと:僕は、仕事がらたくさんのこどもを見ているんですが、こどもの個性は生まれた時点である程度決まっているなという確信があるんです。

そして、人がみんな異なる個性を持って生まれてくるのは、役割分担のためだと思っているんですよね。

こどもが一番好きなことを選んだら、自然に担当が決まっていく。それって人類の希望だと思いませんか?

個性や好きなことがみんな違うのは、人類が社会的に生きていくうえでの役割分担をするため。だから他人がお金を払いたくなるくらいの価値になるまで、好きなことを突き詰めていけばいいんです。

人間ってすごいよくできているなと思いますし、幸せな役割分担ですよね。逆に、我慢しながらやる仕事は長続きしない。そんなことはしなくてもいいよって思います。

こどもに好奇心を丸出しにしてもらってそれを肯定するのがピープルの役割です。誰もが幸せになれるビジネスモデルだと感じています。

かの:自然に役割分担ができていくという話、わくわくしますね。赤ちゃん研究所の今後にも興味津々です!今日はありがとうございました。

【取材を追えて】
この取材は私と私の会社(プレーンテキスト)のメンバー2人とでまさとさんのお話を伺ったのですが、取材終了後に会社のチャットで、今の話やばすぎる!とかなりの盛り上がりを見せたインタビューでした。(なかなかそんなことはありません)。

私は長らく「なぜ世の中にはお医者さんとマーケターと消防士とスーパーマーケットの店員と社長と…というようにさまざまな仕事の人がいて、みんなが楽な仕事だけに流れないのだろう」と不思議に思ってたのですが、まさとさんの話から、「人にはある程度の生来の個性があり、それに基づいて自然と役割分担ができているのかも!」と気づかされました。

私たちがライティングや編集、そしてそれに関わる人が好きで、仕事になってるというのも、そういうことなのかもしれません。

私と私の会社のメンバーは、それぞれ小さなこどもを持つ親でもあるのですが、自分のこどもに接するときに、その好奇心を丸出しにさせるような育児をしたい!とも思いました。

ピープルさん、代表からしてこれですから、奥が深いに決まっています。

この先、この観察日誌を通じてどんな面白い考え方や人に出会えるのか楽しみです!!

(インタビュー:プレーンテキスト かの、構成:プレーンテキスト まくだ)




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